小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#52 汚染された街アクゼリュス?


































【鉱山の街 アクゼリュス】








「ッ!!!!!!」




アルは……そのアクゼリュスが見える光景が信じられなかった。

紫色のきりのようなものに包まれ…… 街には酷いにおいが漂っていた……。


まるで…… 【地獄の沼】のようだ。

「そ……んな…… ここ……が?アクゼリュス?」

アルは……暫く動けない、現実だと・・・理解できない・・・

これ・・・が?

あの・・・?

サラと一緒にいた・・・秘密基地も・・・今は瘴気で囲まれ見ることが出来ない・・・


「アル!しっかりしてください!」

イオンが体を揺さぶる。

「アル、気持ちはわかるわ、今は助けられる人を助けに行きましょう!」

ティアもそう言う。

「そ・・・う だ。うん・・・ 行こう・・・」

頷くと・・・街のほうへ・・・

「なんで そいつの意見を聞いてんだよ・・俺が親善大使だってのに・・・」

ルークは…まだこんな感じだったが・・・

今のアルにそんな余裕は無い・・・

皆 無視し・・・そのまま進んだ。

















街中は・・・更に酷いものだった・・・

かつての・・・活気も無い・・・

胸を押さえ・・・倒れるもの・・・

必死に助けようとするが・・・咳き込んでしまい思わず倒れてしまうもの・・・

ぐったりし・・・動く事ができないもの・・・

そして、苦しむ声・・・泣き叫ぶ声・・・

「酷い・・・・」

「みんな苦しんでるですの・・・」

「ッ・・・みん・・・な・・・」

見るも無残な街に・・・動揺を隠せないが・・・

今は助けるのが先決だ!

(師匠(せんせい)は・・・何処にいるんだ?先に・・・来てるはずなのに・・・)

ルークはそんな惨状より・・・ヴァンの行方を捜す・・・



















そんな時・・・

「ママ!!ママァァァ!!」

こどもの泣き叫ぶ声が聞えてくる・・・

動けない母親に・・・泣きつく男の子だ・・・

「ッ!!」

アルは駆け寄った!

「うっ うっ・・・」

男の子は・・くしゃくしゃになった顔を・・・アルのほうに向ける・・・

「あ・・・!アル・・・・アル おに・・・ちゃん・・・」

アルを見て・・・更に泣いた。

目の前にいる人物に驚きと感激の表情をさせていた・・・

「レインだな!!大丈夫!俺が助けてやるから!」

そう言って治癒術を仕掛ける!

「私も!!」

ナタリアも駆けつけた!

「しっかりしてください!大丈夫ですからね!」

ナタリアも共に・・・治癒をかけてくれた。

「ありがとう・・・」

「今はお礼どころではありません!早くしないと・・・」

そう言って、集中させる・・・

アルも意識を集中させた・・・次の言葉を聞くまでは・・・








「おい!お前ら!よせよ!きたねーし うつるかも知れねーぜ?」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



!!!!!!!!



それでも………………人間か………………………………?



「……ナタリア……ゴメン。ここ……たのむよ…………」

「ッ!!」

アルの言葉には感情が篭ってない…………。

無機質な…言葉だった。

ナタリアが・・・ルークを叱ろうとしたのに・・・その言葉がまったくでなかった・・・

恐ろしいほどの殺気で・・・声が出ないからだ・・・

その間に・・・アルは立ち上がり・・・

ルークにゆっくり近付いていく・・・




「な…なんだよ・・・!」




拳を握り締める・・・


そして・・・



“ドガアアアア!!!”




思い切り殴りつけた!


「ガッ!!ハッアア!!」


ルークは後ろに吹き飛ぶ!



「て・・・・てめ・・・な・・・何しやがる・・・・・!!!!がっ!!」


そして ルークの襟元を掴みあげた…!!

「アル!!!!」

ティアがアルの手を持つ。

「よしなさい!今はそれどころではないはずです!」

ジェイドも同様だッた。

「くっ・・・・ぐぅ・・・・!」

ルークをつかんでない方の拳は・・・硬く握られている・・・

「ひ・・・・」

アルの目を見て・・・戦慄が走る・・・

ここまでの怒気を放たれたのは・・・初めてだったからかもしれない・・・

あの・・・人を初めて刺したあの時とにた戦慄・・・

そして・・・明らかにいつもと違うアルを見て・・・動揺していたのだ・・・









アルは……説得され…何とかルークを【離すことができた】。

「殴った事は・・・・これが終わったら、いくらでも謝る。 だから・・・もう二度と・・・あんな言葉を口にするな・・・!」

そう言い・・・人々を救うため・・・はなれていった。


「私たちも・・・」「よし・・・俺も!」「僕も手伝うですの!」


そう言って・・・皆手分けした。


「・・・・・くそ・・・ どうなってもしらねーぞ・・・・」

ルークは殴られた顔を抑えながら・・・そう言っていた。


暫くは・・・治癒術を頻繁に使っていた・・・

手遅れのものもいた…


割り切れるものではない…


悲しみにくれる時間も無い…


そんな時間すら惜しいのだ…





「おおーーーい!!!!」


そんな時・・・声が聞えた・・・


この・・・・声・・・・は!


「ガーランドさん!!!」

そう・・・初めて・・・この世界で・・・お世話になったガーランドだった。

「やっぱり アルか!!無事だったんだな!!!」

ガーランドはアルを抱きしめた。

「オレも・・・良かったです・・・」

アルも・・・抱き返す、涙が・・・うっすらと…目に浮んでいた…

「サラや・・・レイさんは・・・元気ですか?」

アルは目に涙を浮かべながら・・・そう聞く。

「ああ・・・・・ 無事・・・とはまだいえないが・・・ 必死に手伝ってくれて・・・今は2人とも家で安静にしてる・・・この件が片付いたら・・・また遊んでやってくれ・・・」

どうやら・・・2人も瘴気に・・・・・・

「2人はまだ大丈夫・・・だ。坑道の方を・・・・・」

ガーランドはアルにそう言う。

「・・・・・はい!」

アルは力強く・・頷いた。




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