小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#74 教団本部へ

























そして、教団本部前…

「止まれ!!」

当然…だけど。

門番が扉を塞ぐ。

「大詠師モースの命により、現在許可がないものの出入りは禁じている!」

そう言い、槍を構えていた。

だが、ティアは、問題視せず歩み寄ると…

「私はオラクル騎士団響長ティア・グランツです。」

そう言うと………。

「あッ!」

慌てて、確認した門番は武器を下げた。

「大詠師モースの特命により、第七譜石発見の証人を本部まで連行しました。」

そう一言。


「「「「!!」」」」


皆は当然驚く、

これまで秘密にしていたティアの任務だったからだ。

モースの特命を任されている以上。

門番に、止める権限は無い。

「し…失礼しました!」

そう言うと、

直ぐに入り口を開いた。















「ちょっとちょっと〜!どういうことか説明してよ?」

アニスがそう言う。

「ごめんなさい… 別に隠していたわけじゃないんだけど…」

ティアはばつが悪そうにそう言う。

「でもさ、中に入れたんだから、良いじゃんか? 今は問題視しないよ?」

「それもそうだな。」

ガイとアルはそう言う。

…中に入れないとなると…行動も制限されてくる。

暴れてムリヤリ…って言う手もあるけど、

派手な方法は好ましくない。

救出任務ならなおさらだ。

「そうですね。第七譜石の報告を装った方法…これが一番だと思います。」

ジェイドもそう言う。

「でも〜 これからはどうするんですかぁ?」

アニスがそう聞くと…

ジェイドはキラン☆ってな感じで振り向くと、

「もちろん! 実力行使です♪」

そう言いきった…

「いや……笑顔で言う事かな…?それ…?」

それは問題視するね… 苦笑

「はぁ…やっぱりそれかぁ… 大佐だもんね…」

アニスは…苦笑いを…


そして、本部の奥へと進んでいった。










勿論、中も厳重に警備している…

巡廻に回っている兵士も数多い。

皆…何とか、見つからないように、慎重に進んでいく。

そして、モースの部屋の前へと来た。

「ここ…だよな…?」

ルークがそう言うと…

ティアは頷く…

「しっ…中から声が聞える…」

アルが、そう言うと…皆耳を澄ませる…





(ええい! ヴァンの奴にはまだ連絡が取れないのか!!??)

……モースの声だ。

(申し訳ありません。総長閣下はベルケンド視察に向かわれて。)

この声は………。

「………リグレット教官ッ。」

ティアは…そう呟いた。

慌てて、自分の口を塞ぎ…声に集中する。


(ようやく 予言(スコア)通りに戦争が起こせそうなんだぞ?こんな大変な時にあ奴は何をしておるか!!)

随分とご立腹のようだ…。

これで最早疑いの余地は無い…。

モースが起こそうとしているということに…


ティアの表情は…険しくなっていく…




(…大詠師モースは…一先ず先にバチカルへ向かわれてはどうですか?)

リグレットはそう提案をする…

モースは…暫く考えた後…

(ふん… そうするか…)

納得し…席を立つ。

(お送りしましょう…)

リグレットも、モースと共に部屋を…







「!!皆…隣の部屋に!」

アルは、扉に張り付いていた為、直ぐに察知した。

そして、皆頷き、モースの部屋から離れ、隣の部屋で息を潜めた。

そして…2人の足音が…聞えなくなるのを確認すると…

「行ったみたいだよ…」

アニスはそう言う。

「…モース様、本当に戦争を起こそうとしてたなんて………。」

ティアは…やはりショックを隠せないようだ……。

ずっと、信頼していたのだ………。

仕方…ないだろう。

だが…

「今はそれどころじゃない! 今はイオンたちを助けて、戦争を止めないと!」

ルークがそう言う!

「ルークの言うとおりだね…!ティア。気持ちは…わかるけど。今は、」

「出来る事をやる…わかってるわ…」

ティアは、直ぐに…わかってくれた。

悩む時間すら惜しいのだ…

「よっし!行こうぜ??」

ルークが扉を出ようとすると…

「その前にルーク…貴方に確認したい事があります。」

ジェイドが、厳しい表情でそう言う。

「え…?」

ルークはジェイドに向きなおした。

「…ココから先は大勢のオラクル騎士団がいます。彼らとの接触は最早避けられない。…どういうことか理解できますね…?」

そう…言った。

ジェイドの言わんとすること…

それを直ぐに理解する…

ルークは…腰に刺してある剣を…握り締め…

「…わかってる…」

そう言った。


「結構!行きます!」

そう言うと、本部の奥へと急いで移動した。





(…また… 誰かに恨まれるんだな…オレは…)


ルークは…走りながら… そのことを考える………。


誰かと…戦う…

それは即ち…相手を殺してしまうかもしれない…

そして…その家族に…

「ルーク。」

アルは速度を上げてルークの隣に並ぶ。

「え…?」

ルークは走りながら…アルの顔を見た。

「…1人で背負おうとしないでよ…? オレも同じ気持ちだから。」

そう…言った…

ルークが考えている事…

直ぐに…わかった。

だから…アルはそう言う。

1人だったら…耐えられない様なことも…仲間となら乗り越えられる…

そう言いたかったのだ。

「………ああ。ありがとな。……アル。」

ルークは、頷き………先へと進む速度を上げた。



そこから先は…

ミュウが囮を買ってでてくれたり、

ティアの譜歌で眠らせたりしながら、何とか見つからず…

騒ぎにならずに、進む事が出来ていた。








そして、5部屋目を確認する…が…

「ここにも…2人はいないね…」

アルは、部屋内を探すが、2人がいないのを確認して、残念そうに言う。

「アニス… 2人が軟禁されている部屋はわからない…?」

ティアがアニスにそう聞くが…?

アニスは首を振る…

そこまではわからにようだ。

「虱潰しに探すしかないな。」

ガイがそう言うと皆頷き、次の部屋へむかった。




ルークが最後に部屋を出ようとしたその時!!

「ッ!!!」

殺気を感じた!


すぐさま振り返ると!


「でやあああああ!!」

部屋内に潜んでいたオラクル兵が剣を振り下ろしたのだ。




部屋内に潜んでいた際。

人数が多く。

確実に不利だと悟った。

そこで、減るのを待っていたのだ。

そして…ルーク1人になったところを…襲い掛かった…




「貴様ら…何者だあああ!!!」


“キキキキキキキッ………”


鍔競合いが続く…

「ルーク!!」

アルは、ルークの前に部屋を出た為、直ぐに異変に気がついていた。


「うわああああ!!!」



“ガキイィン!!”



ルークは、剣を弾き返すとすぐさま攻撃をする!!




ルーク side


その命のやり取りの際に…

思うのはジェイドに言われた言葉…

この時のことなのだ…

(くそ…なんで…出て来るんだよ…! あとちょっと…出てこなかったら…!!)

誰も…もう傷つけたくは無い…

世界中…幸せにすること…

そうガイに言われた…

無理だ。そう言ったが…

人一人でも…出来るなら…

そう考えていたのだ。

だが…今やっているのは…




side out







迷い…躊躇…

それは時として剣先を鈍らせる。

本来の実力が出ない…

この状況において…それは致命的だ…

「がっ…!!!!」


再び… 鍔競合いになり…

押し切られそうになる!!


「ルークッ!!!」


目の前で……仲間が!!

アルは…すぐさまオラクル兵向かう!


「させないッ!! 」


思いが一点に高まる!!


(もう……誰も失いたくない……と。)



「……ヴァルツァーフレイムッ!!」


掌より、

火炎が渦巻き迸る!



“ボゴオオオオ!!!”



「がっ!!なんだ!!」

突然の熱気。

それが背後に感じ…そして、服が燃え上がる!!


「くそっ!!!」


急いで火を振り払おうとしたその隙を…


「でやああああ!!!!」


ルークは見逃さない…

今度は…躊躇…しなかった。



“ザッシュッッ!!!!”



一閃のもとに…切り裂いた。


オラクル兵は…そのまま、膝がおれ、

倒れる。

そして、先ほど放ったアルの炎に静かに焼かれていった…。





「く……。 あと少し… 出てこないくれたら… くそ…ちくしょおおおお!!!」

ルークは…剣を…たたきつける。

「ルーク… 」

アルは…ルークを見ていた…

本当なら…ルークの反応が普通だ。

アルだって…

好きでやってるのではない…

これは…

サラとの約束を違えているといっても…差し支えない…

人の命を奪っているのだから…

だけど…

「うっ………。」

アルだって、同じ気持ちだ。

……故郷を失ってから、特に……。

「……アル。」

そこに、ガイがきてくれた。

「……ガイ、うん、オレは大丈夫……。ルークを…。」

そう言うと、無言でうなずき、そしてルークの方へ。

「…………早くしないと、戦争がおきてしまう・・・そしてら… 人が大勢死ぬ… 近隣の・・・平和で過ごしていた人たちも…巻き込まれてしまうかも知れない…」

ガイも、戻ってきてそう言いながら…ルークの肩を掴む。

ルークは…胸を押さえて…

静かに頷いていた。

そのルークに…アルは触る。

「オレも………同じ気持ちだ。 ………オレ言ったけど…。 ルークの苦しみ… オレも…一緒に……背負うから……。」

………

「ッ………アル………。」

ルークはアルの言葉を聞いて……。

特に……思った。

自分は……1人じゃない……と。

そして、心が軽くなった…。

そうも感じていた。



-76-
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