#29 フーブラス川での攻防
【フーブラス川】
川を歩いていた……。
わあ〜 水が冷たい!キレイな水だなぁ〜ってハイキングだーって思ったときがあったんだけど……
「………何?このモンスターの数……?」
そうなのです。
周囲を囲むかのように巨大蛙やら亀やら……
もちろん、早速バトル開始。
“ギャオオ!!”
亀?が襲い掛かる!
「真空破斬!」
“ズバン!”
ガイが素早い剣術でまとめてなぎ倒すと、
「――――♪♪… エクレールラルム!」
ティアが光の十字を書き光の柱で攻撃する!
「うん……これは楽できそうだ。」
2人を見ていてそう思う。
人数も増えてきたし…普通のモンスターであればそんなに問題ないようなのは明らかだった。
横で見ていると……。
「おい!アル!後ろだ!!」
ルークがそう叫ぶ。
でも……
「大丈夫だよ! 母なる大地の御技を此処に…グランド・ウォール!」
“バキイイイ!!!”
後ろから襲い掛かる蛙?と自分の間に地面がせりあがる!
そして……。
“ギャッツッッ!!”
正面衝突♪
「はーい、前方不注意だね?」
頭からぶつかってきてのびてる魔物にそう言っていた。
「アイツすげぇな……やっぱ。」
ルークがそう呟く。
アルの譜術は何度も見てきているが、まるで隙が無く一瞬で行うところが凄いのだ。
ジェイドにしろティアにしろ、詠唱を行うときは僅かながら隙が出来ると言うのに……。
不意をついた攻撃を……。
「ルーク?考え込んでいる暇があるんですか?」
ジェイドが譜術で攻撃しながらルークにくぎを刺す。
「っつ!わーってるよ!!」
“ズバン!!!”
そしてルークも戦闘に集中しだした。
んで……派手にドンパチやってあらかた片付いた。
本当にモンスター多いなぁ・・・
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「そう言えば・・・ アニスって子はここを1人で通ったんだろ?」
ガイが、剣を鞘に収めながらそう言う。
「ええ、合流地点にはここから先に行かなければ辿りつけませんし。」
「みたいだね。」
ジェイドとアルが答えた。
「大丈夫なのか?その子・・・」
ガイが心配そうにそう言った。
「大丈夫ですよ・・・ ≪アニス≫ですし。」「はい。≪アニス≫ですから。」「そうだね。≪アニス≫ならね。付き合い短いけど分かる気がするよ。」
3人口を揃える。
はははは・・・・・
「アニスって一体何者なんだぁ・・・」
ガイは顔を引きつらせながら・・・苦笑していた。
「ははは・・・ あってみれば分かるよ。多分ね・・・」
「多分かよ!」
最後にはみんな、笑っていた。
いやぁ モンスター多いけど、このメンバーなら大丈夫だよね♪
前衛にルーク・ガイ 後衛兼前衛どっちでものジェイド・アル 後衛にティア。
5人も戦闘要員がいれば本当に楽。
何より皆強いよ♪ よほどの敵が無い限り大丈夫だね。
“ガアアアアア!!”
今度は背後から複数のゾンビが襲ってくる…
「危ないなぁ……! 雷撃せし焔…!ファイア・ボルト!」
炎と雷の融合した譜術を発動させる!
“ボゴオオオオ!バリバリッ!”
“ギャアアアアア!!”
魔物を一掃させた。
「ひゅう♪ サンキュ アル!」
ガイが迎撃体制を取ったのだが杞憂だったと判断し、刀を鞘に収めた。
「いやいや。ガイにはさっき助けられたしね、お互い様さ。」
アルは笑っていた。
「凄いですの!! 火と…雷なんてミュウ初めてみたですの!!」
ミュウが飛んできた。
「あはは!」
とりあえず、ミュウを抱きとめた。
「ほんとね… そんな譜術まで使えるなんて」
ティアもやってくる。
……間髪いれずにそんな事を言われると………。
「いや…だから… 照れるからやめてって…//」
そんなアルを見ていたガイが…
「なぁ?ルーク アルって突っ込まれるのは弱いんだな?」
「はぁ、みてーだな。」
ルークもやれやれといった様子だった。
「そういえば アル。」
イオンが話しかけてきた。
「ん?何?イオン。」
足を止めて振り返る。
「以前話してくれた幻聴は、大丈夫なのですか?時折顔を歪ましているように見えましたので…」
表情は…隠しているつもりだったんだけど……イオンには察しられたようだ。
心配してくれてるみたいだった…
何か嬉しいな…
「ありがとう。イオン 心配してくれて。」
イオンにお礼を…
そしたらイオンは笑っていた。
「僕はお役に立てませんし。」
「そんな事ないさ、君のおかげで故郷…アクゼリュスを救えるかもしれないんだから、恩人には違いないよ。後幻聴の事だけど… うん、そうだね? たまにだけど、まだチョコチョコ聞えてくるよ。」
アルは表情を若干歪ませる。
「お前はどういう風に聞えてくるんだ?」
ルークが聞いてきた。
同じ症状が出ているのだから当然興味はあるのだろう。
「ん? ああ… 大した事じゃないけどね。時折… 戦闘の経験に合わせて色々指南してくれてる…みたいなんだ。 声…って感じじゃないね。頭ン中に知らない詠唱文とか図形とか出て、それの意味とかね。直接的な言葉はないよ。説明書みたいな感じ…かな?」
頭の中の事をそう話す。
普通なら眉唾ものなんだけど……皆は納得してくれたようだ。
「なんだそりゃ… いーなー それ。俺なんか頭痛がするだけで意味がまったくねーってのに」
ルークはそう言って再び歩き始めた。
「しかし… それは本当に何なのですかね? そう言う幻聴…の類は聞いた事のある症状ですが・・・ それが譜術を教えてくれるとなると…不思議を通り越して不自然ですね。」
ジェイドも近付き話してきた。
当然だろう…
そのような事例は他に聴いたことないのだから。
「…ははは オレが思ってる事そのまんまだよジェイド… オレだってこんな不自然で得体の知れない力を使うなんて嫌だって思ってたけど… まあ仕方ないじゃん。治りそうにないし……。でも良いこともあるんだよ?」
そう言って…皆の方を向く。
そして、笑顔で……。
「だってさ!皆の力になれるからね?」
そう告げた。
「そうですか…」「ふふふ」
ジェイドとティアは笑っていた。
「???」
で 笑われる意味が分からないアルは?を頭に浮かべていた。
(やれやれ、本当に同じ記憶喪失者なのにえらい違いようですね…)
(まったく…)
ティアとジェイドの密談である。 苦笑
(そう言ってやんなって2人とも、 ルークの場合の記憶喪失って言うのは全部忘れて生まれたばかりの赤ん坊みたいな状態だったんだぜ?)
ガイも苦笑しながら混ざっていた…