小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#49 流通拠点 ケセドニア


































【流通拠点 ケセドニア】








そこは、流通の拠点の町・・・

流石に流通拠点といわれていることはある・・・

人が・・・結構すごい。



「ここから、船でカイツールへ向かうんですよね?」

ティアが確認をする。

「ええそうですよ。」

ジェイドがそう答えた。

まだ、先は長そうだ。

「ねぇ・・・イオン様!どこかで休んだ方が良いですよね?」

アニスがイオンを心配してそう言う・・・が、

「休み??そんな時間ねーよ!」

やれやれ・・・

「む〜〜・・・」

アニスが・・・じゃなく。

「あなたねえ!!!」

ティアが言ってた・・・

あ・・・アニスが言うもんだと思ってたから・・・で足挫かれた!

「なんだ?親善大使は俺だ!俺が行くって言ったら 行・く・ん・だ!」

意見を曲げる気は無いようだ・・・

「・・・・・・・・・」

アニス・・・怖いよ?

「僕は休まなくても大丈夫です。」

イオン・・・優しいな・・・やっぱ。

「イオン……ちょっと良いかな?」

アルが側に来る。

「はい?」

イオンがアルの方を見た。

「気休めだと思うけどね?ん・・・」

目を閉じて・・・イオンの頭上に緑の光をともす………。

それは……意思を持っているかのように、イオンを包み込む……。

すると……。

「あ・・・」

イオンは…体が軽くなっていくのを感じていた。

「……数多の妖精たちよ……この場に集え……。」

アルは……そのまま手を翳すと……。


「フェアリーサークル……。」


そう唱えた途端。

光は更に輝く……。

そして……役目を終えた光は……ゆっくりと消え去っていった。




「ふぅ…… どうかな……?ちょっとはマシになったかな?」

イオンに確認すると……。

「あ……はい!ありがとうございます!アル」

イオンの笑顔を見て……直ぐに分かった。

「うん!よかったよ。」

アルも安心していた。

これは回復の譜術だ。

戦闘とかで使うのではなく、

精神を落ち着かせるもの・・・

戦闘中にそんなやりかたしてたら危ないしね?使いどころが難しいものだよ。

「まあ… アルは何でも出来るのですね?私も形無しですわ。」

ナタリアは驚きながらそう言う。

よく考えたら、ナタリアの前で回復系の力使ってなかったからね・・・

「あ……えっとー……うん。 ありがとね……」

アルはかるーく流す・・・

「??」

ちょっとぎこちなかったのか ナタリアは、頭に?を・・・

「恥ずかしがりやなんですよ。アルはね?」

「言わなくて良いよ・・・」

「はっはっは〜〜 知らなかったら 教えて差し上げるのが紳士ですよ?」

ジェイドが紳士・・・ねぇ・・・・

「おい!だからもたもたしてねえで!さっさと行くぞ!!」

ルーク・・・再び・・・

「ご主人様〜〜待ってくださいですの!」

「お前はうぜーんだ!!」

向かってきたミュウは・・・打ち返す・・・ 苦笑




















「んで、イオンはこれからどうすんだ?」

ガイがそう話す。

「もしよければ・・・僕も、皆さんと連れて行ってもらえませんか?」

イオンがそう言った。

アニスは・・・

「ええ!!モース様が怒りますよ・・・」

反対のようだ。

「僕はピオニー陛下から親書を託されました。ですから、アクゼリュスの状況も陛下にお伝えしたいのです。」

イオンはそう告げる・・・

「でも・・・」

アニスはやっぱり・・・

そこに・・

「まあ、よろしいのではないですか?アクゼリュスでの救援活動が終わりましたら・・・私と一緒に首都へ向かいましょう!」

「ありがとうございます!ジェイド。」

イオンは笑っていた。

「オレも・・・ありがとうな… イオン・・・それにみんなも。」

アルが突然神妙な顔つきに・・・

「どうしたの?」

ティアがなにかあったのかと少し不安げな表情で聞く。

「いや・・・アクゼリュスの名前と・・・救済活動っていうのを再確認したら・・・ 言いたくなっちゃって・・・」

頭を掻きながら答える。

「アルは・・・アクゼリュス出身なのですか?」

ナタリアが聞く。

「ん・・・? まあ、そんな感じ・・・かな?」

アルは空を見上げた。


みんな・・・無事・・・だよな・・・

そのことを考えて・・・

















港に着き・・・そして、船へと乗り込もうとしたとき!

「ぐあッ!!」

ガイが・・右腕を抑えながらうずくまった。

「ガイ!!」

ルークが駆け寄る。

流石にガイには心を開いてるって感じだった。

んな、感想を言ってる場合じゃない!

「大丈夫!」

アルも駆け寄ろうとしたとき!


“ドガッ!!”


ガイはルークを突き飛ばした!

「ってーーーー!!」

すると・・・

「す・・・すまん・・・ ルーク・・・ 腕が・・・かってに・・・」

ガイの腕は・・妖しく光っていた。

「ちょっと・・・ 見せてください。」

イオンがしゃがみこんで、ガイの腕を確認する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「これは・・・・ カースロット!」

イオンは驚愕の表情をする。

「カースロット・・・聞いたこと無い・・・な。」

単純な傷の治療なら・・・と思ったが、聞いたことも無いことだった。

「これは、ダアト式譜術の1つで、脳に刻まれた記憶を利用して・・・人を操るんですが・・・」

イオンが説明を・・・

「そんなもの・・・いつのまにかけられたのかしら?」

ティアが心配そうに呟く。

「腕・・・あっ!まさか!」

アルはガイの目を見た。

「ああ・・・シンクだ・・・」

ガイは頷く。

「え?」

イオンは再び驚いていた。

「ザオ遺跡で、あいつにここをやられたんだ!」

そう言うと、イオンは直ぐに立ち上がった。

「だとすると、シンクはこの近くにいるのかもしれません。カースロットは術者が近くにいるほど強くなります。」

「んだとおお!!」

ルークは辺りを見渡すが・・・そんな影は見えない・・・

「ルーク!いくらなんでも、見えるとこにはいないよ。それより・・ここから離れよう!離れて、もし近くにいるんなら、近づいてくる可能性がある、その時に、位置がつかめるかもしれない。」

そう言うと・・・

皆賛成した。

ルークは・・・若干・・・不機嫌気味・・・

(くっそ!何で親善大使は俺なのに・・・こいつのことばっか・・・・)

唯・・・悔しがってるだけのようだ・・・ 苦笑





息を潜め・・・影で見ているものがいる・・・

シンクだ・・・

(思ったより・・・抵抗するな・・・ しかし・・・)

シンクはある男を見た。

「あいつ・・・ 力だけじゃなく、頭も切れるようだ・・・ まあ、いいか どうせ奴らは・・・」

シンクは薄ら笑みを浮かべる・・・



【アクゼリュスで死ぬんだ】



そして・・・ ルークたちが、船で出航したのを確認すると・・・シンクも姿を消した。





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