小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#55 ヴァンとの合流・悪意ある表情
































「とにかく…… アルのおかげで、危険な状態に陥っていた人たちは何とか大丈夫そうです。残りの人たちを救出しましょう!」

ジェイドの一声で再び皆救出作業に戻る。



アルも自信も、まだ立ち眩みはするが・・・

決して無理をしないと言う約束を皆として…。

行動をしていた。







「なー!さっさと奥にいっちまおうぜ!」

ルークは、救助作業よりも…。

どうやら奥へと進みたいらしい。

まあ、所謂『せんせい』の事だろう。 苦笑

当然返答は……。

「駄目です。何が起こるかわかりません。彼らを避難させる方が先です。」

却下だ。

ジェイドはそう言うと、救助に戻る。

「くそ・・・奥に行けば・・・ ヴァン師匠(せんせい)に会えるかも知れねーってのに・・・」

ルークは・・・

そう考えると、1人で奥へと歩いていった・・・




「ん?」




イオンが………。

それに気がついた。

ルークが、1人で奥へと入っていくのだ。

瘴気が特に濃い奥へと………

イオンはとっさに、アルを呼ぼうとしたが………

アルは他の人たちの救助を行っていた為。

声を掛けれなかった。








ルークは親善大使であることには間違いがない。


ついていったほうが良い………

イオンはそう考え・・・ルークを追いかけて行った。













ティア side






タルタロスへ乗っていたのは・・・

神託の盾(オラクル)騎士団だ・・・

それもかなりの人数で………

ティアは取り囲まれてしまっていた。

「ティア様………。手荒なことはしたくありません。どうか言う事をお聞きください。」

1人が前に出て、そう言うが………

ティアは武器を構え、聞く耳を持っていなかった。

手荒な真似は本当にしたくないのだが、やむをえない・・・

そう判断しようとしたその時!



「ぐああああああ!!」



騎士たちから悲鳴が上がる!



「があああ!」

「ぎゃあああ!!!」

「がはあああ!」



次々と悲鳴が上がる………。


「何事だ!!」


そう叫んだその刹那!!


「ぎゃあああ!!」


一閃のもと、切り裂かれ………倒れる。


その正体は、


「くそおおお!!それ以上行くんじゃねええええ!!!」


鮮血のアッシュだった………。



side out





アクゼリュス side






ルークは奥へと歩いていく………。

ヴァンを探して・・・

「くそっ 皆馬鹿にしやがって………」

イラつきながら探していると・・・




“キィィィィン!!!”





突然!!ルークに再び頭痛が襲う!!


「がっ!!またか!!!」


ルークは頭を抱える。


(よせッ!!それ以上奥へ行くんじゃねえ!!!)


アッシュの声だ。


「うるさい!!やめろ!!!ぐうううああ!!」


ルークは、頭を抱えながら、膝をつく。



「ルーク!!」



そのルークを見たイオンは、急いで駆けつける!


「があああ!!やめろぉぉ!!!」

「ルーク!!」

イオンに気がついたルークは頭痛を必死で抑えながら、イオンの顔を見る。

「イオ………ン………?どうしてここに………?」

なぜここにいるのか分からないようだ。

他の皆とあの場所にいたのだから。

「1人で歩いていっていたのが見えたので………それより………どうしたのです?」

心配そうにルークをみる。

その時!!



(馬鹿野郎がぁッ!それ以上行くと!取り返しがつかねえぞ!!)



再び………アッシュの声がルークの頭に響いた。


「うるせええええぇぇ!!お前なんかに命令されてたまるか!!!」


ルークは叫びを上げる!


「ルークッ!!!」


イオンは・・・驚いた表情で・・・見る。

ルークは・・・何事もなかったかのように・・立ち上がる!

「大丈夫ですか・・・?一度戻っては?」

イオンはそう言うが………

ルークは構わず奥へと進む………

もう、アッシュの声は聞えなくなったようだ。


(アクゼリュスを助けて・・・皆を見返してやるんだ!)


………そしてルークは歩く速度を上げた。






アッシュ side




アッシュの声が聞えなくなったのは、ルークが抵抗したからではない。

アッシュはアッシュで、戦っていたのだ。

神託の盾(オラクル)騎士団と………

その為、交信に集中できなくなってしまったのだ。


「ふんッ!!!」


“ザッシュッ!!”


アッシュは、剣を振り次々と撃退していく。


だが………

ルークが奥へはいって行くのを感じる……。

アッシュとルークは繋がっているから……。



「くそぉぉ!!あの馬鹿が!!!」



叫びながら、 ティアと共に、敵をなぎ倒していった。





アクゼリュス side





ルークはアッシュの静止を振り切り、

暫く奥へと進んでいた………


そして、奇妙な模様の扉の前にて………。

ルークの待望の人物と再開を果たす。




そこにいたのは。



「師匠(せんせい)!!」


ヴァンだった。


「ルーク!ようやく来たか。導師イオンもご一緒とは………これは都合が良い。」

そう言ってイオンを見た。

「ヴァン……?他の先遣隊は?」

イオンがそう聞くと。

「他の場所で待機させております。それよりも導師……早速ですが、この扉を、開けてもらえますか?」

そう言って、ヴァンは扉を指差す………

「これは・・・ダアト式封呪………では、ここにはセフィロトがあるのですね?ここを開けても意味がないのでは?」

イオンはそう返す………。

ザオ遺跡での事とまったく同じだ。

ここに有るのはセフィロト………。

そこへ行って何か出来るわけでもない………。

それなのに………?

「いえ………………このアクゼリュスを【再生】させるのに必要なのです。」

ヴァンはそう答える。

「頼むよ!師匠(せんせい)の言うとおりにしていれば大丈夫だからさ!」

ルークもイオンに頼む………。

「しかし………。」

イオンはまだ納得したわけではない………。

だが………、

「お願いだよ!イオン!」

ルークは頼み込む………。

「………………………」

ここまでルークが人に頼む事などないことだ………。

無碍に断るなど………。

そんなことはイオンに出来るはずもなく……。

「わかりました………。」

そして、イオンは了承した

「いよっしゃああ!!」

喜ぶルーク。

はしゃぐように………………。

そんなルークをイオンは不安そうに見ていた……。

頭に過ぎっているのはアルが言っていた、ルークの盲目になっていると言う事。

そう……傍にその原因であるヴァンがいるのだ。

心配は…尽きない。

そう考えていたせいもあってか……。



イオンは……一瞬見せた、



ヴァンの鋭い目に……。

悪意のある表情に………。



気づくことができなかった。


-57-
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