小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#80 水上の首都 グランコクマへ



























(顔が熱い…これ…って絶対酔っているせいだけじゃ…ない……わよね。)


ティアは、アルと別れてから部屋でそう考えていた。

(初めて…彼と会ったのは…あの森で…そのときから 時々見てて……その時はも……ちょっと気になってて……今じゃ……これってやっぱり…)

そう考えながら胸に手を当てる…。

鼓動が…早いのが良く分かる。

考えれば考えるほどに……。


「私…やっぱり…」


公園のベンチであんな大胆なこともしたんだ…。

意識のない相手に…なんて、少し卑怯な気がするけれど…

それでも私…


「私は……アルのこと…好k「む〜〜……どこいってたの〜〜?ティア〜?」ッッッ!!」


突然後ろから声が聞こえた!

そういえば…相部屋だったんだった…個室じゃなく。

声の相手は…


「あっ、あっ、アニス!!!」

そう アニスだった。


「どしったの〜?すっごい慌てちゃって?……って顔赤ッ!」


アニスは、ティアの顔を見ると凄く赤いのに気がついた。

そして…驚きの顔からみるみるうちに…。


「はは〜〜ん…ティアってば…こ〜んな夜遅くに…」


ニヤニヤ…っとにやけ顔に変わっていた。

「ちょちょっ!ちょっと!変なこと言わないで!!」

ティアは慌ててそういうが…

「あ〜れ〜 あたしまだ何にも言ってないけどぉ〜〜?」

…アニスのペースだ…

正直に話したほうが…言いと咄嗟に判断!





もちろん…事実の一部を除いてだが…






慌ててティアは何で赤いか…何処に言っていたのかを説明した。

所々アニスに茶々を入れられてはいたが…

飲酒の理由を話すと、表情が少し硬くなる。

それは仕方のないことだろう。


「…そっか、それで ティアは、アルに付き合ってあげたんだね?」

アニスがそういう。

「…ええ、あの時 彼が出ていくのが見えたから少し気になってね。」

「へ〜 気になったんだ♪」

少し笑いながらそういう。

「もう!へんな言い方しないで!」

マタマタ… 苦笑

「あはは! でもさ!あたしもアルの悲しそうな顔なんて、もう見たくないし!ティアに感謝だね〜 元気でたんでしょ?アル!」

アニスもアルのことは心配していた節があるようだ。

…彼女も大佐同様に付き合いは長い方だから…

「どう…かしらね?アルはすぐに酔って寝ちゃったから………。」

ティアは顔に手を当ててそういう…

「あっちゃぁ〜……アルってば…弱いんだねぇ…」

アニスも苦笑…

なにやら言い方が…知ってるいいかただね?

酒を…?


「それで!その後何にもなかったの〜 ほんとに〜??」


ニヤニヤ…


ま…また??? 苦笑


「もう!何もないわよ!それより 早く寝ましょ!ナタリアがおきてしまうかもしれないから!」

そういって、奥の方へ…素早く退避してゆく…










「ははは… あれで隠せてるつもりなのかなぁ…?ティアってば…」

ティアは…

隠し事みたいなのが下手だ。

ミュウが…可愛いもの好きなのを隠そうとしてたことや、怖がりなこと…。

でもまっ!

「それを見てるのも楽しみのうちのひとつなんだよね♪それはアルだって例外じゃないし。」

あはは〜っと笑う。そして、少し表情を和らげ……。

「アルにだって、ティアにだって助けられてるんだから、2人には幸せになってほしいかな?……でも」

和らげた後はなぜか暗くなる。

「私がこんな事……思ってもいいのかな……。だって私……。」

アニスは……表情を暗く……していた。

だが、直ぐに元に戻し。

「そんなのは今は考えない!それに私は玉の輿を狙うんだから! 頑張んなきゃ!」

ぐっ…っと力を…


アニスも何かを隠している事があるようだ。

それは巧妙で……誰にも知られていない事。

それが一体何なのかは、アニスにしかわからなかった。









そんなこんなで…

それぞれの思いを胸に…





一夜を過ごした…















そして、翌日。





タルタロスの整備については、

ネフリーの手配で、滞りなく行われており…

一夜明けた頃にはもうすでに終わっていた。


一向は首都グランコクマに向けて出発。

ネフリーや街の皆にに見送られながら…

それを甲板で見ていたのはルークとアル。

そして、甲板で手を振っているのはルーク…

アルも…そうしたかったのはやまやま…………だが、

「…うう…アタマガイタイ…」

頭を抑えていた…

「おいおい… アル、無理すんなよ。辛いなら中に入っていろよ。」

ルークが苦笑いしながらそういう…。

「ううぅ… ありがと…ね……。 でも、中より 外の方が…いんだ… 風に当たった方が良いって……。ジェイド…が…」

ほんとに苦しそうだ…

「そうか、っほら しっかりしろ。」

ルークがそういいながらアル背中を摩る、

「ううぅ…………アリガト………。」

アルは…手すりにもたれかかる…

「はっはっはっ!!こりゃ 中々見れない光景だな。」

ガイが…笑いながらやってきた。

「ルークぼっちゃんが、誰かの介抱とはな♪」

ニヤニヤ…

「なっ!そんなんじゃねーって!」

ルーク…なにやら照れてるし… 苦笑

「ううぅ… ルークぅ………、ほんとにアタマイタイから大声出さないで………。」

アルは、この通り…

「あっ!わりい!!」

ルークは合掌……。


(ほんとに変わったな…ルーク。)


そんな2人を微笑ましそうにガイは暫く眺めていたのだった。















暫く運航して…

水に囲まれた海上の街が見えてきた。

「…へぇ…あれがグランコクマか………。」

ルークは窓から眺めながらそういう…

「グランコクマは譜術で制御された水路で囲まれているんですよ。」

イオンがそう説明をしてくる。

「わあ、綺麗なところだね………」

アルも…興味津々って感じだ。

「もう大丈夫か?アル?」

ルークはそんなアルにそういう。

アルは頭をかきながら、

「あはは… ごめんごめん… 譜術をかけてもらったから大丈夫だよ。ありがとう。それに皆も。」

かけてくれたのは、ティアとナタリアだ。

ってか、自分でかければよかったのでは?っと思うのだが…

あのコンディションじゃ不可能だろうね…

「お安い御用ですわ。…それにティアにもかけて差し上げたのですよ?」

少し笑ってるし…

「ナタリア…言わないでって言ったのに…」

ティアは少し顔を赤くする…

どうやら 2人とも二日酔い気味だったようだ…気味って言うかもろか…

「まあ、未成年だと言うのに飲酒をした罰が当たったのですわね?」

ナタリアはそういってティアに笑う。

事情は十分説明した。

そして理解も。


だから、心配かけぬよう。笑顔でそういったのだ。


まあ…心配はしないようだが…苦笑いはちょっととまらないみたいだった… 苦笑






そんなこんなしてるうちに…

グランコクマには大分近づいたようだ。

「…水路が良く見える。ほんとに囲まれてるね?」

アルは見ながらそういう。

「見た目は優美な街ですが…マルクト帝国の首都ですからね。戦時中は堅牢な要塞と化すんですよ。」

ジェイドが簡単に説明を…

「なるほど… でもそうならさ、どうやって入るの?戦時中ってわけじゃないけど、ケテンブルクでもあんなんだったのにさ。」

アルの言うことも最も…

囲まれちゃったからね…

「そうだな…港は封鎖されちまってるみたいだし。」

ガイも気がついてそういう。

「よく気がつきましたね?2人とも、その通りです。」

へ?

「え〜?まだキムラスカと開戦はしてませんよ?」

アニスがそういう…

「…それほどの緊張状態ってことじゃないかしら…」

ティアの言うとおりだろう…

アクゼリュスの件やモースの件もあるんのだから。

「どーする?このまま進むのか?」

ガイがそう言う。

「この戦艦(ふね)は元々マルクトのなんだし…まさか 攻撃されるってことは…」

ないよね…?って言おうとした時…

「いいえ。このままでは攻撃されてしまいますよ♪」

っとあっけらかん〜〜♪

「ええ!!」

ルークは驚きながら…

しかたないか…

「なぜなら、タルタロスは何者かに拿捕されて行方不明ということになっていますから。ですから、どこかに接岸して陸から行きましょう。」

「………はぁぁ、 もう驚かしっこなしだよ…」

アルもため息を…

まあ、ジェイドだから…っとあきらめよう… 涙

ってことで、陸路から首都へ向かうことになった。














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