小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#23 強襲・神託の盾騎士団
































とてつもなく大きな音だ!

意味が判って無くても嫌な予感しかしない!

「艦橋(ブリッジ)どうした!!」

伝声管を使いジェイドが連絡を取る。

(師団長!!敵襲です! 前方上空にグリフィンの大集団です!!総数は・・・総数は不明!! 全体連絡!!総員!第一戦闘配備につけ!繰り返す!!総員!第一戦闘配備につけ!!)





“グ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ  オ !!!!!”





上空全てを覆い尽くすかのような数の魔物が押し寄せてきた!

(グリフィンから 多数のライガが降下!!応戦間に合いません!! 船体に張り付き攻撃を・・・ ?ドガアアアアン? ぐわぁッ!!)

その連絡が艦橋(ブリッジ)との最後の通話だった・・・

戦艦が一気に揺れる!


「きゃーーー!ルーク様 アニスこわーい&#9825;」

揺れを利用したハグ!!

「うわわ!?」

ルークは揺れに戸惑っていてそれどころではなかった。 苦笑

「魔物たちが連携行動を・・・!?どういうこと!?」

「艦橋(ブリッジ)!応答せよ!艦橋(ブリッジ)!!」

ジェイドが連絡を取ろうとするが返事が帰ってくる事は無かった。




暫く 揺れと、怒号が続いていたが・・・

「と・・・止まった・・・!? イオン様 大丈夫ですか?」

ティアが膝をついているイオンに手を差し伸べる。

「は はい、ボクは大丈夫です。」

「何とか・・・とりあえずは止まったね・・・ まだ安心は出来ないけど・・・」

そう言うと・・・

「じょー……冗談じゃねえ!こんなアブネー陸艦!俺は降りる!!」

ルークは直ぐに立ち上がると、ドアに向かって駆け出した!

「ルーク!!外には敵がいるかもしれない!今はっ!」

って言い終える前にルークは飛び出してしまった。

その時!!


「そのとおりだ!」


“ドガアッ!!”


通路で待ち伏せしていたのか・・・大男がいた。

強大な鎌のような武器がルークの首近くまで振り下ろされ壁に突き刺さる。

「迂闊に動くなよ この坊主の首が飛ぶぞ? さあ 大人しく導師イオンを渡してもらおうか」

男の名は・・・


≪神託の盾(オラクル)騎士団 六神将 黒獅子ラルゴ≫


通路で全員集まったが、ルークを人質に取られている以上 迂闊には動けないようだった。

「戦乱のたび骸を漁るお前の噂・・・ 世界にあまねく轟いているようだな 死霊使い(ネクロマンサー)ジェイド。」

「――貴方ほどではありませんよ。神託の盾(オラクル)騎士団 六神将 黒獅子ラルゴ ・・・あなた1人で私を倒せるとでも?」

一触即発の状態だ……。

と言うかルークを忘れている物言いだな、ジェイド……。

(死霊使い(ネクロマンサー)?まさか・・・)

ティアは死霊使い(ネクロマンサー)の名に驚いているようだ。

でも……、 それどころではない。

ルークを助ける事が先決だ。そしてイオンも……。

アルはティアの後ろで……。

(ティアさん……暫く動かないで……オレをそのまま隠してて!)


控えていた。

そして 術式を見えない死角の位置に刻む・・・

「!?(わかったわ・・・)」

一瞬ティアは驚いていたが、振り向かず直ぐに理解してその場で身構えた。

これにより完全にラルゴからはアルが見えなくなる。





「ふん……。確かに死霊使い(ネクロマンサー)殿を相手にするのは聊か骨が折れそうだが、これを使えば別だ。ふん!」

「!!」

そう言うと小さな箱のようなものを投げつけた。

その箱はジェイドの真上で分解すると・・・




“バリバリバリ!!!”




まるで雷のようなものがジェイドに降り注いだ!

「封印術(アンチフォンスロット)!!」

ティアが叫ぶ!

「し!しまった!!」

ジェイドはその場に疼くってしまった。

「これは本来導師の譜術を封じる予定の物だったがまあいい!!これで貴様は譜術が使えぬ!!」

そう言い!一気にジェイドに攻め寄った!

「くっ!!」

ジェイドは槍を出し撃退の体制をとる。

「アニス!!イオン様を!!」

アニスは返事をする前にイオンを引連れて走り出す!

「させぬ!!」

ラルゴは鎌を構えなおした!

「ジェイド!!そいつから離れろ!!!」

「!?」

「何!」


後ろからアルの声が聞えた為、ジェイドは接近し攻撃せず ルークを連れはなれた。

「・・・足元注意だ!! 唸れ!吼えろ!沈黙を破りし 神成る雷! ライトニング・ボルト!!」



“カッ!!”



急にラルゴの足元が光りだす!

「これは……っ!バカな!いつの間に!」

その次の瞬間!足元から頭上まで雷撃が迸る!


“バリバリバリ!!!ズガガガガガ!!!!”



「がはああッ!!!おっ おのれぇぇ!!!」

ラルゴは倒れるどころか体勢を立て直そうとしていた。

「ッ・・!アレを直撃して……!!」

タフネスには驚愕だ。



「いえ!でもチャンスです!!!」

ジェイドは素早く槍を構え……。



“ドスンッ!!”



ジェイドの槍がラルゴの体を貫いた・・・

「!!!刺ッ」

その場面(シーン)を目の前で見てしまったルークは一瞬気を失うような感覚に襲われてしまっていた・・・


ジェイドは体を抑えながら、槍を消した。

「大佐!おケガは?」

ティアも駆けつける。

「大丈夫です。助かりましたよアル。」

そう言うと槍を何処かへとしまい、こちらを向いた。

「どういたしまして ・・・とりあえず 何とかなったね。」

アルはそのままジェイドのほうに手を上げた。

「 このまま艦橋(ブリッジ)を奪還しましょう。イオン様はアニスが無事合流先へ逃がしてくれたはずです。」

「大丈夫なの?さっきのアンチ・・・何とかってやつは?」

アルがそう言うと・・・

「大丈夫・・・っと言えればいいんですが、封印術(コレ)を完全に解くには数ヶ月かかってしまいます。 ですがティアの譜歌 ルークの剣術、そしてアルの譜術があればタルタロスの奪還は十分可能です。・・・協力していただけますか?」

「俺は勿論。早く親書を渡して欲しいし、イオンやアニスも心配だからね。」

「私もです。行きましょう ルーク」

「・・・・・あ ああ・・・・・」

ルークはとりあえずは返事をしていたが・・・頭の中は先ほどの突き刺す場面から離れなかった。

(人を・・・刺した・・・)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









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