小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#81 向けられた殺意と刃


























グランコクマ入り口にて…


そこには勿論門兵はいる。

だが、彼らはすぐに驚愕の表情となった。

何故なら…


「なっ!あ…貴方はカーティス大佐!アクゼリュスで亡くなったはずでは!?」


まあ、所謂ケテンブルクとおんなじ状況。

所謂、ゾンビだ〜!!って感じなのだろう…


「私の身の証はケテルブルクのオズボーン子爵が保障してくれる。皇帝陛下への謁見を希望したい。」

ジェイドはそういうと。

「大佐お1人でしたら お通しできますが…」

どうやら、一向全員は無理のようだ。

とーぜんアニスは…

「ええ〜〜!こちらはローレライ教団の導師イオンであらせられますよ!」

猛抗議の体勢だ!!

そういえば…前にもこんなことがあったような…。

「現在、グランコクマは厳戒態勢中で許可のないものは誰もお通しできません。」

勿論…あっさりと玉砕♪

これも、まあ以前と同じだ…

「ぶ〜〜…」

アニス…

「まーまー 抑えてよアニス。無理やりいくわけにもいかないんだからさ。」

アニスを宥める様にそういうと…

「そうですね。僕達はここで待ってたほうが良さそうです。」

イオンも同意してくれた。

まあ、イオンなら当然だと思う。

それにこれなら、アニスは納得するでしょう?

何せイオンの言葉だし… 苦笑


「陛下に謁見して、すぐに許可をいただいてきますよ。」


ジェイドは問題ないことを伝える。

「頼むなジェイド。」

「よろしく!」

アルとルークがそういう。


そういうとジェイドは頷き…。

門の奥へと入っていった。





















暫く待っていた間。

ルークは…難しい表情を…

「ルーク?どうした。」

ガイがいち早くルークの表情に気がつき話しかける。

「…キムラスカとマルクト…やばいところまで来てたんだな…って、オレが…アクゼリュスを崩壊させたから…」

また…同じ様なことを……!って!!



「もう!何回言わせるのさ!ルークッ!!」



背後から声が!

そして、



“バシンッ!!”



背中に衝撃が!!!ッて言うほど強くないと思うが… 苦笑

「どわあああ!!」

でもまあ、当然びっくりはするだろう♪ 

「ははっ!アルの言うとおりだ。出来ることからする…だったろ?」

ガイも同様だった。

言いたいことを言ってくれたって感じだね。

「アル…ガイ… はは そうだよな!」

笑顔なってそういった。


「よっし!おっけー!」

アルはルークの顔を見てぐっと親指を立てた。

そして、ルークも…

ガイはそんな2人を見ていた時!


…2人の背後に…何かが見えた!


「ッ!!!」


咄嗟に2人の肩を掴み後ろへと引っ張る!


「うわっ!」「わあっ!!」


“ズバアアアアア!!”



ガイの行動が功を成した。

2人がいたところの樹木がばっさりと、縦に割れていたのだ。


そこから出てきたのは。



【六神将 黒獅子 ラルゴ】



「ッ!お前は!」

ルークもすぐにそちらを向く。

そして、攻撃が早かったのは…



“ビュン!!!”




矢が飛んでくる!

ナタリアだ。


その矢をラルゴは難なく掴み取る。


「ふん!お姫様にしては良い反応だな…」

そういって矢を放り捨てる。

「お前は、黒獅子ラルゴ!」

次の矢を構えながらナタリアは標的に狙いを定める。

「どうして此処に!」

アルも…すぐに構える。

「一体何が目的だ!」

ルークも同様だ。


「ふん!前ばかり気にしていては怪我するぞ?坊主。」


ラルゴが不敵な笑みを浮かべる。

その瞬間!


「あっ…」

ガイの…右腕が紋章を浮かびあげながら怪しく光った。

その光は、ガイの瞳光を…

奪い去る光景を映し出す…

彼の過去の出来事だ…

そして…

ガイの瞳から光が消えた瞬間!


「なっ!ガイ!!」


ルークに切りかかったのだ!


「どうしたんだよ!ガイ!!」

アルは、背後に回り、羽交い絞めにして抑える!

…が…


「オレを忘れては困るぞ!」


ラルゴが、追撃を入れてきた!



“ズガァン!!!!”



斧を振り下ろす。

咄嗟に…ガイを突き放し、2人とも直撃を避けたのだが…


「………………………………」


ガイは他に目もくれずルークに襲い掛かった。


「ちょっとちょっと!!どうしちゃったの!?」

アニスも驚きを隠せない。

「いません!カースロットで、操られています!どこかに…シンクがいるはず!」

イオンがそう叫ぶ!

操られている…?

操って…仲間同士を戦わせるなんて…

「ッつ!!くそ……ッ!卑怯じゃないか!お前ら!!」


“ドガッ!!!”


ラルゴに蹴激を入れる!


ラルゴの体は巨体だ。

その程度であまりダメージを与えれないが、距離はとることは出来た。

「ふん。カースロットの効力の本当の意味を知れば、そうはおもわんだろうさ。」

まだ、笑みを崩さない…


「このっ!!」


“ビッ!!!”


ナタリアも追撃を入れる!


「ふんッ!!!」


“ガキィンッ!!”



その矢を斧で弾き返す!


「はははは!やってくれるな?姫。」


「…煌け…一陣の光!フラッシュディア!」


“ズッガアアアア!!”


ナタリアの攻撃のおかげで出来た隙に、譜術を叩き込む!


「ぐっ!くっ……かァッ!!」


斧を振り上げ!


“ズガアアア!!!”


地面に叩き込む!!




その岩盤が…


「なッ!!」


一斉にアルめがけて飛んでくる。


「業覇爆砕!」

ラルゴの更なる追撃!



“ズガアアア!!!”



「アル!!」

ティアが、駆けつける!


「大丈夫…直撃はしてないよ。でも…やっぱ強いな…」


ラルゴを睨みながらそういう…


「ふ…貴様も大したものだ。死霊使い(ネクロマンサー)がいない状態なら容易いと思ったが、ここまでとはな。」

斧を担ぎそういう。

その時!



“ガキィィィィ!!!”




ガイが、ルークの剣を弾いた!

「クッ!!!」


そして、ルークは倒れてしまう。

「ご主人様!!」

ミュウがいこうとするが・

「駄目です!!」

イオンがとめる!



「くそっ!」


ガイを攻撃するのは本意じゃないが…仕方ない!!

アルが、譜術を使おうとしたとき!




“ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!”



突然!辺りがゆれ始める!

これは・・・!!



「ひゃ!!また、地震!!」


アニスが、バランスを取りながらいう。



「「ッ!」」



アルは…その時見た。

ティアも見たようだ。


木の上が光るのを。



「そこだッ!!」


アルは指先を木にむける!


「ノクターナルライト!!」

「ライトニング!!」

ティアのナイフとアルの雷撃が同時に飛ぶ!

それが合わさり……!!



「「ライトニング・スパートッ!!」」




バリリリリ!!!!


雷光を纏ったナイフが一閃…

木に命中した!



「がっ…!」


確かにうめき声が聞こえた。


そして、木から落ちてきたのは…


シンクだった。


それと同時にガイも…


「あ……………。」


気を失った。

「ガイ!」

ルークはガイを受け止める。





「ち…地震で気配を隠しきれなかった…か…」

シンクは腕を押さえながらそういう。

どうやら、腕に命中したようだ。


「イオンを狙ってきたのか?」

アルはシンク、そしてラルゴに改めてそういう。

ガイが、止まった為、少し余裕が出来たのだ。

「それとも!モース?それともやっぱり主席総長??」



その返答は、

「どちらでも同じことだ、我々は導師を欲している。」

目的は…イオン。それは間違いなかった。

「ち…アクゼリュスで消滅したと思ったが、大した生命力だな。」

!!!!

その言葉で……。

アルの表情が一変した。



「…………おい。……オレの前でそう言う事は言わない方が良い……。その方が身のためだぞ…」




アルはシンクを睨みつける…

殺気を放ちながら…



「………ふん!その怒りは我々に向けるのは間違いだな。」

かなりの殺気のはずだが…

それを受け流すのは流石であろう。

ラルゴはそう言うと……。

「そうさ…履き違えるなよ。消滅させたのはそこのレプリカだ。」

シンクも同様にそういった。

ルークは…何もいえないが、

アルは。



「…………その原因を作ったのはお前たちだ。…人は憎まずと言っても… オレは…許せない…!」




【関係無い】と言わんばかりだ。

そして………両の腕に…力を集約させる。




“ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………。”



あたりの空間が……そして【あの時】の様な鳴動が……鳴り響く!



「………ふん!そうか……これが総長が言っていた力…か?面白いッ!見せてみろ!」

ラルゴは受けて立つと言った感じだ。

そして、アルは更に力を集束させようとしたその時!!


「アルっ!?駄目ッ!!」



“ぎゅ…………!”


ティアが腕を抑えた!




ティアはあの時の…あの時のことを思い出していた。

そう……あの…力を使って、アルは深く傷ついた。

あれは…あの力は…身を滅ぼしかねない力だと悟った。




そう……むやみに使ってはいけない…。

何より……あの時のように、アルに傷ついてほしくない…!

その思いが彼女を突き動かす。



「ッ!?………ティ……ア?」



アルは、

ティアにつかまれ…怒りでどうにかなりそうだった頭が元に戻る……。

そのおかげで、技をとめられた。





そんな一触即発のとき。










「何事ですか!」









ジェイドが、マルクト兵と共に出てきた!



「ちっ…」


ラルゴはそれを確認すると…

忌々しそうに舌打ちをする。

「次に持ち越しだね… ラルゴ。引くよ。」

そういうと…

近くにある石を…掴む!


そして!


“ヒュ!!!”


アルめがけ投げる!

「危ない!」


“ガキィン!!!”



ティアが、防いでくれた。

まだ… 不安定だったためか、アルは動きが悪かったからだ。


そして、続いて…

「やむ終えまい…むん!!!」


ラルゴも斧を振り下ろす!


“ズゴオオオオオオオ!!!”


そして、あたり一面砂埃に包まれ…


六神将は姿を消していた…









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