小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#50 デオ峠 エスカレートするルークのわがまま・・・




























【船内】







客室で・・・一先ず、ガイを安静にさせていた。

「無いよりまし・・・かな?」

アルは、腕に、治癒の譜術を掛ける・・・

「私も手伝うわ・・・」

ティアも同様にした。

「2人とも・・・ありがとう、痛みは引いてきたようだ。」

ガイは手を上げながらそう言った。

「あの付近にシンクがいたって可能性が濃厚だね・・・」

アルが呟く。

あの仮面の男か・・・

それより気になることも・・・ある。

イオンのあの言葉……。



(ダアト式封呪という封印を施してます。封印は導師にしか解けない。)



ダアト式……封呪は導師にしか使えない、なら恐らくは譜術も同様のはず。

それを シンクが使える……?

シンクも導師?

それが信託の盾に?

どういうこと・・・だろうか・・・

イオンに聞こうとしたとき・・・

イオンの顔を見ると・・・

「・・・・・」

いえなかった、

なにか・・・複雑な表情だ・・・悲しみのような・・・

少なくともみんながいるところでは・・・聞かないようにしよう。
















【デオ峠】

船をおり・・・そしてアクゼリュスへと向かうにはその間のデオ峠を越えなければならない。

山道にも・・モンスターはいるもんだなぁ・・・

はぁ・・・道狭いところで囲まれちゃったよ・・・



「この!!」



“ドガン!!”



蹴っ飛ばして、崖から突き落とす!



“グオオオオ!!”



その隙をねらって木のお化け?みたいなのが、アルを攻撃しようとしていた。

「させません!フレイムバースト!」



“ゴアアアアア!!!”




ジェイドが譜術を放つ!



“ガアアア!!!”



相手は木の化け物、炎は効果抜群みたいだ。




「てぇやああ!!」

「せい!!」


“ザッシュ!!!”


“ギャアアア・・・・”




残りは・・・

ルークとガイの斬撃でいっちょあがり!


「空を飛んでるのは私にお任せなさい!」

弓を構え・・・

弓を強く引く!


「喰らいなさい!ピアシスライン!!」


強くはなった弓の矢は・・・


“ズバアアン!!!!”


“グエエエエエ・・・・・”


“ドサッ・・・ドサッ・・・ドサッ・・・・”


複数いた怪鳥を一気に貫通させ、全て打ち落とした!



「やるね・・・ 負けてられないな・・・ティア!」

「ええ!」

譜術に入る!




「エクレールラルム!!」「シャイニングレイ!!」



“キィィィィン………ズガァァァァン!”


地面から立ち上がる光の十字の壁が敵を打ち上げると・・・


闇を照らすかのような光の雨が敵を打ち抜いた!!


「イオン様!こっちに!」

その隙に、アニスはイオンを安全なところへ・・・





暫く・・・・・・・・・・・・・・・・

フルボッコ♪

フルボッコ♪♪

でもなさそう・・・ 苦笑







「足場が悪いとこでは危ないね…」

そうここは峠道・・・場所によっては狭いのだ。

整備されてるみたいなんだけど・・・

どーして、足場の悪いとこで襲われるのかね・・・

魔物も頭を使うのかなぁ・・・?


「気をつけていきましょう。」

「そうですわね、こんなところで、倒れるわけには行きませんもの!」

一行は、峠越えを目指して歩き出す。








その道中。

何回かモンスターに襲われ、時間が結構かかったせいか・・・

ルークはイライラモード・・・あ いつもかな・・・? 苦笑

「おいおい、そうかっかするなよ。ルーク、ヴァン謡将だってアクゼリュスでお前を待ってるさ。」

ガイがフォローを入れていた。

これまでも・・・散々だったから・・・

流石にフォロー入れるのしんどくなってきたのはアルだ・・・

そんな時・・・ガイが言ってくれる・・・

うん・・・君こそ・・・お守り役だよ!真の・・・ 苦笑

でも・・・

その先のルークの発言は・・・


「ふん・・・砂漠で寄り道なんてしなけりゃ良かったんだ!」


「「「!」」」


砂漠のことは・・・イオンの救出の時の事だ・・・

それを・・・【寄り道】・・・

「ッ!!」

アニスは流石に我慢できない・・・

って言うか・・・アルも止めなかった。

アニスの方が行動はやいし・・・

庇いきれない・・・と思ったからだ。

「ちょっと!!寄り道ってどー言う意味!!・・・ですか?」

最後に・・・ですか?がつくのは・・・流石はアニス・・・こんなときでも、ちゃーんと玉の輿はねらってるみたい・・・

やめといたほうが良いかも抱けど・・

そして・・・ルークが次に言い放った言葉は・・・





「寄り道は寄り道だろ?今は【イオンがいなくても】 俺がいれば 戦争は起きないんだしよ!」





場を一瞬凍りつかせた。



「・・・アンタ 馬鹿?」

アニスがはなった言葉は・・・最早あきれ返ったものだった。

「ばっ!!馬鹿だと!!」

ルークは思いもしなかったのか?ののしられた事に驚いていた。

「ルーク!今のは私も思いあがった発言だと思うわ!」

ティアも・・・

「この平和は、お父様とマルクトの皇帝が・・・導師イオンに敬意を払っているから・・・成り立つものですよ?」

ナタリアも・・・

イオンは・・・少し寂しい表情をする・・

「いえ・・・両国とも・・・僕に敬意を払っているわけじゃないです・・・ユリアの予言(スコア)が欲しいだけです・・・」

そう言う……。

その言葉に……もう我慢できなかった。



「そんなこと言うな!」



アルが・・・激を飛ばしたのだ。

「ッ!」

イオンが驚いた顔をした。

アルに・・・・こんな風に言われたのは・・・チーグルの森以来だった・・・そのときより・・・大きな声で・・・

「オレは・・・ずっとイオンを見てきた、そして、町での反応も見た。ピオニー陛下は見てないが、ナタリアの父上のイオンに話す目も見た。 何処でも、イオン本人に対する敬意が見えたよ、俺には!確かに導師という地位もあるんだろうが、それ以上に、イオンは信頼できる人だ!だから 自分自身をそんな風に言うのはやめてくれ!」

アルはイオンの前に立ち そう言う。

「アル・・・・・・」

イオンは・・・驚きの表情を作っていた・・・

そして・・・同時に喜びも・・・

だから、うまく表情を作れなかったのだろう・・・

「後・・・ルーク・・・」

次にルークを見る。

「な・・・・なんだよ・・」

ルークはアルをなかなか直視できなかった。

「オレも記憶障害者だ、殆どルークと同じ立場だから、遠慮なく言わせてもらうけど、もう少し勉強をしたらどうだ?この世について、そして、人との繋がりについて・・・ そうじゃないと、大切なものを失ってしまうかもしれないぞ・・・」

恐らくは・・・同じ立場のものが言うものではない、

それでも・・・言い切ったのは・・・限界もあったのか・・・あるいは・・・

「なんだと!!!」

ルークにはあまりこたえてない・・・

緊迫した空気の中・・・

「はっはっは〜〜 皆若いですね〜〜 では そろそろ先に行きましょうか?」

ジェイドが、そんな空気を割るように、入ってきて・・・先へ進んだ・・・

「けっ・・・」

「「「・・・・・・・」」」

皆ジェイドに続いた。

「っはは!・・・この状況でよくああ言うセリフがいえるよな・・・」

ガイは笑っている・・・が・・・

(でも ルークお坊ちゃんよ・・・今のは相当不味かったぜ?おまけに【あいつ】まで、言うくらいだぜ……?)

そう考えていた。 













峠も後は下るだけの所・・・

(まったく〜〜 ルーク様ってほんっと馬鹿ぁ??)

アニスは・・・眉間にしわを・・・

「アニス・・・そんな顔してると、顔にしわが出来ちゃうよ?」

「な!そんな顔ってな〜〜に〜〜?ティアの時といい!しわって!乙女に向かって酷いじゃない!!」

アニスはむきーーっとしだす。

まあ、さっきの表情よりましか・・・ 苦笑

「おやおや〜〜 流石のアニスも怒っているのか?」

「へ?そ〜んなことないですよ?私ルーク様(の財産・・・)とーっても好きなんですから〜〜 流石に引いちゃいましたけど・・・・」

アニスは完全に笑顔に戻った・・・

「ガイ ナイス!」

「お前もな・・」

2人で笑っていた。


ジェイドは・・・この辺りは整備されているのに気がつき・・・

「思ったより・・・この辺りは整備が進んでますね・・・先ほどの場所に比べ。」

そう呟いていた。

「本当だな・・・今じゃこの道はあまり使われてないだろーに・・・」

ガイも同様のようだ。

「なーんでだ?」

ルークがガイに聞く。

「この道は元々アクゼリュスがキムラスカ領だったときに使われていた道だからな。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なるほど・・・ マルクト領になってから使われなくなったってことか・・・そうだよね・・・ こっちから先はキムラスカだから… あんまり使わないはずか・・・」

アルが納得しながら話す。

「その通りです、マルクトに奪われたとなったら使う意味がありませんものね!」

ナタリアはちょっと…とげがあるな・・・

そんな言い方すると・・・

「まっ 次の狙いがアクゼリュスなら、整備しておいた方が得策ですが・・・」

ほら・・・

「どういう意味ですの・・・?」

「仮にですよ仮に・・・」

黒いよ・・・

「仮にでも何でも・・・アクゼリュスで戦争を起こすのはカンベンしてよ……? 一番辛い思いをするのは住民なんだからさ・・・」

アルがそう言う・・・

そうじゃんさ・・・

「いやですね〜〜 冗談って言ってるじゃないですかぁ〜」

ジェイドが更に笑う・・・

「その笑いが怖いんだって・・・」

「そうです!いちいち癇に障る物の言い方をなさいますのね!」

ナタリアが一緒に言うけど・・・

「オレにとったらどっちもなんだけど・・・」

ナタリアとジェイドを交互に見て……。

「なにかおっしゃいまして?」

勿論そんな視線などお見通し!

ナタリアがにらみを利かせるから…。…

「なんでもありませーーん!!」

はぁ・・・ っと苦笑いするしかなかった……。

「はっはっは〜〜 では 気をつけるとしますか!」

ジェイドはずっと笑ってるなぁ・・・



こんな談笑をしてたとき・・・

「うっ・・・」


“ドッ・・・”


イオンが膝をついた・・・

「イオン様!!」

「イオン!!」

一番側にいたアルとアニスが駆け寄る。

「大丈夫ですか??少し・・・休みましょうか?」

ティアもそう言う・・・が、

「いえ・・・僕は・・・大丈夫です・・・」

イオンは強がりを・・・

「だめですよぉ!!皆!ちょっと休憩!!」

アニスがそう言う!

顔を見たら明らかだ・・・

満身創痍・・・疲労困憊・・・

だが…肝心の親善大使様は・・・

「休む??何言ってんだよ!師匠(せんせい)が先にいってんだぜ?」

OKを出さない・・・

「ルーク!良いじゃない!」

「そうだぜ。きつい山道なんだしよ。仕方ないだろう?」

ガイとティアがそう言うが・・・

「親善大使は俺なんだぞ?俺がいくって言ったら行くんだ!!」

変わらない・・・な・・・

これは・・・この我が儘は・・・何を言っても・・・

アルは・・・ため息・・・

アニスは・・・

「あっ・・・あんたねぇ!!!」

イオンを支えながら怒りの表情・・・

「ルーク・・・親善大使って意味知ってるか?」

アルはため息を吐きながらアニスを抑えて言う・・・

「なんだよ!俺が一番えれーって事だ!」

はぁ・・・やっぱり…

「違うよ。国際機関、国家や地域、諸団体の対外的な文化交流の増進を図るために任ぜられる称号の事を言うんだ・・・ ルーク・・・君の物言いで、誰が君と交流を深めようとする?誰が・・・君を英雄と呼ぶ?」

ため息をつきながらも・・・論破していく・・・

この世界の知識より・・・一般常識はきちんとわかっていてよかったと、このときほど思ったことは無い・・・

ルークは・・・ため息を吐きながら、長々と説明されてるのを見て、

ジェイドのように馬鹿にされているとしか取れなかった!

「うるせな!なんだろうと!俺がいくって言ったら行くんだ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「そうですか・・・ なら 少し休みましょう!イオン様?よろしいですね?」

ジェイドが話を進めた・・・

「おい!!」

ルークは反論するが・・・

「ルーク・・・すみません・・・ 僕のせいで・・・」

イオンの表情と謝罪弁を聞いて・・・

「・・・・・わーかったよ ・・・・少しだけだぞ・・・?」

やっと折れた・・・



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