小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#72 捕らわれた2人





























そして、洞窟を出た所で….



「探しましたよ、ガイ。」



声が…

聞えてきた。

この声って…!!


「あ!ジェイドッ!」


木の陰にいたのはジェイドだった。

何だか、随分久しぶりのような気がする…。

「いやー良かった。入れ違いになったかと、心配してました。……それに、よかった。アルも大丈夫そうですね。」

アルを再度確認して……改めて、安どの表情をする。

「大佐?どうしてココに?」

ティアが少し驚きながら…

話をした。

ジェイドは、外郭へ行ったメンバーと共に行動していたはず…

待っていたガイは兎も角、ジェイドまでこの場にいて少し不思議に思ったようだ。

「いえ… 不味い事になりましてね… 協力していただきたい事があってきました。」

ジェイドが険しい表情を作る…

「何か合ったのか?」

ガイは、ジェイドの方を向き、聞いた。

「………イオン様とナタリアがモースに軟禁されました。」



「なんだって!!」



ジェイドの口から出た言葉は場を震撼させた…。

「おや…?ルーク、貴方もいたんですか?」

ジェイドは明らかに気がついてるのに、冷たくそう言った。

「ッ………。いちゃ悪いかよ…」

ルークは…表情を落とす…

「……いいえ別に。それより、モースに捕らわれた2人を助けないと、…戦争がおきてしまいます。」

!!

「ええ!!何で??」

アルは声を思わずあげた。

「…モースはアクゼリュスの消滅はマルクトの陰謀だったとして、開戦の口実にしようとしているのです、何せキムラスカにとっては、王女と親善大使が行方不明になっているという、大事件ですから。」

………この場にルークだっているのに。

「ッ!そう…か、皆ルークたちが無事なの知らないんだ!」

アルがそう言うと…

「それを利用すれば…確かに開戦の口実にはなるな。それに、何で消滅したのかもわかっちゃいない、マルクトの陰謀と言えば・・・簡単に信じちまうだろうな。」

ガイは腕を組みながらそう言う…

したたかだ…

「…そんなに 予言(スコア)の通りにしたいのか…。その為にいったい……いったいどれだけの人が… ッ………。」

アルは…

怒りをあらわにする…

本当に予言に呪われているとすら感じていた…。

「アル、今は行動です。イオン様は止めようとしてくれたんですが、 モースに捕まってしまったんです。…ガイ、アル」

ジェイドは2人の名を呼び…

「それにティアも…手伝っていただけますか?」

そういわれた…。

答えるまでもない。

「……もちろんだ!それに…イオンはオレの恩人だ。ナタリアも……大切な仲間……。 助けなきゃ…」

アルはもちろん。

「ああ。戦争なんざ起こさせてたまるか!」

「ええ!」

ガイ・ティアも頷く。そして「僕もですの!!」っとミュウも…

ルークは…

「お…オレは…」

まだ…言葉が出てこなかったようだ。

ジェイドに素っ気無くされたためか……。

「………ルーク!2人を助けようぜ!」

ガイが、ルークの肩を叩く。

「そうだよ!戦争なんて、起こしちゃだめなんだ!……そんなッ、……悲しみが増えるような事を!」

アルも…ガイのようにルークにそう言う。

「あ…ああ。」

ルークは…何とか、返事は出来た。

…が、

「まっ、ついて来たいというのなら 止めはしませんが?」

ジェイドの態度は…やはり、冷たいままだ…。

「ッ…!」

当然…ルークには堪える。

「ルーク… 一度失った信頼は簡単には戻らないわ。」

そんなルークに、ティアは一言…

そう言うと…

ルークは無言で頷き…

そして、一行は、ローレライ教団総本山であるダアトへと出発した。












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