小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

#4 大切な思い出



























町を暫く歩き、鉱山の入り口まで来た。

「サラ…… その秘密の場所って大丈夫なのかい? あぶない場所じゃないのかい?」

レイさんにサラの事をまかされている以上、

あまり無茶な事はできない。

少し心配になり聞いてみた。

「だいじょうぶだよ。おにいちゃん!すぐそこに みちがあるでしょ?ちょっととおりにくいけど。ここなんだ!」

そう言ってサラは坑道のにはいる手前の所に指をさした。

「こっち!とおりにくいからからきをつけてね。」

四つんばいになりながら、穴の中へ入っていく。

結構長い道だった。20〜30mはあるだろうか。

それを超えると広い場所に着いた。

「ふう、今度は広い場所に着いたね。 ここがそうかい?」

「ちがうよー ほらこんどはあっち、 ひかりがみえるとこ!」

サラが今度指をさしたところは 少し傾斜になってる道で、奥を見ると光が見えた。

外に繋がっているのであろうか…

「よし!サラ!ちょっと疲れただろ?おんぶしてあげようか?」

子供には 少しばかりしんどくなりそうだと考えた為、提案した。

サラは初めは渋っていたが、

やはりしっかりしていても甘えたい盛り。

「ありがとう!!おにいちゃん!!」

そう言って、背中にピョンッと飛び乗った。

「よし、行くぞ!」

「うん!!」


(おにいちゃんのせなか…… あったかい……)


サラは幸せ間でいっぱいだった。

寝てしまいそうになるのを必死に我慢しながら……

まるで包み込んでくれているような感覚を感じていた。

サラにとっては少し名残惜しかったが、

目的地へ到着した。





「ここだよ!」


サラから声がする前にオレも確信していた。

そこは、鉱山の町を少し高い位置から見渡せる絶景ポイントだった。

夜になれば 星空を見あげる事ができるだろう。

朝、太陽が昇る瞬間も時間によったら見られるかもしれない。


「すごいね…… この町にこんな場所があるなんて。」

素直にびっくりしていた。

「えへへ!すごいでしょ!おひさまがちょうどあたるから、よこになるとポカポカしてきもちいいよ!」

そう言ってサラは横になった。

「そうだね・・・ うん!気持ちいいな。」

アルも一緒に横になる。

「ここ!おにいちゃんにおしえたのがさいしょだからね!」

笑顔でサラは言った。

「オレが最初でよかったのかい?」

頭を撫でながら聞くと、

「うん!おにいちゃんとここにきてみたかったの…… いろいろとおしえてくれたし、そのおれいだよ。」

そして、サラは少し顔を赤くし、

「それに…… だいすきなひとといっしょにきたかったから……」

サラは…顔を赤らめてそう答えた。


その言葉に少し照れくさかったが、

アルは笑顔を作り、

「ありがとうな…… サラ、この景色……今日の事、この新しい記憶…オレは絶対忘れない。大切にするよ……」

サラの頭を胸に抱きながら答えた。

「うん…… もうちょっとここで おやすみしよう!おにいちゃん!」

そのまま 2人で暫く景色を楽しんでいた。


-5-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ビバ☆テイルズ オブ エクシリア2 マガジン 2012年 12月号 [雑誌]
新品 \0
中古 \648
(参考価格:\1500)