小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#30 国境の砦カイツール
































【国境の砦 カイツール】







ここである少女と門番が……もめていた。

少女は…アニスだ。

「だーからー 証明書も旅券も無くしちゃったんですぅ お願いします!通してください!!」

必死に頼み込むが… 無茶でしょ?

いくらなんでも……ね?

……国境なんだから… 苦笑

答えは当然。

「残念ですが、お通しできません!」

と一蹴。

「ふみゅう…」

アニスは頭と肩を落とし…離れていった…



そして…本性をむき出しにしながら…




「月夜ばかりと思うなよ…」




っとダークな表情をしながら門番を睨み付けた!

「アニス!ルークに聞えちゃいますよ?」

そんな時、直ぐ側で声が聞えてきた。

アニスが振り返ってみると…

イオンたちがカイツールに到着していたのだ。

「きゃうわーーー&#9825; アニスの王子様ぁぁ&#9825; ルーク様!ご無事で何よりでしたぁ&#9825;」

コロッと表情を変えてルークに飛びついた!!

スッゴい変わり身の早さ… 苦笑

それを見ていたガイは…

「げげッ… 女ってこええ…」

「ね?無事だって言った理由大体分かったでしょ?」

「あっ…ああ 納得だわこりゃ…」

アルとガイが苦笑しあっていた。

「アニス、 親書は無事ですね?」

ジェイドは変わらず・・・ 親書について尋ねていた。

まあ付き合いの長さかな? 苦笑

「あっ 大佐ぁ!もちろんです! ここに有ります!」

トクナガを指差して答えた。

「ありがとうアニス、大変だったでしょう?」

イオンがねぎらいの言葉をかける。

「だよね。アニスお疲れ様。神託の盾(オラクル)を振り切ってあの川も越えて… 凄い事だと思うよ。正直さ。」

アルもイオンに続いた。

「そんなに褒めても何もでないよ〜アル! 私はルーク様のものだもーん&#9825;それに イオン様もご無事でよかったですぅ!」

たははは…

アルとイオンは互いに苦笑いする…


「ところで… どうやって検問所を越えますか?私もルークも旅券がありません。」

ティアが心配そうに言うが・・・

「心配要らないみたいだ…お迎えが着たみたいだぜ?」

ガイが、検問所の方を向いて答えた。

皆そちらに注目した。

その先には1人の男が歩いてきていた。


真っ先に反応したのはルーク!

「ヴァン師匠(せんせい)!!」

アニスを押しのけ、駆け出す!

流石にアニスかわいそう…でもないか! 苦笑

しかし、ルークの前に立ったのはティアだった。

武器を構え・・・

「ヴァン!!」

「ちょっと!!」

突然の事だったのでアルも驚いていた。

ヴァンはゆっくりと歩き、ティアの前まで行き、

「ティア…武器を収めなさい、お前は誤解をしているのだ。」

そう静かに言った。

「誤解・・・?」

ティアはまだ信じきれず、武器を構えたままだった。

「ティアさん。」

アルがティアの武器をそっと触った。

「前にも言ったと思うけど… やっぱり兄妹で争うなんて間違ってると思う…よ。」

「・・・・・」

ティアは黙っていた。

そこへジェイドが、

「ここで騒ぎを起こされては困ります。」

ジェイドがそう言うと…

門番がヒソヒソ話をしているのが目に入る・・・

ティアは武器を静かに下ろした。

そして一先ず話をしたいという事で、宿屋の部屋を借りそこで話をする事になった。















【宿屋】




「モースが戦争を望んでいる以上…僕はそれを見逃す事が出来なくて…」

イオンが…ダアトから離れた理由を告げた。

「なるほど…それでイオン様はダアトの教会から姿を消されたのか…」

ヴァンは納得したみたいだ。

「すみません、ヴァン・・・ 僕の独断で迷惑をかけてしまって…」

イオンは続けて謝罪をした。

最高指導者…導師であるイオンが突然姿を消してしまえばかなりの騒ぎになるだろうからだ、

だが理由が理由…アルは仕方ないと思っていた。

「いえ、私のことは構わぬのですが、六神将が動いているとなると…」

そう言ったその時

「兄さんが!彼らを差し向けたんじゃないの!!どうして平和を望むイオン様の邪魔をするの!!」

ティアが割って入った。

「おい!師匠(せんせい)に向かってお前!」

ルークもやはり黙っていなかった。

それほどヴァンを信頼していたのだろう…

だが、ヴァンはまずルークをなだめた。

「よいのだルーク、そう思われても仕方ない。六神将は私の部下だが、彼らは大詠師派でもある…恐らく大詠師モースの命令で動いているのだろう。」

そう言ったが、やはりティアはまだ納得がいかないようだ。

「そんなはずはないわ!モース様は本当に平和を望んでいる。だからこそ 私に捜索を… ッ!!」

最後まで言わずに黙った。

「お前こそモースって奴の回し者じゃないのか?」

「ルーク… ティアには何度も救ってもらってる。そんな事ないとオレは思うぞ?付き合いの方はルークの方が長いんだから。」

「うるせー!」

ルークは…彼の中ではヴァンが絶対なのだろう、そのヴァンに敵意を向けている以上こういうことになるのは必然だと感じた、

「お前が大詠師の命令で探しているもの…第七譜石か…」

!!!

皆が驚いた表情をしていた。

「第七譜石って確か…」

アルも大体は知っていたのだけど…

「はぁ…?なんだそれ?」

・・・・・・・・・・・・・

ルークは知らないみたいだね…

「ありゃ…」「箱入りすぎるってのもなぁ…」

反応はそれぞれ様々…

「んだよ!人を馬鹿にしたみたいに!!」

ルークはそう言った扱いがキライみたいだ・・・・ 前も怒ってたね 苦笑

「あのね。ルーク、 第七譜石って言うのは… えっと、そう!2000年前だったかな?ユリアが詠んだ予言(スコア)のことだよ。」

アルは笑ってない、

彼と同じ境遇なのだから、笑えるはずも無い。

唯 場所がよかったから… 知識を得ることが出来たのだ。その違いだけなのだろう。

「はぁ・・・ 同じ記憶喪失者なのになんでここまで差があるのかしら?」

ティアの発言で更にルークが怒ったのも無理はないだろう。

まあ それはおいといて、ルークの為のプチ講習会を行った。

主に第七譜石とそれをめぐった戦争…等等。

一通り聞いたところで、

「ふーん、それをティアが探しているのか?」

ルークがそう聞いたが、

ティアは何も言わなかった。

「まあいい・・・ ともかく私はモース様とは関係ない。」

ヴァンがそう言うと、ルークは喜び、

「そうだよな!師匠(せんせい)はオレを迎えに来てくれただけだ!」

そう言って笑顔になった。

「ふむ。  そういえばそちらの方は?他のメンバーは顔見知りが多いのだが…君のことは知らないな。」

ヴァンがアルの方を見ていた。

「あっ…そういえば、そうですね。 オレ…私はアルと言います。 アクゼリュスで事情があり、ジェイド大佐達と同行をしています。 よろしくお願いします。ヴァン謡将。」

「ああ、よろしく頼む。君にもルークが世話になったようだ、礼を言う。」

アルは背筋を伸ばし綺麗にお辞儀をする。

そして、ヴァンもルークに対しての礼を言った。

この時皆(ルークとヴァンを除く)はいっせいにこう思っていた…

<同じ記憶喪失者なのにどうしてこうルークとは違うんだ…??>

・・・・・・・・・・・・・・ 苦笑

「???」

「何か馬鹿にされてる様なきがすんだけど…?」

ルークは若干そう感じていたようだ

当たってるけどね・・・

-32-
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