小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#47 ザオ遺跡 vs 六神将










































【ザオ遺跡】









まるでそこは……

さながら砂漠の廃墟と言った所か・・・

「ここが・・・ザオ遺跡・・・」

ただ・・・地下へと続く大きな入り口があるだけだった。

「よぉっし!いきましょー!!」

それを見たアニスは・・・元気に・・・

何で?

「中の方が、暑くないかもって思ってるんじゃないか?」

ガイが、そう言う。

なるほど・・・















んで、中に入るが・・・

「中・・・あまり涼しくないな・・・」

「みたいだね。太陽の照り付ける力が強すぎるみたいだ。」

アルとガイがそう話していると・・・

アニスは・・・

「熱いです・・・特に・・・背中がぁ・・・・・・」

って振り向くと・・・

「みゅううううう!!!」

ミュウが・・・ファイアーを・・・

はぁ・・・なるほど…どおりでつい訳・・・って!

「あついよ!!ミュウ!!」

注意するけど・・・聞えてないみたい・・・ 苦笑

「こらぁ!!ブタザル!!」

ルークが鷲づかみ!

「みゅあ!!」

「あつい!つってんだよ!」

ミュウに至近距離でそう言う。

「みゅう・・・灯りをつけて・・皆さんのお役に立とうと思ってたんですのォ・・・」

ミュウはしょんぼり・・・

「ははは・・・まあまあ、周り、それほど暗くないし大丈夫だよ?」

笑いながらそう言う。

「アルってば・・・暑くないの?」

いつもどおりの フォローにアニスが若干引き気味・・・



「ん?暑いよ?」



ケロッとしてるって・・・・

「みーえーなーい!なにか、涼しくなることしてるんじゃないのぉ〜〜?」

アニスが・・・じりじり・・・っと・・・

「え・・・ええ!!何もしてないよ!!ってか、どうやってするの??」

「たーとーえーばー 水の譜術で、涼しくしてるとか・・・?」

なるほど・・・って!

「そんなことしたら、服もびしょぬれになるし!第一、いくらなんでも、ずーっと使い続けるのは無理だよ!」

そう言っていると・・・

「まあ、じゃあその服になにか秘密があるのですの?」

・・・ナタリアまで・・・

「そんなのないよ!そんな快適な装備聞いたことないし!」

「わからないよ〜〜・・・こっそり 宝箱から出てきた奴を使ってたり・・・」

「みゅう!そーなんですの?アルさん?」

皆・・・・距離を詰めてくる・・・って目が据わってる・・よ・・・

「ちょ・・・みんな・・・?落ち着いて?そんなことないから・・・?」

「「「ぬぎなさい!」ですの!」



「えええっ!!」




女性に服脱がされるなんて!!

まあ・・・世の男性なら・・・良いっていうかもだけど・・・

今は!!ってか 俺は!!

「ちょッ!!だめだって!!わあああ!!やめっ……!」

服に手がかかってる!!

「やめなさい!!何で、女性が男性の服を脱がせようとするの??暑苦しい!」

ティアが一喝!

「「「「うう・・」」」」

俺・・・被害者なのに・・・なんだか怒られたみたいだよ・・・












六神将 side




イオンをつれ・・・奥まで来たアッシュは・・・封印された扉の前に立つ。

「さあ・・・封呪をとけ・・・」

そう一言・・・

「何をするつもりですか・・・?」

イオンは静かに聴く・・・

「ここを開いても何もおきませんよ・・?」

アッシュは質問には答えず・・唯、剣を突きつけ一言・・・

「やれ・・・」

そう言うだけだった・・・

イオンは・・・言われるがまま…

両の手を翳し・・・

このダアト式封呪を解く・・・

それを見届けたアッシュは・・・

「それでいい・・・」

そう言った。

その時!!

「アッシュ!!」












side out










「アッシュ!!イオン様を返して!!」

アニスの声が聞えてくる!

「アッシュ!!てめー何者だ!!どういうつもりなんだよ!!」

ルークが叫ぶ!


「ふん・・・クズが・・・」

アッシュはそう言い放つだけで、イオンを返そうとしなかった。

「イオン様!!」

アニスが駆け寄ろうとするが・・・

「まちな・・・」

素早い動きで何処からか現れた、仮面の男が立ちはだかった。

「シンク!!」

アニスは・・・そう叫ぶ。

そして・・・

「まだいる・・・!」

アルが、柱の方を見る。

「出て来い!そこに・・・いるんだろう?」

そう言うと・・・

出てきたのは・・・

「さすがだな・・・小僧・・・あの時は名すら聞いてなかったが・・・ただの小僧じゃない事だけはわかった・・・」

この巨体は・・・

「ほう・・・黒獅子ラルゴ・・・まだ生きていましたか・・・」

そう、ジェイドにアンチフォンスロットを仕掛け・・・そして深手を負ったはずの大男だ。

「ふん・・・あの程度で死ぬほどやわではないな・・・死霊使い(ネクロマンサー)ジェイド。」

ジェイドの方を向く。


「どけよ!お前ら!!こんなところで、時間食ってる場合じゃねんだ!」

そう言って剣を構える!

その姿を見たラルゴは笑い出す。

「こいつは面白い・・・あのときのへっぴり腰からどう成長したか・・・」

斧を・・・構える!

「見せてもらおうか!!!」


「うるせええ!!!」

こうして、六神将との戦闘が始まった。



「うおおおおお!!!」

ルークはラルゴに剣を振り下ろすが、簡単に受け止められる。

「ふん・・・向かってこられるようにはなったか?」


「ばかにすんじゃねええ!!!」


そして・・・2人は剣と斧で火花を散らした!




「ふん!!」

シンクが一瞬で間合いを詰め攻撃してきた。

「てやっ!!」

ガイはシンクに攻撃を仕掛けるが・・・

交わされる!

「はやい・・・ガイ!」

「ああ!」

振り向かず返事だけ返す。

戦闘中に、相手に視線を外すのは危険だからだ。

「よっと!!」

ガイの肩を蹴り、飛び上がって、シンクを殴りつける!

「グッ!」

シンクは肩で拳を受け止めるが・・・

衝撃で、体がずれてしまった。

「拳なら、俺が相手だ。シンクって奴!」

量の拳を握り締める。

「へ・・・面白い・・・」

シンクは薄ら笑っていた。



「ガイはルークを! きっと、無茶するだろうから!」

叫ぶ!

「わかった!頼むぞ!!」

ガイは背を向ける。

その時!!

「は!」

シンクが右手に纏った闇をガイの腕にぶつけた!

「ッ!!」

「ガイ!! 」

ガイは腕を押さえたが・・直撃はしてないようだ。


「この!お前の・・・」


右の拳を振るう!!


ドガン!


「グッ!」


シンクは技の後の硬直のせいか、まともに食らっていた。


「相手は!」


左の拳に炎を纏う!


「オレだって言っただろうが!! 炎竜紅蓮!」


ボゴオオオ!!


炎の竜でシンクを攻撃!


「がはッ!!クッ!!」

シンクは直撃こそ避けたものの、炎の攻撃までは避け切れなかったようだ。 


「はあっ・・・すばしっこい!」


あれで直撃しないのか・・・

「ふん、お互い様だろ?」

続いてシンクの攻撃!

「僕は烈風のシンク・・・!君にはちゃんと名乗ってなかったね・・・」

「はやっ!!」

ドガッ!!

回し蹴り・・・が連激で襲ってくる!

ドガガガガ!!!

「ぐう!!」

「素手同士・・・の相手と戦うのは初めてだ。 アンタと戦うの楽しいよ!!」

ドガン!!

最後は両の足を揃えて、けりを放つ!

「ガッ・・・」


吹き飛ばされ・・・距離をとった。

「はははっ、 どうだい? ついてこれるのか?」

「よく笑う奴だな、第一印象と全然違うし・・・烈風・・・その名のとおりだね・・・」

素早い動きをしていくシンクを見て改めて思った。

あ・・・あと、

仮面してる奴だから無口かな?って思ったけど撤回!

「アル! ノクターナルライト!!」

ティアが後ろからナイフを投げる!

「チッ!ジャマを・・・」

ヒュン・ヒュン・ヒュン!

その全てを交わした。


「大丈夫だ! さて・・・あんなに速いと思わないから・・・ 俺もとっておきだす!」

「ん?」

空間に図形を書く!


「我が足に宿るは 瞬速の羽・・・天翔る翼となれ!」

足が・・・赤く光る!

「天翔瞬足(アスティル・ウィング)!」


「なんだ!」

シンクは光に目をくらませながらそう叫ぶ!


「これで・・・引けはとらないぞ!」


ビュン!!


一瞬で間合いを詰める!


「ぐ!!はやい!!」


先ほどより格段にスピードが上がっている・・!

「面白いね!!(僕が面白い・・・って思えるとはね・・・) ハハハッ!」


シンクは笑っていた。

戦いがおもしろい?

そんなこと想った事なんて一度も無い。

僕は空っぽの人形。

唯の・・・

愚かな生を受けた者・・・

それなのに・・・純粋に楽しんでる・・・?

ははっ・・・ 馬鹿な・・・


「楽しんでるトコ悪いけど・・・イオンは返してもらうからなッ!」

「やってみなよ!」


そして・・・目まぐるしいスピードの攻防が続いた。






「ふん!!」

ガキィィン!!

ルークはラルゴの攻撃を受け止める。

「あの時よりは成長したようだ・・・まだまだだ!!」

ドゴン!!!!

「ぐうう!!」

ルークはラルゴの思い一撃をかろうじて受け止めた!

その時!


「ルーク!離れなさい!!」

ジェイドが槍を出し、構える!

「瞬迅槍!!」

ラルゴに疾風の如きスピードの槍を投げつける!

「ぐっ!!」

それを何とか交わすが・・・

着弾した地面が爆発をおこした!!



「ふん・・・この程度か?やはりアンチフォンスロットの解除は難しいようだな・・・」

ラルゴにあまりダメージはないようだ。

その時!


「余所見厳禁だぜ!?」

「イオン様を返してラルゴのばかぁ!!」

アニスとガイの連続攻撃!!

「ぐっ!!がっ!!!」

流石の巨体ラルゴも体をずらすほどの威力だ!

「小ざかしい!紅蓮業翔斬!!」

炎を纏い・・・一気に薙ぎ払う!


「ぐっ!!!」

「きゃあああ!!いったーーい!!」


アニスとガイは吹き飛ばされてしまった。







「アッシュ!あなた方は何をするつもりなんです!」

皆を心配そうに見ていたイオンはアッシュに向かいそう言う。

すると・・・意外な返事が返ってきた。

「あいつ等のところへ戻してやる・・・」

「え?」

当然のことながら・・・ イオンは困惑した。

誘拐・・・した本人が返すというのだ・・・







「ノクターナルライト!」

ティアが、一瞬の隙を見て、素早くナイフを投げる!

が・・・

「ふん!」

シンクには当たらない・・・


「くっ・・・」

続いてナタリアの弓の攻撃!

が・・・


「それで 僕を狙ってるつもり?」

一瞬で今度はナタリアの間合いに飛び込んでいた。

そして、拳を振り上げる!

「ひっ!」

ナタリアは思わず目を瞑る!

ナタリアの体に拳は・・・


バシィ!!!


届かない。

「く・・・ お前か!」

「悪いけど・・・ 女性を殴らせたりはしないよ!」

アルが間合いに入り込み受け止めた。

「雷神崩天衝!」


ビッシャアアアアア!! バリバリバリッ!!


密着させた状態から雷撃を迸らせる!


「ぐっ!! あっ!!」


流石のシンクも密着状態では避ける事は出来ない。

「こ・・・の!!」

シンクが地面に手をついた。

「シンク!!!」

その時ラルゴから檄が飛ぶ・・・

その声にシンクは反応し・・・手をあてがうのをやめた。

「おっと・・・ 流石にこれ(・・)を使ったら バレる(・・・)か・・・」

シンクはイオンの方を一瞬だけ見てそう呟いた。

その時、

「うおおおおおおお!!!」

背後からルークが剣撃を飛ばす!!


ガキイイン!!!


「ぐっ!!」

シンクは防御する事は出来たが、吹き飛ばされてしまっていた。

「へっ!よそ見すんじゃねー!」

倒れたシンクに向かって余裕の表情を浮かべる。

その表情に・・・ムカついたのか・・・ 苦笑

「調子に乗ってんじゃねえ!!!」

アッシュが剣を抜き、ルークに飛び掛った。

「へっ!」

ルークも迎え撃つ構え。

2人の剣は合わさり・・・

火花を散らす!!


ガキイン!!

ガッ!!!


キィィィン!!!


ルークは・・・

攻め合いの中・・・

違和感を感じていた・・・

この太刀筋・・・そして この技は・・・

(まさか!!)

「くらえ!!」

「ぐぅ!!!」


ズガアアアアア!!


合わさる剣は衝撃波となり、周囲に吹き飛んだ!

「これは・・・師匠(せんせい)の技だ・・・ どうしてお前が師匠(せんせい)の技を使えるんだ!」

「決まってるだろうが!同じ流派だからだろうが!俺は・・・!!」

アッシュは怒りを込めながら剣を振り下ろす!!

「くっ!!」


ルークはそれを受け止めると・・・

再び衝撃波が迸り・・・



ドガアアアアアアア!!!!!



それはこの遺跡の天井部まで打ちあがった!!


そして・・・


ゴゴ・・・


「まずっ・・・」

アルは上を見上げた。

「えっ!?」

ティアも直ぐに気がつく。



ゴゴッゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!!!!!!!!!


天井が・・・崩れてきたのだ!


「アッシュ、ここは退くよ!」

シンクが叫ぶ。

「チッ!」

アッシュは舌打をした。

「アンタはほっとくとやりすぎる。」

シンクはそう言うと、出口の方へ走り出す


「くそっ!まてええ!!」

ルークが、追いかけようとするが・・・

「まずい!崩れるぞ!」

ガイが叫ぶ!

天井が崩れ・・・巨大な岩盤が落下してきたのだ。

「ナタリア危ない!!」

ティアが、ナタリアを抱きかかえる!

「きゃああ!!」

倒れ込む事で、間一髪下敷きにならずにすんだ。

・・・が・・・



ガラッ!!!!




倒れた先にも落下してくる!!

「ぐッ!!」

それを見たティアはナタリアを抱えたまま、目を瞑る。


ドガッ!!!


落下してきた岩盤は・・・ ティアたちを襲う事はなかった・

「大丈夫?2人とも!」

アルが防いだのだ。

「ええ!ありがとうございます。」「アル、ありがとう。」

「お礼はいいよ!とにかく、ここを離れよう!」

落盤が多い・・・

無事に出られるかどうか・・・





六神将 side


そんな時、

「ナタリア!?」

ラルゴが、後ろを振り向いた。

「ラルゴ!何をしている!」

シンクの一言で、直ぐにラルゴは振り返るのをやめ、走り出した・・・

「あれが、ナタリア王女か・・・ 因縁だね・・・」

「・・・ふん」

ラルゴは・・・気にもならない・・・といった表情だ・・・ 本心は…どうなのだろう?

「てめぇ ナタリアとなにか関係があるのか?」

「昔の事だ・・・忘れてしまった。」

多くは語らない、

「お互い過去は知る必要が無い・・・ アンタも身に染みているだろう?聖なる焔の燃えカスであるアンタならね・・・ それより・・・そんな過去より僕はあの男の事が気になるよ。」

シンクは走りながら後ろを見る。

その視線の先には、先ほどまで戦っていた相手の1人・・・

「あの男・・・か、名は確かアル・・・といっていたな。」

「素性・正体不明の男か。しかしテメェが興味を持つなんてな!この世界に 何の興味もなかったんじゃねえのか?」

「ふん・・・僕だってたまにはあるってことだったんじゃないか?」

シンクは・・・皮肉を言うが・・・声では笑っているようだった。

「気になるといえば、俺も気になるな、あれほどの使い手が、頭角を見せずどの国にも属してないのを見ると・・・な、」

神託の盾(オラクル)では,あの連中の事については、ある程度調べていたようだ。

ナタリアが混ざっていたのは知らなかったようだが・・・

恐らく、バチカルを出る際になにかあったのだろう。

「ふ・・・ なんにしても、ここでくたばるような奴じゃない、また・・・やりあうだろうさ。」

アッシュも、顔がうっすらと笑っている。

彼もまた・・・ タルタロス・そしてこの遺跡で戦ってみて・・・

感じるものがあるのかもしれない、

余計なものがいるようだが・・・

「けっ・・・」







side out




「イオン様!大丈夫ですか!?」

アニスが、イオンのほうへと駆け寄る!

「はい・・・ 僕は大丈夫です。」

イオンはそう頷く。

「波動拳!!」

両手から衝撃波が迸る!

イオンとアニスの頭上に落下してきていた岩を吹き飛ばしたのだ。

「危ない危ない・・・ 立ち止まっちゃだめだ!早くここから出よう!」

「アル!ありがと!! ほら!イオン様!」

アニスが手を引っ張る!!

そして、落盤をかわしながら・・・

何とか、一行は遺跡から脱出する事に成功した。












「皆さん・・・ ご迷惑をおかけしました・・・」

脱出後・・・

イオンは自分の不注意に謝罪する・・・

「いや・・・ イオンは何にもw「まったくだ!」って・・・」

割り込まないでよ・・・ルーク・・・

「ヴァン師匠(せんせい)が待ちくたびれてるぜ?」

ルークがそう言い放つ!

相変わらず・・・まぁ・・・

「ちょっと・・・」

アニスが割って入ろうとしたが・・・

「すみません・・・僕が油断したばかりに・・・」

イオンは再び謝罪を・・・

「そんな・・・導師イオンが誤る事じゃありません!」

ティアもそう言う。

「いいんですよ ティア・アニス・アル、どうもありがとう。」

イオンは庇ってくれた3人に礼を言う。

アニスは納得言ってないみたいだ・・・

「まーま! とりあえず、これからのこと考えよ?」

アニスがあからさまに・・・怒っていたので、俺もちょっとむっとしてたのに・・・(割って入られた上あんなふうに言われたらね・・・ イオンは恩人の1人なのに・・・)

冷静になることが出来ていた。

「そうだぜ?そーむくれるなって。」

ガイも同様の意見だった。

そして、一行は、ザオ砂漠を歩き出した・・・





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