小説『俺は高校球児だ!!』
作者:羽島千佳(食よりゲーム)

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昼休み―

「風雅ー。一緒に食・べ・よッ!」
やっぱり旭が来た。いつもの事だ。
「ああ。」
「今日の弁当何??」「から揚げだけど。」「いいな〜。」「いいだろ〜。」
なんていう他愛も無い会話のさなか。
一人の少女の声が会話の中に入った。
「あの・・・。一緒に・・・。食べてくれませんか・・。」
「??」「??」
そこにいたのは、学級委員長の笹山佑香だった。小さくて可愛いと評判だ。
「あの・・・。」
「旭・・。俺はいいんだけど。」「俺もいいぜ。」
「あ・・。いいんですか??」笹山の顔がパァァと明るくなる。
「食べようか。」
三人でワイワイいろんな話をした。
俺はその時だけ嫌な事を忘れられた。
コールの事も。全て。


それから俺たちはほぼ毎日一緒に弁当を食べた
やはりその時は嫌な事を綺麗さっぱり忘れられた。
いつしか俺たちは仲のいい三人組として皆の記憶に刻まれた。


放課後―
笹山は第三音楽室に呼び出されていた。ソコにはいかにもギャルって感じの女子が何人か居た。
「佑香〜あんたさ〜」
そういって最初に絡んできたのはガングロギャルの桝朋実(ますともみ)だった。
「いっつもなんで片野と旭と食べてるわけ??」
「え・・・・。食べる人がいないから・・・・。」
「食べる人がいないから・・・・。言い訳すんなよッ!!!!」
ガンッ!!!
「ッ!?」
佑香は頬を殴られた。
「お前は片野と旭を狙ってるんだろ!?」
!?
そういう事・・・なんだ・・・。
「そんな・・・。そんなこと無いよ!!」
「ダマれっ!!!」
ガァンッ  バンッ
「ひゃァっ!!」
今度は腹を蹴られ、後ろにあったオルガンに打ち付けられた。
「片野と旭はうちのターゲットなの。邪魔しないでくれる??」



「なあ。旭。第三音楽室でなんか聞こえねーか??」
「ああ。聞こえる。」
{ひゃァっ!}
「あれ・・・。佑香の声じゃないか・・??」
「!?確かに・・・。」
「行ってみよう!」

-7-
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