小説『トリコ!!〜エレクトリックトリッパー〜』
作者:じの字()

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エレクトリカル3 生き延びる!!


この場所に来た時からすでに気付いていたが、ここの猛獣は何かおかしかった。
わが故郷地球では、腕が6ほんあるワニなどいない。
ジュラ紀とかにならいたかもしれないけど、それならヘビみたいなカエルは何なんだ?
ヘビなのか?カエルなのか?こんな生物は地球の歴史上確認されていない!!
ただ・・・この生物たちを俺は知ってる。
何故かって?
知っている人は知っているよ。
大人気週刊誌、週刊少年ジャンプを支える屋台骨の一本に、食が彩る大人気マンガがある。


その名も“トリコ”


こいつらは、そこに出て来る怪生物達にソックリなのだ。
・・・いや、そのものともいうが。
そこまで来て俺は気づいた。
これ、俺もう実家に帰るの無理じゃないか?と。
どうやら俺は雷にうたれ、噂に聞く異世界旅行をしてしまったらしい。
俺は家に帰るという方向性からいかにして生き延びるか、という方向性にシフトチェンジした。

食への感謝を身を持って味わった後、俺はこれから生きて行くための計画を立てた。
先程の怪生物、まぁ名をヘビガエル、ガララワニというのだが・・・。彼等が生息しているのはバロン諸島という危険区だ。
危険区とは・・・まぁ、簡単に言えば大人たちが「ここは危ないから入っちゃダメ!!」と決めた場所だ。保険は降りない、つまりはこの場所で死ぬことは自殺と同じ。そんな場所で生きていかなければならないなんて、一瞬眩暈がしたが、何とか意識を持ちこたえた。頑張ったね俺。

まず、食糧の確保は問題ない。まぁ、肉、野菜、炭水化物バランスよくというのは難しいけど・・・。

寝床も完璧、木の上に住処を作り、ある程度の猛獣なら対応できるだろう。

さて、前途多難な日々が始まる。





あれから二ヶ月ほどたったのだろうか。
ある時は虎さんに追いかけ回され、ある時はガララワニと接近遭遇し、追いかけ回された。
お陰で人一番危険に敏感になりました!!
それはそうだ。こんないつ食われるか分からない場所で警戒を解いたらそれこそ我が人生の終わりだ!!
俺は異世界にきてまで早死したくはないってわけさ!!
まぁ、一方でおいしい果物が群生している場所を見つけたりとラッキーなこともあったんだけどね・・・。

それは置いといて、最近森が騒がしいの。一日おきに人が島に入って来て森の奥地を目指しそのまま帰ってこない。
遠くから観察したところ、彼等は話に聞く美食屋のようだ。
まぁ、危険区に自分で入ってきてるのだから俺にはどうしようもないのだが・・・、もう一つ森の獣達も騒がしくなっている。
原作では成長して凶暴化したガララワニが森の生物を食い荒らす、何て事があったが、これは明らかに違っていた。
生物達が故郷を離れ別の島に渡り、そのガララワニでさえ何かに怯えているようだった。
一体何があったんだろうか?


〈オオオオオ!!〉


ふと気づくと、噂のガララワニがノシノシとジャングルを徘徊している。
まぁ、こちらに気付いてないし別に気にすることはないだろ、と思っていたのだが、


〈ギャアアアアアアア!!!!!!!〉


突如、耳のそばでダイナマイトを爆発させたような音が響いた!!


「な、な、何だ!?」


驚いて眼下を見るとそこにはガララワニとは違う、さらに凶暴でタチを悪くさせたような怪物がいた。


〈ギャアアアアアアア!!!!!!!〉


&#160;しかも、そのワニ何を思ったか、俺のいる木に体当たりを始めやがった!!


「おい、やめろよ!!」

〈ギャアアアアアアア!!!!!!!〉


巨大な口を開閉させつつ突進を繰り返すワニ公。
このままじゃ流石にマズイ!!そう思った時だった。
&#160;&#160;

〈・・・カ!?〉


突然ワニの動きが止まった。
身体中で痙攣を起こしているが、一体何が!?


「ヒョヒョヒョ。危なかったの〜少年。怪我はないかね?」


ワニの奥に見えたのは白髪の老人。
しかも、ただの白髪ではなくリーゼントにしているというファンキーさだ。
しかし、危機意識を覚えた俺には分かる。この人ただものじゃない!!
というかこの人俺知ってる!!
伝説の美食屋“ノッキングマスター”次郎!?

-4-
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