小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#22 タルタロスへ強制連行
























クイーンとの戦いも終わり……。

ジェイドと合流した一行は、チーグルの住処である大木へと戻っていった。




【チーグルの住処】



「話しはミュウから聞いた ずいぶん危険な目に遭われたようだな・・・ 2000年をへて・・・ なお約束を果たしてくれた事 感謝している。」

長老は一族を代表して頭を下げる。

「いいえ・・・!チーグルに助力する事はユリアの遺言ですから。」

イオンは笑顔だった。

「しかし・・・もとはミュウがライガの住処を燃やしてしまったことが原因・・・ミュウには償いをしてもらわねばならん!」

「みゅう・・・・」

ミュウはしょぼん・・・っとしていた。

しかし次の長老の言葉で!

「したがって―― ミュウの処遇はルーク殿にお任せする!」

その言葉に…ミュウは一気に元気になる!

んで…ルークは……。



「はぁ!?」



何言ってんのお前?的な表情で長老を見ていた。

「聞けばミュウはルーク殿に命を救われたとか・・・ 季節が一巡りするまでの間ミュウはルーク殿にお仕えする」

そう言い終えるとミュウがルークに飛びついた。

「みゅみゅ(よろしく)みゅう(ですの)みゅーみゅ(ごしゅじんさま)」

「だー!頭に乗るな!オ・・・オレはペットなんかいらねーっての・・・!!」

楽しそうに騒いでいる。

「連れて行ってあげれば?」

「そうだよルーク。チーグルって聖獣って言われているから、家の人もびっくりするんじゃないかな?」

「その通りですね。きっとご自宅では可愛がられますよ!」

みんなは賛成派のようだ。

ミュウは目を輝かせながらルークを見つめていた。

「う・・・うーん なら ガイたちへの土産ってことにでもすっかァ・・・・」

結局折れたのはルーク。

こうしてミュウはルークのペットとなりました♪

「報告はすんだようですね。行きますか」

そこへやってきたのはジェイド、

皆ジェイドのほうへついていった。

ルークは不満そうだったけど・・・ 苦笑






















暫く 歩いて、森の入り口に差し掛かった時。

「イオン様!!アル〜〜!!大佐〜〜!!」

声が森の入り口の方から聞えてきた。

「お?あの子お前の護衛役じゃないか?」

「はい アニスです。」

「あ、ほんとだ。 護衛役なのに離れちゃまずいって思うのは俺だけかな?」

そう苦笑すると・・・

「イオン様は気がついたらどっかいっちゃうんですーーー!!」

反論!!

って・・・

「聞えてたの・・・?」

「もっちろーん!!もう!!アルってば!!私そんなに無能じゃないわよ!」

ご立腹のようだ。

だけど・・・

「改めて・・・お帰りなさーい&#9825;」

すーぐに元に戻る。

相変わらずだなぁ・・・ 苦笑

おまけに地獄耳・・・


「ご苦労様でした アニス タルタロスは?」

「ちゃんと森の前に来てますよぅ!大佐が大急ぎでって言うから特急で頑張っちゃいましたぁ!」

そう言うと……



“ザッ……ザッ……ザッ……”




一気に軍隊がやってきて、ルークとティアを包囲していた。




「―――え?何だこれ!!どーなんてんだよ??」

「さ・・・さあ・・・ 俺は聞かされてなかったからなんとも・・・ ってか俺もかな?」

ルークは騒ぎ出し、流石にアルも予想外だったのかちょっと動揺していた。

「いえ アル貴方は関係ありませんよ。彼らは・・・ 正体不明の第七音素(セブンスフォニム)を放出していた疑いがあるのです。 ・・・よってあなた方を拘束します。」

そう言うと軍隊のメンバーが取り押さえに入った。

「ジェイド!? 2人に乱暴な事は・・」

「そ、そーだよ!!ルーク達はイオンを助けてくれた人たちだよ!? 酷い事は…!」

突然のことだ……。

アルはちょっと動転していた。

イオンはまだ落ち着いていたようだけど……抗議!

「2人とも落ち着いて・・・ 何も殺そうというわけじゃありませんよ。・・・2人が抵抗しなければ出すけどね。」

そう言うと・・・

軍隊のメンバーに。

「連行せよ!」

一言命令。

そのまま戦艦タルタロスへ強制連行となった。
















【タルタロス内部】



「2日前に起きた第七音素(セブンスフォニム)の超振動はキムラスカ王国王と方面から発生 マルクト帝国領土タタル渓谷付近にて収束・・・ 長振動を起こしたのが貴方達ならば、不正に国境を越え マルクト帝国領内に侵入したことになりますね・・・」

ジェイドによる尋問が始まっていた。

ティアは元々身分はイオンが分かっていた為すんなり素性は分かったのだが・・・

問題はルークだった。

「ティアが神託の盾(オラクル)騎士団の人間だということはわかりました ではルーク。 貴方のフルネームは?」

少し間を空けて・・・ルークは話した。

「――――ルーク・フォン・ファブレ お前らが誘拐に失敗したルーク様だよ」

!!

「ファブレってたしか………」

これは・・・覚えてる・・・ 世界情勢でかかれてた・・・な・・・

大体分かったという感じのアルの顔を見て……ジェイドは。

「ふっ 貴方の勉強熱心ぶりには本当に驚かされますね。そうです。 キムラスカ王室と姻戚関係にあるファブレ公爵のご子息ってことですね。」

そう言い感心していた、

そしてアニスは目を輝かせた!!

「公爵!?ステキ&#9825;」

「ルーク・・・」

イオンとアルは心配そうな表情で見ていた。

「・・・敵国の王室関係と神託の盾(オラクル)騎士団の人間が共謀しての不正入国・・・ いよいよただの物見遊山とは思えませんね・・・それに誘拐とは?穏やかではありませんが・・・」

ジェイドは問い詰めるようにそう言うと、ティアが。

「ジェイド大佐!今回の件は偶然発生した超振動で私たち2人が飛ばされてきてしまっただけです!ファブレ公爵家のマルクトへの敵対行動ではありません もちろん神託の盾(オラクル)騎士団も無関係です!」

ティアが訴えた。

(・・・あの冷静なティアさんがこんなに・・・ ひょっとしてその……超振動ってやつのきっかけを彼女が・・・・?)

アルは考え込んでいた。




「ジェイド・・・ティアのいうとおりでしょう、彼らにそのような類の敵意は感じられません。」

イオンが助長する。

「オレも賛成だよ!……そもそも敵国に単身(2人)乗り込んでくるなんて・・・ちょっと考えにくいし、隠密行動の目的なら、エンゲーブで泥棒するのも・・・ちょっと異常だと思う。……メチャクチャ目だってたし・・・」

アルもイオンに賛成。



「だー!アレは俺じゃねーつーの!!」

「はぁ・・・店先の食べ物勝手に食べたでしょ?」

ティアが暴れるルークを落ち着かせ・・・っというか 一言くぎさした。

このやり取りを見ていたジェイドは・・・

ため息を零し・・・

「・・・まぁ そうでしょうね。とくにご子息の方は温室育ちで世界情勢には疎いようですし?」

「悪かったな!大きなお世話だ!!」

・・・ジェイドも火に油を注ぐのが好きなようだね・・・

アニスはアニスでまだ悶えてるし・・・ 苦笑

すると今度はイオンが・・・

「ここはむしろルークたちに協力をお願いしませんか?皆さんご存知のように昨今・・・局地的な小競り合いが頻発しています。ホド戦争が休戦してからまだたったの15年 このままでは再び本格的な全面戦争へと発展するのも時間の問題です。そこでマルクと王国ピオニー九世閣下は和平条約を提案した親書を送る事にしました。僕はローレライ教団最高指導者という中立の立場から協力を要請されました。我々は今和平の支社として戦争を止めるためにキムラスカ王国へ向かっています。」

「戦争を・・・止める・・・ てかそんなにヤバかったのか?キムラスカとマルクトって・・・」

ルークも唖然としていた。

世界情勢を全く知らないのであれば仕方の無いことだろう。

「とはいえ・・・我々は敵国の使者です。すんなり国境を越えられるとは思えません」

イオンがそう言うと、変わってジェイドが繋げた。

「・・そこで1つお願いがあります。ルーク、貴方の力・・・いえ その【地位】は今の我々にとって非常に好都合その権力(ちから)をお貸しいただけたい」

いや・・・その頼み方はちょっと・・・

アルは若干引いていた。

(高圧的だね・・・敵国だから仕方ないといったら仕方ないんだけど・・・ルークにそんなのいったら・・・)

「・・・おいおいおっさん その言い方はねーだろ!大体人にモノを頼む時は頭下げんのが礼儀じゃねーの?」

ルークは立ち上がり言い放つ、思ったとおりに・・・

「ルークよしなさい!あなただって戦争が起こるのはいやでしょう!」

ティアが宥めようとするが・・・止まらない。

(このままじゃ・・・アクゼリュスが・・・)

「ルーク。」

アルが話しだした。

「んだよ!」

「俺からも頼んじゃダメ……かな?このマルクトには俺の命の恩人が…… ……恩人の町があるんだ……そこは今大変な事態に落ちいている……。彼らを助けるには……君の助けが必要なんだ……。」

顔を俯かせながら・・・続ける・・・

「皆を……助けてくれ…。お願いします……。」

そう言って頭を下げた。

「・・・・ッ」

ルークも突然の事に困惑しているようだ。

「アル・・・・」

イオンもアルを見つめていた。

ジェイドはまたため息を出し。

「やれやれ……。アルに先を越されましたね・・・」

ジェイドも跪いた。

「どうかお力をお貸しください・・・ ルーク様」

回りも流石にジェイドの行動には驚いたようだ。

アルの時以上にざわついていた。

「・・・わかったよ。国王に取りなおせばいーんだろ?」

ルークは頭を掻きながらそう言う。

ジェイドはそれを確認するとスクッっと立ち上がり。

「助かります!そうと決まれば急ぎましょう!」

「・・・いい性格してんなアンタ・・・」

ルークは不満顔だった。

「……ルーク。ありがとう」

そこへアルがやってきた。

「べっ・・・別になんでもねーよ!んなこと!!」

あからさまに照れてはいた 苦笑

(アルにも色々あったのね・・・)

ティアはその2人を眺めながらそう思っていた。

「さぁ ぐずぐずはしていられませんよ。大詠師派の邪魔が入りかねません。」

ジェイドがそう言うと、

「大詠師派って?」

ルークが首をかしげた。

そしてアルのほうを見るが・・・

「ごめん・・・ちょっとまだ勉強不足だったみたいで・・・」

っと頭を掻きながら苦笑していた。

「ボクから説明します。お恥ずかしい話ですが ローレライ教団では派閥抗争が起きているんです。ボク 導師イオンを中心とする改革的な導師派 そして大詠師派モースを中心とする保守的な大詠師派・・・ ボクはマルクト軍の力を借りてモースの軟禁から逃げ出してきました。モースは戦争が起こるのを望んでいるんです!! ヴァンがボクを探しているというのも恐らくはモースの指示・・・」

「何かの間違いです!導師イオン!!」

ティアが血相を変え、叫んだ。

「モース様は予言の成就だけを祈っておられます。戦争を望んでいるはずが!!」

(なるほど・・・ 大体分かってきたけど・・・)

「ティアさんはそのモースって人派なんだね。」

そこまでかばうということはそれほど信頼しているということだろう。

そう言うとアニスが。

「えー ショックですぅ〜・・・」

じとーっとティアを見ていた。苦笑

「い いえっ 私は中立よ!予言(スコア)は大切だけどイオン様の意向も・・・」

「おーい、さっぱり話が見えねーんだけどー」

ルークだけ取り残されたって感じだ。

「えっとね 簡単に言うと・・・ イオンともう1人のお偉いさんがいて・・・ どっちが上かで揉めてる。っというか ケンカしてて・・・ そしてティアさんはもう1人の方を信頼している・・・って感じかな?」

簡潔すぎるだろ!ってつっこまれても気にしない!

「お!なるほど・・・」

うん 納得してくれたみたいだし良かった。

「だっ・・・だから違うのよ!私は中立って・・・」

ティアが慌てながらそう言ったいたその時!


(ビーービーービーー!!)


突然ブザーが鳴り出した。







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