小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#34 vs 死神ディスト 「薔薇です!!」
































【カイツール軍港】






軍港では、助かった整備士とその部下達が、手を取り合い喜び、そして、六神将のアリエッタは捕縛された。

「…無茶をされましたな、イオン様…ルークもだ どれだけ心配したと思っておる…」

ヴァンがイオンとルークにそう言う。

簡単なお説教…といった感じだ。

「すみません…ヴァン…」「ご…ごめん… 師匠(せんせい)…」

イオンもルークも謝罪する。

流石にルークもヴァンからお叱りを受けたら素直に謝るようだ

厳しい表情を見せていたヴァンだったが…

すぐに、表情を元に戻し…ルークの肩に手を乗せる…

「無事でよかった。さぁ…帰ろうか。」

そう言うとルークは笑顔に戻った。

そして…一行は連絡船へと乗り…バチカルへ・・・

【連絡船キャツベルト】

ジェイドはまず、ガイから渡されたフォンディスクを解析していた…

そして…あることに気がつく。

「やはり…そうでしたか… ルーク…貴方はいつか…私を殺したいほど憎むかもしれませんね…」

そう呟き…フォンディスクを取り出し… 仲間が待つ客室へと向かった。



ミュウは初めての海に大はしゃぎ!!

「ご主人様!見てくださいですの! 回りは全部水だけですの!すごいですの!!」

んで… もちろんルークは…

「んあ!うぜーな!!はしゃぐんじゃねえ!」

と、一蹴…

「うみゅう…」

萎縮しちゃいました…

「ははは…ほら ミュウ。」

泣きそうな顔をしているミュウの頭を撫でてやる…

そうすると、くすぐったいのか気持ちいいのか…すぐに笑顔に戻るんだ。

んで…それを 見ていたティアが…

(…いいなぁ…)

そう うらやましそうに見ていた。


「ジェイド、例のフォンディスク… 中身は?」

ガイが、ジェイドにそう聞く。

「彼らは… 同位体の研究をしているようです。そう…ローレライの音素(フォニム)振動数も記録されてましたね。」

そうジェイドが言うと…

「だー!また わけわかんねぇーー」

っとルークがいつもどおりに… 苦笑

「ローレライはですね、第七音素(セブンスフォニム)の意識集合体、音素(フォニム)は一定以上集まると、自我を持つらしいんです。」

アニスが気を利かせて説明をしてくれた。

「でも… ローレライって仮説なんだよね? 観測されてない…って書いてたような…」

アルがそう言うと。

「ええ、そうです、まだ実際には観測されてませんよ。後、音素(フォニム)振動数って言うのは…全ての物質が発しているんですけど、指紋みたいに同じものはないんです。っで同位体って言うのは音素(フォニム)振動数が全く同じ2つの固体のコト!でも 同位体は人為的に作らないと存在しません!」

なるほど…

「はぁ…勉強になったよアニス!ありがとう。」

「はうわ! そんなお礼を言われるほどのことじゃないよ〜! でも、アルは知ってたんじゃないの?」

「いや… 同位体のことは知らなかったんだ、勉強になったよ、」

そう言うと。

「では?肝心のルーク様は理解できましたかねぇ…」

ジェイドがこれまた皮肉を込めて…

「だーうっせえな!!」

ルークを怒らせて楽しんでいた…

「ルーク、落ち着きなさい。 一つ覚えられて良かったじゃない。」

ティアがなだめる…

「へん!」

まあ…簡単になだめられるんなら苦労はしないけどね… 苦笑

「あと… 確か昔研究されていたフォミクリーと言う技術なら… 同位体を作れるんですよね?」」

ティアがそう言うと…

イオンが少し驚くような表情をする。

「?」

アルは、一瞬驚いたが… すぐ表情を元に戻したため、深く考えるのはやめた。

「フォミクリー… あれは 模造品…レプリカを作る技術です。音素(フォニム)振動数は変わってしまうから… 同位体はつくれませんよ。」

と…ジェイドが否定、

またまた 新たな単語が出てきたので…

「だーーー!また意味わかんねー!!」

ルークパニック2回目… 苦笑

「はぁ… こういうこと家庭教師に習わなかったの?記憶障害は7年前からでしょう? アルは…ちょっと前なのよ?」

ティアまで…

「あの… ここぞとばかりオレを使うのやめない? なーんか…とばっちりがくるからさ…」

そーだよ!ルークのことガイに続きなだめ役と定着されてるのに、こういう関係でルークを怒らせたら。

オレが言っても嫌味になるだけじゃん… 苦笑

「あ… いや…その…」

ティアは… あせっていた。

珍しい表情を見れたなぁ… 苦笑

「…他に覚える事が山ほどあったんだよ。」

ルークからの返答は少し意外だった、そこまで怒ってなかったからである!

「何?覚えることって?」

ティアがそう聞くと…

「言葉とか… 親の顔とか… いろいろさ。」

そう言う・・・

ティアは… 顔を俯かせた…

「ごめんなさい…」

そして謝罪する。

「!どうしたんだよ!!急に!」

それにルークが驚いていた・

「私… 貴方の記憶障害のこと… 軽く見ていたわ…」

「別に そんなこと…」

ルークはティアの突然の謝罪に驚いていて、少し歯切れも悪かった。

その時!

「大変です!カイツール方面から!!正体不明の譜号反応が!!」

連絡船に乗っていた兵士が慌てた様子で入ってくる。

「はぁ… 乗り物に乗るとどうしてこう…トラブルが多発するんだろう…」

肩を落とし…アルは少し愚痴をこぼす。

「はっはっはータルタロスもそうでしたからねぇ!」

ジェイドは…相変わらずだった。


「おいおい、気持ちはわからねえでもねえが、今は急いで様子を見る方が先だろ?」

ガイがそういうと、まあ… 本気だったわけでもないから、すぐに行動に移した。


甲板にて…

皆が甲板に到着したとほぼ同時に!

「はぁーーっはっはっはっはっ!!」

高らかと… 特徴的な笑い声が木霊する…

「おお?」

ルークが空を見ると…

「何あれ?椅子が浮いてる?」

アルも?を浮かべながら見ていた。

んで ジェイドは露骨に嫌な顔…というかあきれたような顔をする。

「野蛮な猿共がお揃いですね…」

徐々に降りてきた…

「お前は!?」

ルークは見覚えがあるのか声を振り上げた。

「お前ではありません!とくとお聞きなさい… 美しき我が名を… 我こそは神託の盾(オラクル)六神将… 薔薇の…「おやぁーーー 鼻垂れディストじゃないですか〜」!!」

ジェイドが狙ってたかのように割ってはいる!

「薔薇! 薔・薇!薔薇のディスト様です!!」

怒りながらそう叫ぶ…

「死神ディストでしょうー?」

アニスもそういう。

「違います!!!」

そしてまた怒る…

「はぁ… なにあれ? 六神将の中で一番子供みたい… まだ あのアリエッタの方が大人なんじゃない?」

アルがあきれながら呟く…

「なーーーーんですって!!!!」

聞こえていたようだ… ってか 地獄耳…

「なんで 聞こえるのかな?」

「さあな、 アニスは知り合いなのか?」

ルークがアニスに聞く。

「私は同じ神託の盾(オラクル)騎士団だから… でも 大佐は…」

ジェイドは何も言わない。

「んっふっふっふ… そこの陰険ジェイドはこの天才ディスト様のかつての友…「何処のジェイドですか〜?そんな物好きは?」!!」

またまた…

「なんですってーーー!!」

そして怒る…

「ほらほら!怒るとまた鼻水が出ますよ?」

ジェイド…

「楽しんでない?」

「いやー そんなわけないじゃないですかー」

そういってる間… ディストは自分の鼻に手をやっていた… あれ?本当だったのかな?

「キーーーーー!!出ませんよ!!」

「反論が遅いよ…」

苦笑する…そしてルークも…若干表情が…

「まー それはおいときまして… さあ!大人しくフォンディスクをお渡しなさい!」

ディストがそういうと…

「これのことですかー?」

ジェイドが何のためらいもなく取り出す…

いやいやちょっと 油断しすぎじゃ… 苦笑



「隙ありーーー!!」


「ああ!!」「「「!!!」」」



椅子なのに動きはまさに疾風!!

ジェイドからフォンデスクを掠め盗っていた!

「はっはっはー!!!」

そして勝ち誇るように笑っていた。

「全く… …ふん!」

アルが手を翳し…図形を描くと…

「はーーはっはっはっはっは! ってあらーーー!!」

フォンディスクはまるで生きているかのような動きをしながらこちらに…というかアルの手の中に戻ってきた!

「ジェイド… いくらなんでも油断しすぎだよ…?」

そうあきれながら言うと…

「やれやれ… 貴方のせいで嫌がらせが減ったじゃないですか… もう返してしまってよかったんですよ?」

「へ?」

アルがあっけらかんとしてると…

「きーさーまー!よくも!!っていうか!どうやったんですか!!」

ディストが叫ぶ!!

「あれ…?天才だったらこのくらい分かるんじゃないんですか?」

「なっ!!!キーーーー!!!」

アルも皮肉を込めて…って…

「アル…そうやってたら貴方も大佐と変わらないわよ?」

ティアがちょっと呆れて言ってた…

「あ“… うつっちゃった?ジェイドの嫌がらせに…」

アルはちょっと苦笑し…

ジェイドは…手で口を押さえながら笑っていた… 苦笑

「むきーーーー!貴様ら!私をこばかにして!!ウルトラゴージャスな技を喰らって後悔しなさい!いでよ!!カイザーディストアーーーール!!」


ディストが叫ぶ!!

すると…空から…何かが…!


「いけない!!皆下がりなさい!!」

ジェイドが叫んだその瞬間!

甲板に穴を開ける勢いで所謂…ロボットが降って来た!

「何だ?こいつ…」

ルークが見ていると…そのロボットは徐々に動き出し… 襲い掛かってきた!


「この!!」

ルークはすぐさま武器を持ち直し突っ込む!

「てやああ!!」

ガイも同様だ!

だが…



“ガキイイイイン!!”



2人の剣ははじき返されてしまった。

「くっ… 硬いぞ!コイツ!!」

当然相手は生身ではない… なら!

アル・ティア・アニスの三人は頷き合い、術を発動!!

「ナイトメア! ネガティブゲイト! シャドウ・エリア!」

闇の属性の譜術が直撃するが…!

ロボットの勢いは止まらない!


「何も効かないですの!!」

ミュウが不安そうにそう言う…

それを聞いたディストは気分がいいのか…

「ひっひっひっひ…」

笑っていた…

「唯の馬鹿じゃなかったんだね…」

そうアルが呟くと…

「だあれが!馬鹿ですか!!この私に向かってええ!!」



「地獄耳だ…」

これだけドンパチ戦ってるのに…

彼の聴力も驚嘆に値するね…


そんなこんなをしているうちに… 結構危なくなっていた!


「っくっそ!こいつ!!」


ガキイン!


攻撃を行ってもはじかれてしまう…


ルークが弾かれ、そして隙が出来たところへ!




“ドガアアアア!!”




ロボットの一撃がルークを捕らえた!

「があ!!」

ルークは吹き飛び倒れる!

「ルーク!!くっ!!」

ガイが向かおうとしたが… すぐに邪魔されてしまう。

「ルーク! 大丈夫か!? ヒール…」

アルがすぐに治癒術を施す…

「ああ大丈夫だ! クソ… どーすんだよ!あんなモン!!」

ルークがそう言うと… ジェイドは何かを思いついたのか…

笑みを浮かべていた。


「なら これならどうですか? 荒れ狂う流れよ! スプラッシュ!」

凄まじい水撃が降り注ぐ!




“ギッ! ガガ…ガ…”




初めて動きが鈍る…

「ナルホドね…」「機械は水に弱い…っということですか?」

ティアも弱点が発覚したことで、余裕を取り戻したようだ。


「おのれ…よくも!!」

ディストがわなわな震えながら見ていた・・・ まあ 彼は直接戦う人じゃないようなので何も出来ないと思いますが… 苦笑

「水よりもっとキツイのをあげるね。機械にはさ!」

そう言うとアルは図形を書き上げる!

「みんな!ちょっとぬれちゃったらゴメン! 荒れよ!暴風!叫べ海よ!シーイングオーシャン!」


アルが手を翳すと…


「ん? 何ですか?」

ディストが影が出てきたことに気付き… 後ろを見てみると…


「なああ!! ぎゃわあああ!!」

波直撃!!


「船の両サイドから波が押し寄せ!それは海面を離れ ロボットを挟み込んだ!



“ズガアアア!!!”



「っぷあ!! あぶねーな!!」

ガイがアルに向かっていう!

「ごめん!!」

合掌! 苦笑…

でも…



“ガ…ッギギギギ! プスッ… プス…”



更にショートしたようにバチバチっと接合部等から火花を散らす。

「海水… なるほど、海水のほうがこたえるわね?機械には!」

アルの意図がわかったティアがそう言っていた!

「こんおーー!!ぬれちゃったじゃありませんか!!」

なんと… よく沈まなかったね… あれ喰らって…



「ほらほら!鼻水が出てますよ?」

「でてませんよ!!!」



するとアルが…

「いや…今度は本当に出てるよ?ぬれたからかな?」

そう言う…



「っっ!!!こここここここのおおおおおおおお!!」


怒!!


やれやれ…

「貴方とは気が合いますねぇ… アル?」

ジェイドは楽しそうだ…

「オレはほんとのコトいっただけだけどね…」

他の皆も苦笑いしていた…

そこへ…

「ディスト! お前まで アッシュの命で動いているのか!」

ヴァンがやってきた、


「ふん……………。」


ディストはさっきまで大声で叫んでたんだけど… ヴァンが来たとたん無口に…

やっぱりさすがは総長といった所かな?

「やむおえん…」

そう呟くと…ヴァンは手を翳す。

すると!!


天より雷撃がカイザーディストRに直撃!!



“ズガアアアアアン!!”




水を浴びていたのも効果的だったのか一気に!爆発した!!

「やったぜ!!」

ルークは目の前で爆発した、敵を見て喜ぶ!



「わああああああああああああああ!!」


その爆風に…ディストも吹き飛ばされ…



“ザッパーーン!!”



海へ墜落…



「あいつ…」「死んじゃったかな〜?」

何とも…かわいそーな結末だ…

「いや… 殺して死ぬような男ではありませんよ。ゴキブリ並みの生命力ですから。」

「そりゃ 安心……… なのかな??」

そんな感じでこの戦闘はとりあえず終了した。


-36-
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