小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#75 救出




























「ここで間違いないか!?」

アルは、兵士を押さえつけてそう言う。

「ぐ…がッ… そ…そう…だ。」

兵士はそう言う。

「よっし… 皆!」

皆の方を向く。

皆は頷き。

部屋へと突入する。



“バァンッ!!”



「イオン!!ナタリア!!無事か!!」

突入した時に部屋でいたのは。

間違いなく2人だった。

ルークがまず中へ。

2人は、助けに来てくれたのだと、表情を明るくしていた。

だが、ナタリアは…少し複雑そうな顔をしていた。

「ルーク…ですわよね…」

つい…そう言ってしまったのだ。

そう…

「あ… アッシュじゃなくて… ごめん……」

ルークはそう言って謝った。

自分自身がレプリカだと言う事を…受け入れた以上は…そう言っても仕方ないだろう。


「あ!…別にそう言う意味で言ったわけではありませんわ!」

ナタリアは直ぐに否定した。

自分を助けに来てくれた人に向かって言う事ではないのだ。

「………ごめん。」

ただ…

ルークは再び謝る。

それを見かねたアルは。

「もう!2人とも無事だったんだからさ!もっと嬉しそうな顔をしてよ!…ね?ルークっ!」

アルは少し遅れて中に入るとルークにそう言いながら肩を叩く。

「あ…うん… そうだよな…」

ルークは頷いた。

「ほんとに2人とも無事でよかったよ。」

次に2人の方を向いてほっと肩を撫で下ろした。

その姿を……見たイオンは。

「ッ!!アルッ!」

座っていたソファから立ち上がると……。

すぐさま傍に行く。

「アル!!本当に良かった…です。元気に…なったのですね?」

イオンがアルを確認するとそう言う。

心底……心配していたようだ。

それは、己の心配よりも……といった感じだった。

「あははは……… オレのセリフ…って言いたいけど、お互い様……だよね?それに、イオンらしいしさ…。だから、言うよ。」

アルはイオンに向き直って……。

「ありがとう。イオン。それにナタリアも。心配かけてゴメンね。」

そういった。

「本当に……よかったです。」

イオンの方は終始笑顔だった。

「本当によかったですわ。」

ナタリアも同様のようだ。


「イオン様!無事ですか?」

アニスもイオンに近付く。

「ええ、平気です。皆さん……わざわざ来ていただいてありがとうございます。」

イオンはそう礼を言った。


「2人が無事でよかったですの!僕もいっぱい頑張ったですの!」

ぴょこん!

っと飛び出してきたのはミュウだ。

「ありがとう、ミュウ」

「ありがとう。」

2人はそれぞれ礼を言うと…

「みゅ!みゅ!!みゅぅ〜〜〜///」

嬉しかったのか顔を赤くしていた。




「さっ 細かい話しは後だ、騒ぎがでかくならないうちに早くここから出ようぜ!」




そして、一行は、教団本部から無事脱出した














【ダアト第四石碑の丘】




イオン・ナタリアを奪還した一行は、

丘を走っていた。

「流石に おってはこないようだなッ!」

走りながらガイが振り向きながらそう言う。

「 流石に、公の場でイオンを攫おうとしたらかなり反感を買うんじゃないか?住民からさッ。」

アルがそう言う。

「そうね!公の場での拉致は色々と問題があるから出来ないと思うわ。」

ティアも同感だ。

「でも!この後どうしますか!戦争始まりそうでまじヤバだしぃ〜!」

アニスがそう言うと、

「はっ… マルクトの… はぁ… ピオニー陛下に…はぁ… お力をお借りしてはどうでしょう…?」

イオンがそう言う。

けど…

「みんな!そろそろストップ!イオンが辛そうだ。」

息も絶え絶えのイオンを見ながらそう言う。

「あ…僕なら…だい…じょう…」

いやいや!!

「だめだめ!もう追っ手もいないし、大丈夫だからさ!」

「そうですよぉ!イオン様!アルの言うとおりです!」

アニスも!

「あ…すみません…」

そして、皆丘の石碑の前で立ち止まった。






「先ほどの続きですが…ピオニー陛下… あの方は争いを望んでおられません。それに…セントビナーに崩落の危険が迫っているのなら… 陛下の耳に届いているかもしれません。」

イオンがそう言う。

「そうですわね… 残念ですが お父様モースがついている以上… バチカルへと戻るのは得策では有りません。」

そう…

先ほどのモースとリグレットの話を聞くと、バチカルへと向かったのは間違いないことだ。


「うん… そうだ、マルクトって言えば… ここからだと、船が要るんじゃないかな?」

「そうだぜ。船はどうするんだ?」

ルークとアルがそう言うと…

「それなら、アッシュがタルタロスをダアト港に残してくれてます。」

ジェイドがそう答えた。

「アッシュが……」

ルークは…複雑な思いを消せなかった…

「…ルーク?」

アルはルークの方を見る。

「アッシュのことを考えてるの?」

そう聞く。

「え…?ああ… アイツ… これからどうしようとしてるのかな…って思って…」

表情を落とす…

「放っておけよ。アッシュはアッシュ、お前はお前…だろ?」

そこへガイが…

「ガイ…」


「・・・・・・うん、オレもガイに賛成…かな? 今は出来る事からしよう。ルーク。」

「ほれ、アルもそう言ってるぜ?自分が言った事はしっかりと果たせよルーク!」

ルークの肩を叩く。

「…ああ、そうだな…」

ルークは頷く…

そして、一行は、ダアト港へと向かった。













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