小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#77 ジェイドの妹・ネフリー



























【知事邸】



書類に目を通している知事ネフリー。

そんな時


“コン コン…”


ドアをノックする音が聞えた。

今日…面会をする予定は入れてなかったはずだが…

(先ほどの軍の方からそういえば通達があったわね…)

「どうぞ。」

そう答える。

すると入ってきたのは…


驚きの人物だった。




「お…お兄さん!」


ネフリーは思わず立ち上がっていた。

「お兄さん?え!知事って…ジェイドの妹?」

ルークだけじゃなく…

当然他の皆もびっくりだ。

最初から言ってくれてたら良いのに… 


「やあ、ネフリー久しぶりですね。貴方の結婚式 以来ですか?」

そう言いながら近付くが…

まだ、知事… ネフリーは驚いていた。

なぜなら…

「どういうこと… だって… お兄さんはアクゼリュスで死んだ……って。」

そう、港で言っていた軍人同様…

ネフリーにもそう情報が届いていたのだ。

「…そのことで、話があります。」

そして…

ジェイドはコレまでの経緯を説明した…。

















それを聞いたネフリーは…

「何だか、途方もない話だけど…無事で何よりだわ。タルタロスの修理と補給は急がせるから、なるべく早くピオニー陛下にお会いしてね。」

そう言ってはいたが、信じてくれたようだ。

「おや?私は死んだと言われていたのでは…?」

ジェイドはそう聞くと…

「ピオニー様だけよ。お兄様が生きていると信じておられたのは…」

「……………。」

ジェイドも流石に思うところがあったのかもしれないな。普段は絶対見せないような顔してる! 苦笑

「さっすが〜 ピオニー陛下の親友って言われるだけ合って 信頼されてるんですね?大佐!」

アニスは笑いながらそう言う。

「んー…。 でもさ、親友だったら、ジェイドが死ぬ…なんて想像できなかったんじゃないかなぁ… だって、ジェイドの事良く知ってる人なんだし?」

アルはそう言う。

「ははっ!そうだな。ネクロマンサージェイドがそう簡単に死ぬはずないって思われてたのかもしれないな。 なぁ?」

ガイも同様のようだ。

すると………


「ガイ、アル?余計な口は塞ぎますよ?」

にこやか〜〜に…

「じょ〜〜だん!!」「そそ!じょうだんだって!!」

2人はそうあわてて言った… 苦笑



「ははは… とりあえず、今夜はこちらにお泊りください。ホテルの方は手配します。」

ネフリーがそう言ってくれた。

「助かります。ネフリー。」

ジェイドが礼を言う。

「ホテルでゆっくりしましょうね?イオン様!」

「そうですね。」

「ここには温泉があるんですよ〜」

「まあ、素敵ですわね。」

「火照った体に、外の冷気が気持ちよさそうだ…」

それぞれがそう言いながら…

部屋を後にする。

ルークも出て行こうとしたが。

「ルーク様!」

ネフリーが止めた。

「え?はい。」

振り向くと・・・

「すみませんが、お話がありますので… 後ほどお1人でいらしてくれませんか?」

そう言った…

「あ… はい、わかりました。」

何かと不思議に思ったが…

とりあえず、皆の方へ…

















ホテルで、ジェイドが手続きを…

「バルフォア博士に当ホテルをご利用いただけるとは光栄です。譜号のメイス博士と譜術のバルフォア博士…お2人は我がケテルブルクが生み出した、自慢の天才ですから。」

ホテルの支配人がそう言って迎え入れてくれた。


「この街の2人の天才… バルフォア博士とメイス博士と言うのは…」

ティアがそう聞く。

「バルフォア…って言うのは、きっとジェイドのことだよね?性は違うみたいだけど、彼はジェイドの方を見て言ってたから。」

「ええ、そうです。私はカーティス家に養子に出されましたから、性が違うのですよ。」

答えてくれた。

「では… メイス博士と言うのは?」

ナタリアがそう聞くと…


「ディストですよ。」

イオンがそう答えてくれた。

「へ…へぇ… ディスト…あの…」

アルは船での事を思い出しながら苦笑いを…

「はっはっはっは〜 そうですよ。あの馬鹿のことです。本名はサフィール・ワイヨン・メイスといいます。」

ジェイドはアルが何を考えているかわかった上で…

笑ってたみたいだ・・・

「?では、ワイヨン響窟というのは?」

「さしずめ…あの馬鹿がつけた名前でしょう。まったく、身の程を知らない、自己顕示欲の塊ですね。あれと、並び賞されるのは…本当に不愉快なのですがね。」

いやいやいや……。

「ならなんで さっき笑って言ってたのさ…?」

「いえ、アルがあのときのことを思い出していると思ったら… 思わず、思い出し笑いしちゃいまして…♪」

さいですか… 苦笑


「あの時っていや… アイツ、ジェイドのことをかつての友って言ってたよな?」

ガイも思い出したようだ。

「うん、言ってたね。鼻たれ〜っと陰険〜っと言い合いながら…」

「アル〜?」

「や!な〜んでも!」

・・・・・・・・・・・・・・・

「まあ、友となった覚えはありませんが。子供のころ同じ私塾へ通っていました。ネフリーや勝手にもぐりこんできたピオニー陛下も一緒でしたね。」

ジェイドは何やら思い出しながら…そう言っていた。

「まあ…今や天才と言われる博士や、ケテルブルク知事や、皇帝陛下が集まっていたなんて その私塾にはきっと立派な先生がいらっしゃったのですね。」

ナタリアがそう言うと…

ジェイドは…珈琲を…ゆっくりと飲みながら…

「・・・・・・良い先生でしたよ… ネビルム先生は…」

そうポツリと呟いていた。




「ん〜〜 それにしても ディストが…?」

アニスはまだ納得が…

あの死神が天才??

馬鹿な…って感じだろう。

その時。

「アニス?あなたのトクナガをあなたの音素振動数に反応して、巨大化するようにしてくれたのはディストじゃないですか。」

イオンがそう言う・・・

「え?そうなの?」「そのトクナガ…彼が?」

アルとティアが同時に聞いていた。

「な〜に、息合っちゃって〜!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「い…いや!そんな…」「そ…//そうよ!」

2人はちょっと…きょどっていた…

だって…ずっとシリアスな展開だったし…

意識したわけじゃないから…

「ふふふ。」

イオンも笑ってるし…

「い…イオン!ほんとなの?それ ディストがしたって。ならすごいことだよねッ!!?」

強引かな?

話しの軌道修正を… 苦笑

「ふふ…そうですよ。ディストはあれで寂しがりなんです。食堂の片隅で一人ぼっちで食事をしていたのをアニスが不憫に思って声を掛けてあげたのですよね?」

「へ…へぇ〜!そうなんだ… アニスも優しいじゃん?」

アルがここだ!っと言わんばかりにさらに話す。

「う…うん。まぁ そうなんだけど… それで、トクナガを改造してくれて… 悪い奴じゃないんだけど、良い奴でもないんだよね〜 二言目には大佐の話しかしないし。」

ん・・・・・・・・それは・・・・・・・・・・・・・

「虫唾が走りますね…」

ジェイドはそう言うけど…


「な…なぁ、ルーク、ガイ…この街の天才って…」

「あ・・・ああ、俺も思った。」

「どっちもあれだよなぁ…」

ヒソヒソ話のつもりだけど…


「ん?3人ともトクナガのように改造してあげましょうか?拙い技術ではありますが、私もそれくらいならば出来ますよ?」

!!!!!


「「「謹んで遠慮させていただきます♪」」」

速攻で拒否だ… 苦笑


そんな感じで… 今夜は皆休む事にした…

最後は怖かったけど… 苦笑







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