小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

#27 合流地点へ
































敵の全員をタルタロスへ。

それを確認し、昇降口を閉める。

「これで暫くは全ての昇降口が開きません」

ジェイドがそう言った。

「ってことは 暫くは安全ってことだね。」

「ええ」

そう言うと、ティアのほうへ向かう。

「ルーク!のいて!」

そう言うとティアに治癒術を施す。

「大丈夫なのですか?ティアは!?」

イオンが心配そうに聞く。

「……大丈夫 腕をきられただけみたいだ。 気絶をしてるけど 直ぐに治るよ! イオンは?怪我無い?」

ティアを治療しながら、イオンの方を向いた。

「僕は……大丈夫ですが……。」

イオンの表情が暗くなる・・・

「どうかしましたか?イオン様?」

ジェイドが聞くと・・・

「追っ手を振り切ろうと逃げ込んだ森でアニスとはぐれてしまったのです。 それで、アニスも親書も行方が・・・ 無事でいてくれると言いのですが・・・」

イオンは心配そうに言った。

「彼女も優れた人形士(パペッター)です。信じましょう。そしてアニスとはもしもの時の合流地点を決めてあります。そこへ向かいながら体勢を整えなおしましょう。」

ジェイドがそう言うと・・・

「そちらさんの乗組員たちは?まだ船の中にいるんじゃないのか?」

助けに来てくれた男がそう言う。

「・・・・・いえ 生き残りは期待できないと考えるのが妥当でしょう。1人でも証人を残してはローレライ教団とマルクト帝国の間で紛争になりますから・・・」

・・・・・・・・

皆黙っていた。

「・・・行きましょう 僕たちがここで捕まってしまったらもっとたくさんの人が・・・戦争で亡くなるのですから・・・」

イオンがそう静かに口を開く…

皆それに納得しこの場を後にした・・・



タルタロスの昇降口を封鎖し、多少は時間が稼げているのだが、

早めに離れた方がいいのは間違いないため、一行は速度を上げ、移動をしていた。

そのせいか・・・

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

イオンは息切れをし・・・そして膝をついていた。

「ある程度は離れましたし、とりあえず・・・野営地で一休みしましょう。これ以上イオン様に負担をかけるわけにはいきませんし、そしてティアの怪我も気になります。」

開けた場所で、一行は暫く休憩する事にしていた。

「ふう・・・とりあえず追手は無いみたいだね・・・」

後方を確認してもとりあえずは一安心。

「ふう… すみません・・・」

イオンがそう言う。

「あんまり無茶できないし。何より、ティアさんが怪我をしてるからね。イオンが謝ることは無いと思うよ。」

アルが側まで来て話す。

「あ・・・ ありがとうございます。」

「さあ、ティアさんの治療を再開しようか・・・」

そして 今度はティアの側まで行き、治癒術を再開した。

「へぇ・・・あんたは第七音素譜術士(センブンスフォニマー)だったのか。」

横で見ていた男がそう呟く。

「ははは・・・ そう みたいだね。ちょっと事情があるんだけど・・・」

苦笑しながら治療を続ける。

「へ?それってどういう?」

「まあ もう何回もいろんな人に話してるし、内緒って訳でもない、また 改めてちゃんと説明するさ。それより・・・君はいったい何者なのかな? 坊ちゃんって言ってたけど・・・ルークのことかな?」

そう言うと、

「そういや自己紹介がまだだったな、いましてもいいんだが・・・ 詳しい事は彼女が目を覚ましてからにしよう。とりあえず 名前はガイだ。よろしくな。」

そう言いこちらを向いた。

「よろしくお願いします。」

「ガイ・・・ 来てくれたんだな・・・」

ルークは少し表情を暗くしながらもガイの登場には喜んでいた。

(色々あったから・・・仕方ないといったら仕方ないけど・・・とりあえず 知人が来てくれたことは好ましいな・・・・)

「う・・・・」

話をしているうちに・・・ティアが目を覚ました。

「ティアさん!良かったですの!!」

ミュウが飛びつく。

「ミュウ・・・私は・・・」

ティアはまだ少し朦朧としていたが次第に意識がハッキリしていっているようだ。

「いやぁ よかったですね。 治癒術が使用できるアルがいてくれて助かりましたよ。」

ジェイドがそう言う・・・

「なーんか 素直にそういわれると何か裏があるんじゃないかって思っちゃうんだけど?」

ジェイドをじーっと見る。

「おかしいですね?思ったことをそのままいっただけなんですが・・・?」

ジェイドはサラっとかわす。

「ありがとう・・・アル、もう大丈夫。自分で治癒も出来るし、」

そう言うとティア自身も怪我した箇所に手を当て、治癒術を使用する。

「あ・・・あの・・・」

ルークが・・・ティアに話しかけた。

「あ!あなたは大丈夫なの?」

ティアが逆にルークの身を案じるように聞く。

「えっ?」

ルークは予想外の事に少し戸惑っていた。

「私は・・・あなたが民間人だってことを知っていたのに理解できていなかったみたいだわ・・・ ごめんなさい・・・」

逆に怪我をしたティアが謝っていた。

「・・・なんで怪我したお前が誤るんだよ!?」

ルークがそう言うと。

「私は軍人だもの民間人を守るのは義務・・・ その為に負傷したのなら それは私が非力だったってことだから。」

傷跡を抑えながら・・・そう言う。

するとジェイドは・・・

「いやー お2人とも仲が良くて羨ましいですねー」

笑いながら?そう言った。

「んな!俺たちは別に!」「そんなんじゃありません!」

・・・・・・・・・・

「ははは!息もピッタリだね。」

アルもつられて笑う。

「ちょっとアル!」

すると今度はミュウが、

「ティアさんもご主人様もお顔真っ赤ですの!」

そう言うともちろんルークが。

「うっせぇーー!」

まあ ミュウが一気に落ち込んだのは言うまでも無いだろう・・・ 苦笑

「ははは!とりあえず ウチの坊ちゃんも元気になって、良かったよ。んじゃあ 改めて自己紹介だ。」

「あーもー!!ガイまで!!」

ルークはまだご立腹・・・ いや照れ隠しだね・・・ 苦笑

「おいおいルーク・・・ 自己紹介するって言うのに取ってんじゃねえって・・・」

ガイも苦笑していた。






-29-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




LOVE (MINI ALBUM) (「テイルズ オブ エクシリア2」描き下ろしジャケット仕様)
新品 \1180
中古 \300
(参考価格:\1575)