小説『トリコ!!〜エレクトリックトリッパー〜』
作者:じの字()

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エレクトリカル1 密林!!


さて、ここで現状確認してみようか
俺→生きてる?
五感→メチャクチャある?
ここ→どこ?
よし、OK。いや、ダメか。まぁ、逆にこれだけ確認できれば十分さ。


俺死んだよね!?


いやいやいや、でもガッツリ生きてるんだけど俺!!
これが噂の幽体離脱ってやつか!?
ちなみに、雷でうたれる確率は、サメに襲われる確率よりも高いらしい。つまり、俺の死因はサメに襲われるよりもレアじゃないってことだ!!いや、今は関係ないんだけどさ・・・。
しかし、これからどうするかだ。


「つぅか、どこさここ・・・。」

暑い。
それも、カラッとした暑さじゃなく、ジメジメとしたまとわり付くような暑さ・・・。明らかにここは日本ではないな。
ついでに、そこら中で、ピーだのギャーギャーだのガルルルだのといった猛獣達の鳴き声が聞こえる。
あぁ、まるでアマゾン見たいだ・・・アマゾン?


「そうか!!」


謎解決!!
そうかそうゆうことだったのか!!


「瞬間移動だ!!」


噂でしか聞いたことがないが、電気で瞬間移動できるという話を聞いたことがある。それがブラジルはアマゾンに来てしまったのか!?
・・・苦し紛れ過ぎんだよ俺ェ・・・。
その前にヌチャヌチャと歩く度にぬかるんだ足場でスニーカーがもつれる。

〈グルルル〉

「じゃあ早速日本大使館にいかなきゃな。」

〈グルルルル〉

「いや、その前に地図がなきゃダメじゃん。」


ボタンを押したけど最新式iPhone〈ピー〉も使えません。
ジャングルだから?
しょうがないねぇ・・・。


〈ガルルル!!〉

「oh・・・」


さっきからあえて気にしないようにしてました。
だって背後から凄まじい殺気を感じるんだもの。
今のくだりは現実逃避だ現実逃避。
でもね、人間ってこういう時振り向いちゃいけないと思っても振り返っちゃうの。
ヒトのサガなのさ。
ギギギギギ、と振り返るとそこには・・・


「虎ーーーーーーーーーー!!!」

〈ゴォォォォォォ!!〉


アマゾンのジャングルには虎がいるんですか?
答え.いるんです!!すぐ目の前にー!!
体長6m位の巨大な虎。犬歯が鋭く尖り、涎をダラダラと垂らしている。そして、何故か耳が4つ。
新種かー!?


「取り敢えず逃げる!!」

〈ガルルルルルル!!〉


逃げろ、逃げろ、油断したら死ぬ、振り返ったら死ぬ!!
でも、ちょっと振り返ってまだ追いかけてくるぅぅぅぅ!!
あれ、でもこいつどっかで見たことが・・・いや、そんな暇ないし!!


「ああぁぁあああぁぁ!!」


ついてない!!いきなり見知らぬ土地に放り出され、さらに虎に追いかけられるだと!?
一体幸せで平和な日本はどっちなんだー!!


〈ムギュウ!!〉


あ、今何かカエルっぽいの踏んだ。
けど、見てる暇ないわ!!
追いかけっこはまだまだ続く!!







この時、薄々感づいていたのかもしれない





ここがもはや俺の知る地球ではないことを。





地球では見たことがないような珍妙な生物が蠢き





どんな美しい宝石よりもお金よりも“食材”に価値がある





そしてその旨さを求めて、様々な人間がその旨さを探し求める





その名も、“グルメ時代”!!





未知なる味を探求する時代!!





だが、今の俺はそれを知る術はない。
まぁ、今はそんなことより取り敢えず


「助けてー!!」


〈ゴオオオオオ!!〉


逃げることだ!!
エスケープ!!

-2-
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