小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

#84 ルークの謝罪とガイの真実



































そして、翌日……。

イオンは、約2日かけて……。

「終わりました…… もう大丈夫です。」

解呪出来たようだ。

そう言い……ガイの腕を放した。

ガイの腕を見ると右腕に刻まれた紋章の様なものは綺麗になくなっていた。

ガイもそれを確認する……。

そして。




「ガイッ!ごめんっ!!」




ルークが前に出て……。

頭を下げる。

「ルーク………。」

ガイは……ルークのほうを見る。

イオンから……カースロットの効能については聞いていたようだ。

だから……ルークが頭を下げた理由は直ぐにわかった。

「オレ……お前に嫌な思いさせてたんだろ……だから……。」

ルークは……声を絞り出すようにそう言う。

そんなルークを見て…。

「はっはっはっ 何だそれ?ルークお前のせいじゃないよ。」

笑ってそう言う……。

が、次には真剣な顔になり……。

「オレがお前の事を殺したいほど憎んでたのは……お前のせいじゃない。……オレはマルクトの人間なんだ。」

ガイは……自分について…告白した。

「えっ…!ガイってそうなの??」

アニスも驚きながらそう言う。

「あ……だから、土地についても詳しかったんだ……。卓上旅行って言ってたけど。」

アルも……そういった。

出身とか色々と言われても…。

まあ、驚けない…かな?

どっちに思い入れがあるってわけじゃないから。


「はははっ、ああ。よく覚えてたな?そうだよ。オレは……ホドの生まれなんだ。」


!!!

そのガイの言葉を聴いて…一番驚いていたのがティアだった。

「ホドって……。」

アルは、心配そうに…ティアの方をチラッと見ていた。



ホド島……ヴァンが狂気に走ったきっかけの……。


全ての始まりだと言ってもおかしくない場所……だ。

そしてガイは…続ける。


「オレが5歳の誕生日の時にさ。……屋敷に親戚が集まったんだ。……で、預言者… スコアラーがオレの予言を読もうとした時…… 戦争が始まった……。」


「ホド……戦争。」

「ホドを攻めたのは……確か、ファブレ公爵ですわ。」

ナタリアがそう言う。

「えっ…!!」

ルークは勿論知らない事実だった。

そして……理解した。

なぜ……ガイが……なのかを。


「そう、……オレの家族は公爵に殺された。……家族だけじゃねえ、使用人も……親戚も……あいつは…オレの大事なものを踏みにじったんだ。」


その表情は……怒りが表れていた。


「だから……オレは公爵に同じ思いを味合わせてやるつもりだった。」


ガイは……そう言う。

「ッ………。」

アルは…そんなガイを否定など出来ない。

痛いほど……よくわかる。

本当に…………。

よく……わかるから………。




「…あなたが公爵家に入り込んだのは……復讐の為……ですか?ガルディオス伯爵家 ガイラルディア・ガラン」



ジェイドが……そう言うと、

皆の視線がジェイドに集まった。


それを見たガイは、両手を上げ…。

「おおっと……ご存知だったってわけか……。」


そう言う。


「ちょっと気になったので…… 調べさせてもらいました。貴方の剣術はホド独特の盾を持たない剣術……アルバート流でしたからね。」


ジェイドは……やっぱり抜け目がないようだ。


それを聞いたルークは……。

「なら……ガイはやっぱりオレのそばなんて…嫌じゃないのか……?オレは……レプリカとは言え……ファブレ家の……。」


そう言う……が


「そんな事ねーよ。そりゃ、全く蟠りが無いって言えば……嘘になるけどよ?」


ガイはそう言うが……。

「だけどよっ!!」

ルークはとまらなかった。

その時。



“ポンッ……”



ルークの肩に手が……。

「ルーク……ガイの話。最後まで聞こう?………信じようよ。ルークはもう信じてるって思うけどね?」

アルが……静かに……真剣な顔つきでそう言う。

「あッ………。」

アルを見て……ルークは……、アルの事も……。

「ははっ……サンキュ、アル。」

ガイはアルに向かって笑みを出す。

「ルーク、お前がオレについてこられるのが嫌だってんなら、すっぱり別れるさ。……そうでないのなら……もう少し一緒にいさせてもらえないか?確認したい事があるんだ。」

ガイは……ルークの胸を軽く叩きそう言う。


「あ………。」

ルークはガイの目を見て……。

そして 次にティアの方を見る。


ティアはルークと目があうと…

頷いた。

「うん………。」

アルも……笑顔で……。

「わかった。ガイを信じる!……いや、ガイ、信じてくれ……かな?」

そうルークがいい……。

手を掴んだ。



「あははは……」



アルは2人を見て笑った。

「ん?」

ガイは、ちょっと不思議に思ったのかアルのほうを見た。

「いやさ……、本当にいいものだって思ってね?信じて……信じられてってさ?オレも……すごく実感してるから。」

アルは……ティアの方を見る。

ティアは、ルークの時同様。

微笑んでいた。

「ははっ、そうか?まあ、どっちだって同じことだけどな?」

ガイも笑顔でそう言っていた。




その時。




“コンコン………。”




部屋のドアをノックする音が……。

「失礼します。」

入ってきたのは、つい先ほどに会った男性だ。

「あなたは、先ほどの……。」

ナタリアも覚えていたようだ。

「ご挨拶が遅れました。私はアスラン・フリングス少将です。明日、ピオニー陛下との謁見の許可が出ましたので、お伝えに参りました。」


「そうですか、わかりました。」

ジェイドがそう返事をすると、敬礼をし部屋から出て行った。


「良かったです。ピオニー陛下とお会いする事ができるのですね……。」

イオンはほっとしていた。

これで戦争をもしかしたらとめる事ができるかもしれないからだ。


「これから……だね。」


アルも頷く。

「ああ……セントビナーの人たちまで犠牲には出来ないし、何より……あの周辺で戦争なんか起こりやがったら、双方 被害が尋常じゃなくなる……。」

ガイも……勿論同意だ。

ホドを消滅させられて……。

全てを憎んで……。

でも、こうやって一緒に信じていられる。

本当に……いい仲間なんだな。

そう感じた。


「全ては明日です。今日はゆっくりと休みましょう。」

ジェイドがそう言うと皆頷き……そして、各自宿の部屋へと向かった。













女性陣 side



「ねーねー?ティア?」

アニスが横に………。

「??何かしら?」

振り向くと……凄く笑顔のアニスが!

「さっきのアルの言葉の意味……ティアならよくわかるかなぁ〜〜って思ってぇ〜〜??」

ニヤニヤ……っと……。

「ッ!ええ??」

いきなりの事で、たじろく……。

「まあ、確かに、あの時のアルの表情とそして、ティアの方を向いての安堵感を見ればそう感じますわね?」

ナタリアも……興味あり!のようだ。

「ちょっ!2人とも〜〜!!」

ティアは慌てている。

「きょーは聞かせてもらうよぉ!もう直ぐ大変な事があるんだからさぁ?すっきりしたいじゃん?」

アニス……食い下がる。

「ううぅ……。」

ティアは、赤くさせながら……口を濁す……。

「私も興味がありますわね……。お二方を見るととても微笑ましいですもの。」

ナタリアも今回ばかりは……といった様子だ。

「ねー?何があったの??特に、ユリア・シティでさぁ?教えて〜 今後の参考までにさぁ?」

アニスはそう言って目を輝かせた。

どうやらまあ……玉の輿ゲット!の手段を考えてる?様だ。

「も……もう………。」

ティアは、今回は逃げられない……と思ったのか、

話を……した。




皆と別れた後の事

アルの事……。

心が……正気に戻れなかった事。

そして、戻ってきてくれた事………。

そして………信じて……信じられてる……という事を……。




「そんな事がありましたの………。」

「なるほどね……。」

アニスもナタリアも納得と言ったようだ。

「ええ……。彼は、凄く強い……私達が思っている以上に……でも、心は何も変わらないの。普通の人と……。私達と!だから!」

「「わかってるよ!」ますわ!」

アニスとナタリアは直ぐに返事をした。

言いたい事はわかってる……。

そう言うことだった。

「確かにアルは優しいし、記憶が無いのにしっかりしてて……ってずっと思ってた。その上大佐があそこまで信頼する力を持ってるんだよ?反則ジャン!ってさ?でも……」

アニスは少し俯かせて……。

「アクゼリュスでアルの顔を見て……憔悴しきっていた彼の顔を見て……彼がどれだけ凄い力を持っていても、支えていく人は必ず必要ですわ。私達王族も……民に支えられている所だってあるのですから。どのような人もそれは同じです。」

ナタリアもそう続けた。

「ティア、話してくれてありがとう。私達も彼のこと……気になっていましたから。」

「うん!あたしもね!」

最後には礼を言っていた。

「そんな………私こそ、こんな大事な事……仲間の事を伝えるのが遅れて……。」

ティアも少し申し訳なさそうに……。


そんな時!

「でさ?でさ?やっぱり、ティアってアルの事好きだよね??」

「ふえっ///!!!」

突然の切り返し!!??

「も〜〜 そんな驚く事ないじゃん?みえみえだもん☆ねえ!どこまでいったの〜〜??」

「まあ、そちらのお話も私も興味がありますわね。」

アニスとナタリア意気投合!

「ちょっ!!も///もう!私寝るから!!明日早いんだからっ////」

ティアはすかさず!奥へ……。

「あ〜〜ん!話してよ〜〜そっちもさぁ〜〜!」

「ふふふふ……。」


この日の夜……。

女性陣の部屋はとてもにぎやかだった。

















-87-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ビバ☆テイルズ オブ エクシリア2 マガジン 2012年 12月号 [雑誌]
新品 \0
中古 \648
(参考価格:\1500)