小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#86 可愛い方のジェイド……??




























そして、暫くして……。

ジェイドにつれられて……。

「って、オレ達もいっていいの?」

アルがジェイドに聞く。

「ええ。皆さんにもお話があるそうです。」

ジェイドが問題ないという。

「……何かしら?お忙しいでしょうに…。」

ティアも…そう言う。


そして、ある部屋の前に立つと……。

ジェイドは振り返り。

「驚かないでくださいね?」

そう一言。

何に?って返すまもなく。


「失礼します陛下。」


ノックをして、部屋に入っていった。

部屋に入ると……。

「……??一体なに……が……。」

アルは……一瞬固まりそうになる。

「どぉえええ!!??」

ルークは驚き声を……。


そして 皆驚いていた。

ジェイドには言われてたけど……。

あまりに想定外だ。


“ゴッゴッゴッゴ!!”“フゴッフゴッ!!”“グググ〜〜〜……。”


部屋の中には……。

その……無数の…………。


「おおっ?来たな。」

餌をやっていたピオニー陛下がこっちに……。

「これって……。」

アニスモ目を丸くしていて……。

「うん……ブウサギ……だね?」

そう結論……。


「オレのペットだ。可愛いだろ?」


そういった……。

陛下の私室に……あまりにも想定外でしょ?

「あ……はい……まあ……。」

ルークも……同様だったようだ。

「……変わった…ペット……ですわね……?」

ナタリアも思わず苦笑いを……。

んで…。

ティアはというと……。

(わぁぁ〜〜〜〜…////可愛い///)

眠っているブウサギを見ながら……ミュウの時の様な表情を…… 苦笑

「ははは……すごい沢山いるね……。」

辺りを見渡して…どの方向を向いても視界に入る。

すると……。

「そいつがネフリーであいつはアスラン。そっちの鼻たれてるのがサフィールだ。」

っと、名前を紹介しながらティアがいる方を向くと……。

触ろうとしてるのかな…?

ティアが……傍に寄ろうとしていた……が。

「ッッ!!」

皆が、向いたと同時に!!


“ビュンッ!!!”


凄い速さで元の位置に…… 苦笑


アルは、それを一部始終見ていて……。

笑う。

「ははは……。ん?でも、その名前……。」

どこかで聞いた事……が…。

そして、次の説明で……判別する!

「おっ!コイツを忘れてたな。こいつは可愛い方の【ジェイド】だ。」

そう言って持ち上げた!


「「「「ええ???」」」」


皆またびっくり♪


そして、その名の本人は……。

「陛下…… 勝手にひとの名前をペットにつけないでくださいとあれ程お願いしたでしょう?ひとの妹の名前まで……。」

呆れながら……そう言っていた。

「あ……ははは……。」

アルは苦笑いをしていた。

ネフリーって…そういえば、ケテンブルクのジェイドの妹さんだった事を思い出したのだ。

そして、そんなジェイドの苦悩は露知らず…。

「いいじゃねえか?覚えやすくて!メイド達にも好評だぞ?」

ケロッとそう言っていた。

それを見たジェイドは……。

「はぁ〜〜〜……。ペット自慢のためにここに呼んだわけでは無いでしょう?」

あきらめムード……。

そして……。

「おおっ そうだった。お前に話が合ってな?ガイラルディア。」

呼んだのはガイだ。

「ホド島が沈んだ時、ガルディオス伯爵家の者も皆死んだ事になっていたんだが……。」

……ガイは話を聞き…前へ出る。

そして……跪き……。

「申し訳ありません。本来なら……領地を預かる伯爵家の者として……皇帝陛下の下へはせ参じるべき所を私情に走り……長く職務を放棄した事、どのような責めも覚悟しております。」


「ガイ……!」

ルークは……思わずガイの方へ……。

でも……。

(この方が、責める…?なんてあまり想像できないよな……。)

アルは……そう思い……見ていた。

すると、その通りだった。


「責めてる訳じゃねえさ!お前にも色々事情があったんだろ?それに、ガルディオス伯爵家の財産や権利は国庫に預けられていてな?お前が望むなら直ぐに爵位を戻すが?」


笑いながらそう言う。

……この人の人柄は良くわかってきた。  苦笑

そして、この内容に飛びつくのは勿論!


「えええっ!!ガイが伯爵様に!?」

勿論アニス♪

でも……。

ガイは首を左右に振る。

「いえ……勝手である事は重々承知しておりますが……。今のオレにはやるべきことがあります。…ルークたちと一緒に。」

「ガイ……。」

はっきりと…そういった。

ガイはルークを信じている。

それは…伝わる。

「ええ〜〜 もったいない……。」

アニスはがっくり……。

「はぁ……アニス?」

どこでも一直線なのは流石に辞めた方がいいと思うなぁ…… 苦笑


「お前がそれでいいのなら、今はそれでいいさ。その代わりと言っちゃあなんだが、セントビナーの避難誘導任務に強力な助っ人を呼んでやる。」

ピオニー陛下はそう言う。


「助っ人……?」


すると……ジェイドは。

「また何を考えておいでですか?陛下…。」

どうやら、ジェイドも知らないようだ。


「まぁ〜〜楽しみにしてろって。」

そう言ってにやりと笑っていた……。



「オレからの話は以上だ。…頼んだぜ?」

ピオニー陛下がそう言うと……皆、部屋から出た。















そして……部屋から出たところ暫くして……。

「アル……少しいいですか?」

ジェイドが足を止め、アルを呼ぶ。

「ん…?どうしたの?大丈夫だけど。」

アルはそう返す。

「そうですか。少し話がありまして、皆さんは先にいっていただけますか?直ぐに向かいますので。」

ジェイドがそう言うとアル以外は離れていった。





「……で?本当にどうしたの?俺を一人にして。」

アルは……ジェイドにそう聞く。

再び歩いて何処かへ行くようだが……。

「ん?」

こっちって…。

「ピオニー陛下のところに行きます。」

そう……さっきのところへ引き返しているようだった。

「え?なんでまた……。」

さっき言えばよかったのに?って思ったり…。

でも、直ぐにわかった。

ジェイドの真剣な目を見て…

軽い感じで聞き返すことは出来なかったのだ。

そして……。

ピオニー陛下の私室へと戻る。

「陛下……例の人物… アルをつれてまいりました。」

例の人物……ってちょっとあれだけど。

まあ、いいか……細かなところは。

「おお、そうだったな。こいつらの世話ですっかり忘れちまってたぜ?」

ピオニー陛下はこっちお見ると、ブウサギの【可愛い方のジェイド】を降ろしてこちらへ歩み寄った。

「……ジェイドから話は聞いている。貴行が記憶の無い少年だったな。」

そういいながら……目を見た。

「あ……はい、そうです。陛下、その……名前だけは一応覚えてて……。」

流石にダチ喋りしていたとは言え、相手は陛下……。

緊張する………。

だが、そんなアルを見て……。

「はっはっは〜〜!そう硬くなんなって、ガイラルディアだけじゃなく。オレがお前さんと話したかったのは、お前さんの事でだ。」

笑いながら……そう話してくれた。

「は……はぁ……。」

中々にテンションについていくのは難しいが…… 苦笑

「お前さんは アクゼリュス……即ち マルクトの領土で倒れていたんだ。ならば、こちらの方に出身があった可能性が高いだろう?色々と調べて見ようと思ってな?」

そう言って両の手で肩を掴む。

「お前さんは、ジェイドが大層世話になってるって聞いてな、そいつの礼もかねて……だ。今回の事もそうだ。終わったら、もう一度オレの所へ来てくれ。それまでにゃ、ちゃ〜んと頑張って調べてやるからな。」

「えっ!!」

アルは驚きの表情を作り……。

そして、ピオニー陛下は笑った。

そして、ジェイドの顔を……見た。

「っはっはは、コイツは照れ屋だからなぁ〜 そんなに見つめてやるなっ。」

笑いながらピオニー陛下はそう続けた。

「陛下……言葉がすぎますよ?」

「はっはっは〜〜!」

ジェイドは、そう言うと 少し顔をそらせ……。

そして、ピオニー陛下は楽しそうに笑っていた。

「あ……その……ありがとうございました!」

アルは、2人に対して礼を言う。

自分自身の記憶については……間違いなく、気にかけていた事だ。

全てが終わったら…… それを探す旅もしようと考えていたほどに……だ。

だが、当てもまったく無いのが現状……。

それはそうだ、手がかりがまるで無いのだ。

あるとしたら、それは自分自身のみ。

………だが、ひょっとしたら……生涯かかっても、思い出さない……そういった可能性がある。

でも……一国の王が……探してくれるとなれば、話は別だろう。

格段に可能性はあがる。


だから……、

本当に感謝をしていた。










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