小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#3 秘密の場所




























サラとの勉強会を実施して数週間……。

様々な事を学べた。


この世界は………

オールドランドと呼ばれるものらしい。

どこかで聞いたことのある名前だった。

オレが……初めて心に響いた言葉だった。



ガーランドさんに頼まれた通り、

オレはガーランドさんの娘・サラと共に、家庭教師とは言えないが……

共に勉強をした。



この世界……


この世界を包み込むように存在する音譜帯……

6大音素 そして最近発見されたと言われる第七音素……

それぞれには固有の属性を持つらしい。

中でも7番目の音素・ローレライについては存在は公式にはその存在は確認されていないらしい。

歴史上、接触に成功したのはユリア・ジュエのみであるらしいのだ……



覚えるのは大変だ。 勉強の難しさが改めて分かる。

しかし…

「知識が増える事はとても楽しい事だったんだな………」

つい声に出てしまった。



サラはまだ幼い。

世界の成立ちや情勢について学ぶのはあまりにも早い事だった。

基本的な幼少期に学ぶ教本を一通り共に勉強していたのだが、

その中で、世界のことについて記載されている本が見つかったのだった。

ガーランドさんに聞いても知らない本だと言っていた。

おそらくこのアクゼリュスへ立ち寄った学者か誰かが落としたものらしい。

ここまで、綿密に記載されている教本など見たことが無いからだそうだ。


「おにいちゃん すっーごい たのしそうなかおしてる!」

サラが俺の顔を覗き込みながら話しかけてきた。

「ははは・・・そうかい? うん 楽しいんだ。オレのことは何も思い出せないけど・・・ いろんなことが知れて・・・ それに サラ、君と一緒に遊んだり勉強したりするのも凄く楽しい。過去の事より今って思えたからね。」

そう微笑みかけながら、サラの頭を撫でてあげた。

「えへへへ〜」

サラは撫でられるのが嬉しいのか、

目を細めてニコニコしながら笑っていた。

「わたしも おにいちゃんがげんきになってくれてうれしい! そーだ!!おにいちゃん おべんきょうもおわったし おそとにあそびにいこう! わたしのひみつのばしょ、おしえてあげる!」

サラはそう答えた。

「へぇー秘密の場所?」

「うん! みんなにはないしょなんだ!!おともだちにもまだおしえてないよ!さきに おにいちゃんにおしえようとおもって!!」

サラはそう言うとイスからピョンっととびおり、

アルの腕をつかんだ。

「いこう!」

「ああ、分かった。よろしく頼むよサラ。」

その後、サラの母親・レイさんに一言いいに行く。

「あまり 危ないことしちゃダメよ? アルもしっかり見ておいてね。」

「任せて下さい」「はーい!」


鉱山は子供が遊ぶには危険がある場所だ。

あまり 娘に危ない事をしてもらいたくないのは親なら当然の事だ。

だが、父親の仕事の関係で鉱山の町と言うあまりに寂しい場所に住まなくてはならない状況は親に責任がある。

サラは、基本的には凄く寂しがり屋なのだ・・・

だが大変よくできた子でもある。

その事を決して顔には出さないようにしているのだ。

だからこそ、父親が帰ってきた時はコレでもかというほど、甘えている。

しかし、それも中々難しくなっていた。

鉱山の中から障気と呼ばれる原因不明の人体に悪影響を及ぼす気体が微量ながら出てきたらしいのだ。

故に作業は困難を極め そして時間もかなりかかるようになっている。

人員に被害が出ないようにする為だ。

そして、家族との時間も激減した。

サラもその事を実感していた……


そんな時、サラは倒れているアルを見つけたのだ。

とても親しくしてくれ、一人っ子であるサラが「おにいちゃん」っと呼べる人に出会えたのだ。

そして サラは日に日に元気になっていった。

決して顔には出さないようにしていたが、

親には分かる。

それが嬉しくて仕方が無い。

そして、アルと言う男の子(18歳くらい??)

数週間共に生活をしていて信頼できる人だと言う事も分かった。

この子にならサラを任せれる………

「いってらっしゃーい あまり遅くならないでね!!」

「「いってきます!」」

そして家を出た。

-4-
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