小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#71 アラミス湧水洞・理解ある友との再会



























そして…それからも、

怪物を撃退しつつ洞窟の奥へ行くと。


「ようやくお出ましかよ。」


頭上から声が聞えた。

聞き覚えのある声だ。


「え??」

「あっ!」

「ん??」


3人とも足を止めて辺りを見渡す…


「待ちくたびれたぜ?」


岩の上に…座っていたのは……。

「ガイ!!」

そう、ルークの使用人。

そして、親友のガイだった。


「よっ!」


ガイは手を上げると…

岩から飛び降りてきた。

「おっ?」

ルークを見ると…

直ぐに気がつく。

「へええぇ 髪を切ったのか?いいじゃん さっぱりしててさ!」

ガイがそう言う。

「オレもそう思うよ。髪が長い人…結構多いしね?ジェイドとか、アッシュとか…」

実を言うと…アルもそう思っていた。

決意の断髪だったから…

軽口はいえなかったのだ。


「あ……ああ…」


ルークは…そんなことより……。

ガイが待っていてくれた事……。


アッシュを通してみたとおり、自分を待っていてくれたことを喜んでいたのだ…


そして、ガイが近付いてくると同時に…

ルークの表情は曇る…

「ん?どうした?」

ガイはそんなルークの表情に首をかしげる。

ルークは…表情を暗くしたまま・・・


「おっ……オレ ルーク……じゃない……から………。」


そう呟いた……。

まあ、気持ちはわかるけどね。

さっきティアとアルに言われた事……さっそく忘れてない??

「おおーーーい!お前までアッシュと同じ様なこというなって!」

ガイは笑いながらそう言うけど。

やっぱり、ルークは。

「でも!!オレ!レプリカで!!」

止まらないが、


“ガシッ………”


ガイはルークの肩を掴む。

「良いじゃねえか、お前はお前、アッシュはアッシュ、レプリカだろうがなんだろうが、オレにとっては本物はお前ってことさ!折角まっててやったんだから、もうちょっとうれしそうな顔をしろって。」

ガイは笑顔でそう言う。

「そうだよ!それにさっき言った事さ。……もう忘れたの??ルーク!落ち込むのやめだって!」

アルも笑いかける。

「そっ……そうだった…… ごめん…… いや、ありがとう……ガイ… それに、アル……。」

ルークは改めてそう言う。

「あははは…………」

アルは少し笑ってると。



「えええええええええ!!!ルークがっ!?ルークがありがとうってええええ!!!!」


ガイはまさかの発言にびっくり仰天!!

んな大袈裟な……

まあ、

「今までが今までだったから……ねえぇ………。」

仕方ないっちゃあ仕方ないけど……。

「彼………変わるんですって。」

ティアがガイにそう言いながら近付くと………。


「ひええええええええええええええええええ!!!!!!!!」



ガイは一瞬でエスケープ!!!!!

「………………」「………………」

アルとティアは………

沈黙の後………


「「はぁ……。」」


ため息を一つ。



「ガイは中々変われそうにないね・・・」

「見たいね・・・」



そう呟いた。




















暫く洞窟を歩いて……

ガイが来てくれたおかげで、戦闘は断然楽になった。

あの後、何度か 襲われたが後衛2名前衛2名のバランスの取れた陣形…

何回か、前後を挟まれた状況になったが……。

その時はティアを挟むような陣形で乗り切る。



前衛を完全に任せれるガイとルーク。

後衛でも、強力な譜術。そしてナイフ術。治癒の譜術を使える中間距離で最も戦闘効果を発揮するティア。

前衛と後衛……縛られる事なく、即座に順応出来るオールラウンダーのアル。



この4人が揃えば特にこの辺りの怪物では問題なかった。



そして…

歩いている時。



ルークはある疑問をガイに聞いた。

「どうして…オレを待っていてくれたんだ?」

そのことだった。

「……お前さぁ 覚えているか?」

ガイが逆にルークに聞いた。

「え?何が?」

「誘拐された後だから… お前が生まれて直ぐってことだろうな、まずは歩く練習をしてて・・・お前がスッ転んで、 泣いて…励ましてた時、「過去なんかいらない!」って言ってたんだぜ?」

ガイが…思い出しながらそう言う。

「ははは………。馬鹿だよな?オレ…。過去なんかいらないんじゃなくて…… 元々ないんだよな…」

「いや…結構 心理だと思ったぜ?オレはな…」

ガイはそう言う…

なるほど…

「いつまでも…過去に捕らわれてたら…前に進めないってこと……だね?」

横で聞いていたアルがそう答えた。

「……そう言うことだ。 アルの言う通り。やっぱ お前直ぐにわかったか。」

アルは…頷く。

「……そうだね。オレも、過去………ないし、引きずってた時もあった。でも…皆のおかげもあるかな?考えないように…してたんだ。そしたら 前に思いっきり進めてたから。ちょっと……足止めしちゃった時も会ったけどね……。」

思い出すように…そして、ティアの方をちょっと見て……頭を下げる。

ティアは優しく微笑んでくれていた。

「そっか…お前もルークと同じだったんだよな…。 はっはは、オレ ルークもお前もそう言うところが好きだぜ?だからよ。ルークだけじゃねえ。……アル。お前のことだって、……ずっと待ってたんだぜ?」

ガイが…そうやって笑っていった。

「そっか… ありがとう。ガイ。」

アルも笑顔になるが。

ルークは……。

「でも、アル…オレはやっぱりその……アクゼリュスを……。」

やっぱし、落ち込みモード。

「ああああ!!!もう!それやめろ!ウザいっての!とりあえず人助けしろ!残りの人生使って!世界中皆幸せにしろ!」

ガイがか代わりに言ってくれたよ…。

言わなかったら……また言ってた。

それに、ルーク。ま〜〜た、さっきのこと忘れてるんだから。


「出来るわけねーだろ!!!」


もちろん、皆を幸せにするなんて…無茶だ。

「んなことあーわかってる!!っおい!アル!何とか言ってやれ!!」

ガイはアルの方を見た。

アルは頷いて……。

「うんっ! だーかーらっ!それぐらいの勢いで頑張るんだってことだよ!それだけ大声出せたんだからさっ!きっと出来るって!!がむしゃらでいいから頑張ろう!オレとの約束……だからな?」

アルが繋げた。

「ガイ………アル………。」



全く………。

でも……アルは思うところがあった。

ひょっとしたら……、

サラとの約束や……ティアのおかげだけじゃなく。

ルークがいるおかげで……

そのおかげで、今オレが落ち込まなくてすんでるのかもしれない……。

アルは、そう思い、ルークを見ながら暫く苦笑いをしていた。












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