小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#76 ケテンブルク・ルークの変化



























【タルタロス】



タルタロスへと乗り込み…

マルクトへと出航した。

甲板に出ていたのは、ルークとミュウだ。

外を…眺めていたら…

「みゅっ?冷たいですの… ご主人様!なんですの…?」

降り注ぐ白い…もの…

ミュウは見た事がなかったようだ。

「ん?……これは、雪だよ。見た事ないのか?」

そう教えてあげていた。

「初めてですのっ! きれいですのっ!!」

ミュウは飛び上がって喜んでいた。

「ふふ…」

ルークはそんなミュウを見て微笑む…

自分でも…教えてあげられる事があるんだ…

そう感じていたのだ…

その時!!



“ドガアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!”



タルタロスに激震が走った…!!


「おわあああ!!な……っなんだ!!」

ルークは激しく揺れた為、バランスを取りながら叫んだ。

そして、船内へ…








「どうした!何があった!!」

ルークがそう聞くと…

「機関室の一部が、故障したようです。」

ジェイドが、モニターを操作しながらそう答える。

「えええ!!タルタロス 沈んじゃうの!!」

アニスは大慌て!

「………んん。流石にこの寒い中を泳いでいくのは、ちょっと無理があるよね…。」

うう〜〜んと唸っているのはアル。

「みゅみゅっ!!!ぼ…ぼく!泳げないですの!!」

ミュウは…冗談で言ったのに、本気にしちゃった…

「あっ……ごめんごめん。ミュウ。大丈夫だよ、そう簡単に沈まないって、この船、頑丈だからさ。なんたって、魔界にまでおりていったんだから。」

そう言って、頭を撫でてあげた。

「うみゅう…… 」

ミュウは… まだ、心配なのか… 不安そうな顔をしていた。






「状況は…?」

ティアも戻ってきた。

「ん?ああ、ガイが、見てくれてるよ。音機関に詳しいからってさ。」

そう答える。

コレばかりは…流石にわからないから、俺が行っても意味ないし… 苦笑


「ガイ!状況はどうです?」

伝声管越しに、ガイの声が響き渡る。

(応急処置で何とか動くと思うが… 一時的なものだ、出来れば何処かの港で修理したいな。)

何とか動くまで直したらしい…

こんなに大きな船なのに、すごいな… 

「ここから安全な港で一番近いのは… ケテルブルク港です。」

ティアがそう言う。

「じゃあ、そこへ行こう! いいだろ?ジェイド。」

ルークがそう聞くと…

ジェイドは…

少し、思いつめた顔をして…

「………ええ。 そう…ですね。」

そう答えた。

凄く歯切れの悪い…。

(…?どうかしたのかな?)

とりあえず、一瞬思ったけど…

詮索はしないことにした。

ジェイドに…何か聞いても はぐらしそうだし…

本当に何かあったら… ちゃんと教えてくれると思うから…















そして。

船は、何とか難破せずに、ケテルブルク港へと到着した。



【ケテルブルク港】



そこで迎えてくれたのは…

た〜〜くさんの軍隊の皆さんだった… 苦笑

「失礼…旅券と船籍を確認したい。」

内の1人がそう言う…

(ほっ……よかった、問答無用で攻撃されるかと思った…)

ほっとする…

(さすがにそりゃねーだろ… でもま、オレも若干心配だったけどな…)

ガイも同様だったようだ…

そこでジェイドが一歩前へ出た。

「私はマルクト軍第三師団所属ジェイド・カーティス大佐だ。」

そう言った。

流石にマルクト領の兵士たちだ。

名前は直ぐにわかったようだ。

「し…失礼しました! し…しかし、大佐はアクゼリュス崩落で…巻き込まれたと…」

そう聞く。

「 それについては、極秘事項だ。事情説明は直接、知事のオズボーン子爵へ行う。艦内の臨検は自由にしてくれて構わない。」

そう言うと…兵士たちは左右に逸れ、道を開けてくれた。

「了解しました。街までご案内しましょうか?」

申し出るがジェイドは、

「いや、結構だ。私はここの出身だ…地理はわかっている。」

そう答え…街へと向かう…。





その道中。






「囲まれたね……なんだか、大きな木?に……。」

「はうわっ……な〜に〜これぇ……。」



一面銀世界の風景を楽しもう!

って感じだったけど……。

そうもいかなかった。




“”“”“”“グルオォォ……   グルルルルル………”“”“”“”



前後を大きな木?に……。

そしてその傍には、白い狼達にも、

舌なめずりしてるし……。

どうやら、獲物ってことらしい……。


「厳しい気候で生息しているモンスター達ですからねぇ、注意してかかりましょう。痛い目を見てしまいますよ。」

ジェイドが、そう言う。

……確かにそうだろう。

寒波が凄い、生きる為の獲物自身も少ないだろう。

その中で、生存競争に勝ってきた魔物たちだ。

「……みたいだね。よし!」

アルは力をこめる!

そして、


「前衛は任せられる?ガイッ!ルークッ!」

そう叫ぶ。


「ああ!」「任せろ!!」


ガイとルークは問題ない!とばかりにそういった。

でも、

「数も数……だね。あんまり無理はさせられないよ。」


そう……その数が異常だった。



木?のお化けが軽く見て8〜10匹。

そして、白い狼達が10〜12匹。

一面銀世界ならぬ一面怪物世界となったのだ。

モンスターの群れ……。



「ジェイド……普段こんなにいて、町の皆は大丈夫なの?」

ちょっと心配だ……。

「いえ……普段コレほどまでに、現れるケースは極稀です。恐らくは大地の崩落……それもなんらかの影響がモンスター達にあったのかもしれませんね。それに相当に気が立っているようです。」


魔物を見ながらそう言う。

ルークや、ガイたちもしんどそうだ。



「大丈夫ですか?……ヒール!」

「ルークっ!……ヒール!」


ナタリアとティアが、殆ど同時に治癒の譜術をかけ、サポートをしていた。



「全くも〜〜 多いったらっ!ネガティブゲイト!!」


“ギュルオオオッ!!”


アニスも、譜術で攻撃をしていた。




どこをどう見ても、多勢に無勢って言葉がしっくり来そうだ。



「……ジェイド!長引かせたら厄介だから、ここは、合わせてみない!?譜術!」

そう言う。

「合わせる…。なるほど、良いでしょう!それは中々に楽しめそうです!」


ジェイドは、ニヤッと笑いそして、ほぼ同時に詠唱の構えに入る!





「来れ深紅の爆炎………」「来れ永久の深淵………」




ジェイド、アルを中心に炎と闇が渦巻く!



“グルッ!!”



モンスターたちはそれに気が付いたのか、一斉に止めにいこうとするが!




「させるかよ!」

ルークが構えた!

「紅蓮襲撃ッ!!」



“ドゴオオオッ!!”



その炎を纏った力は、モンスターたちをひるませる。

どの属性が弱点なのか……

そういった事も、考えながら戦っているようだ。

……成長してる。 嬉



「へっ…… オレも負けてらんねえなっ!」

ガイも、すぐさま構え、剣に炎を纏わせる!



「燃え尽きろ!魔王炎撃破!」


“ドゴオオオッ!!”


ガイもルーク同様に炎をもって攻撃する!





「闇より舞い降りし、深紅の焔……」

「……ここに舞い降りて全てを灰燼とかせよ!」



2人の譜術が重なり合う!


「2人ともっ そこを離れて!」



そして、アルが声を出すと殆ど同時に、

すでに、その場から飛びのいていたようだ。




「言われなくともっと、」

「あんなのに、巻き込まれちゃ、かなわねえって!」




そういいながら…… 苦笑。




「っよし!行くよ?ジェイド!」

「ええ!」




「「テネブラリス・エクスプロージョン!」」




“ボゴオオオオオオオオオオオオオッ!!!”




闇を纏った極大の焔。

それらが……。




“ギャオオオオオッ!!”

“ギャアアアアッ!!”




次々とモンスターたちを蹂躙していった。



少しばかり残ったモンスターたちは、それを見て、一気に戦意喪失し。

統率も取れぬまま、逃げ出した。








>アル  「ふぅ……何とかなった〜。」

>ジェイド「寒いところにちょうど良い火加減です。」

>ガイ  「おいおい……。」

>ルーク 「頼むから、雪山ではあれしないでくれよ?」

>ナタリア「さすが……としか言葉がでませんわ。」

>ティア 「はぁ……そうね。」

>アニス 「ほわぁ……でも熱すぎだよぉ……」




勝利の掛け声!!じゃないね……

普段(原作)と違って、皆でバトルだし……。

人数が多いなぁ……魔物もだけど 苦笑

とりあえず!

そして、一向はケテンブルクを目指した。









【ケテルブルク】



あの大規模な戦闘以外で特に問題は無く、たどり着いた。


「ジェイドはここ出身だったのか?」

ルークがそう聞く。

「ええ、以前はここに住んでいました。」

なるほど…

先ほどの表情はそれに関係してるんだ…

「なんですか?アル?」

ジェイドが何か感ずいたのか、そう聞いていた。

「いや、なんでもないさ。」

アルはそう言った。

「しかし、大佐とアル、あの譜術は一体何処で打ち合わせの様なものをしていたのですか?」

ティアがそう聞いた。

「え…?そんなのしてないよ?」

アルはそう答える。

「え?」

ティアは少し驚き気味だ。

「私の譜術とアルの譜術を同時に重ね掛けしただけですよ。さほど難しいことではありません。」

ジェイドはそう言うけど……。


「「「「…………………。」」」」」


皆ちょっと引いている。

「わっ……みっ皆ひかないでっ?できるって、ほらっ!ルークともしたし!それに、重ねがけしたら、威力も倍以上あがると思うし。それが苦手!っていうモンスターだったら倍じゃきかないかもしれないでしょ? やってみて損じゃないと思うんだ。それが証拠にあのモンスター達には覿面だったよ!」

慌ててそう言う。

ジェイドは笑ってるけどこういう空気は苦手なんだっ!

「そうですね。あの魔物達は火が苦手そうでしたから。」

イオンだけはそう言ってくれて……。

「なんだか、嬉しいよ……イオンだけ……。」

アルは、哀愁を漂わせながらしみじみと……。

「わ…私もそんな引いてなんか無いわよ?凄いって思っただけで……。」

ティアもそう言ってくれて……。

「撤回……ティアっ!ありがとう!!」

更に嬉しくなる。



“ガバッ!”



思わず……手を握っちゃった……。

「あっ………///」

ティアはちょっと……赤く……。

「わっ……っとと、ゴメンね。つい……//」

アルも離れた……。

「はっはっはっは〜 よかったですね?アル。」

ジェイドは他人事のようだ。

「ティア〜〜?顔赤いよ〜?にししーー!」

アニスが……茶化す。

「も……もう!!」

ティアが……更に赤くなってた。

もちろん……アルも……。



















そして……。

再び歩き出す……。

しっかし、雪が降り積もった一面銀世界だなぁ…

気温もかなり低いし…。


「イオン様寒くないですか?先にホテルに入っておいたほうが良いんじゃないですか?」

アニスがイオンを心配してそう言う。

「僕なら大丈夫です。それに、知事にも挨拶しておきたいですから。」

イオンは笑顔でそう答える。

「そうですか…」

アニスはまだ、心配って感じだ…

一言言おうかな…って思ったとき。


「無理するなよ?イオン」

「え…?」

意外な人物からだ…

「お前…体が丈夫じゃないんだからさ。」

「おっ・・・・・・」

つい…声が出ちゃった… 苦笑

「ありがとう… ルーク、心配してくださって…」

イオンがそう言うと…

「あ…いや…」

照れていた…

「あはははっ…………。」

そんなルークを笑顔で見る…

「んだよ!アル。」

ルークはばつが悪そうにそう言う。

「なんでもないよ?唯、セリフとられちゃったな〜ってさ!」

笑顔を崩さず…そう言った。

「アルもありがとうございます。」

そんなアルを見て、イオンはアルにも礼を言っていた。

「いやいや、先に言ったのはルークだしさ。」

アルは苦笑いしていた。

「な〜に〜?アルはわかるにしても、ルーク?髪を切って優しくなったの〜?」

アニスは胡散臭そうに見てる…

「そういえば随分雰囲気が変わりましたわね…」

ナタリアがそう答える。

その顔は笑顔だ。

「そ…………そうか?」

ルークはそう聞いていた。

「貴方なりに、色々思うところがあったのかもしれませんね。まっ今更と言う気もしますが…」

ジェイドは…相変わらず… 苦笑

「ううん…」

ルークは…ちょ〜っと複雑な表情をしていた。

「人の性格なんて一朝一夕には変わらないもんね〜」

アニスは…やっぱり胡散臭そうに…

「ま…まーまー そんなに言わないでさ。」

以前とは逆のようだな…

アルがなだめようとしてるのは、ルークでなく、アニスたちだ… 苦笑

「アニス、ジェイド。僕はあなた達の言葉に素直に頷けません。」

そんな中、イオンがそう言う。

「う…?」

「ルークは元々優しかった… 唯それを表に出す方方をよく知らなかったんです。」

イオンはキッパリとそう言った。

「ん… オレもそう思う…かな? それに、イオンが言ってるんだから、間違いないね?」

アルも頷く。

「い…いーよ!2人ともそういわれても・・・当然なんだからさ、」

謙虚になった…ねぇ…

成長したなぁ… うんうん… 苦笑

書いてて苦じゃないよ… ルーク… 嬉

とまあ、その言葉に、

「本当に以前とは変わったようですね。」

ナタリアがさらにそう言う。

「と…とにかく早く!知事のところへ行こう!!」

ルークは…まあ、我慢できなくなったのか、そそくさと速度を上げた。

「はは…そうだね。 外は寒いし、じっとしてたら、イオンだけじゃなくて、オレも風邪引きそうだ。」

そんなルークを見ながら言った。

暫く歩いていて…


「こちらです。」

ジェイドがそう言った場所には。

「はうわ〜〜… すっごいお屋敷…」

アニスが言うように…

かなりでかい屋敷があった…

「ここの人と結婚した〜〜い!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ははは・・・・・ 何でもストレートだね… さすがアニス…」

苦笑い…

「はっはっは〜 そうですね〜 独身ですよ。ここのひとは、歳は30を越えてますが。」

ジェイドはジェイドでのってるし…

「ええ!それじゃ、ここは大佐ですか?? なら大佐でもい〜〜な〜〜〜!」

アニスはジェイドにラブコール…

「そうだとしても… お断りします♪」

さらっと…

「ええーー ひっど〜〜い!」

・・・・・・・

やれやれ…

「でも、ここの人ならいけるんじゃないでしょうか。女性なら誰でもいい人ですから。」

なんだ…それ?

「え?誰ですか?」

アニスはそう聞く。

「ジェイドの古馴染みの人…とか?」

アルも興味があったのか、そう聞いてみる。

「ええ、的を得ていますね。ピオニー陛下ですよ。」

そう答えた…って!

「「「「え!」」」」

皆驚いていた。

だって…陛下なら…普通首都出身じゃ…?

でも、アニスは…

「きゃっほ〜〜い!玉の輿〜〜〜♪」

飛び回って喜んでいた…

もういけるって決まったのかな…?

アニスのなかじゃ…


「でも、皇帝は首都のグランコクマの生まれじゃないのか?」

ルークがそう聞く。

「確か…王位継承の争いで…子供のときこの場所に追いやられたんじゃなかったか?」

ガイが説明をしてくれた。

「子供のとき… やっぱり、そう言うのってあるんだね… 大変そうだ。王位っていうのも…」

話では色々聞いたことあるけど・・・

そう言う話しに奇麗事なんて殆どない。

きな臭い争いの話が圧倒的に多かった…

「ええ…そうです。ここはその時、陛下が軟禁されていた場所ですよ。」

ジェイドがそう言う…

「そして、前皇帝は戦時中の政で…敵も多くて その息子であるピオニー陛下も命を狙われていたんですよ。それで、息子の安全を守るため…已む無く。と言う事だったんでしょう。」

そう言う…

「それは・・・・・・・・」

アルは想像通りだが…

重い話で少し表情を落とす。

だが…ジェイドは笑いながら。

「まあ、最も…当時のピオニー陛下は勝手に部屋から抜け出して、街の子供たちと遊びまわっていましたが。」

「へ?」

「そーなのか?」

あれ…?命…って話しだったんじゃ?


「はは… 無茶しやがる…」

「とても、活発な方だったんですね…」

「あの方らしいですね…」

それぞれがそう言う…

王位の件は…傍から見れば、大変だったんだ…って思ったけど…

ジェイドの話を聞き、陛下自信は元気だったんだ…っと

………ほっとしていた。



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