エレクトリカル5 ワールドキッチン!!
「あれは何?」
「“フローズンピーチ”。極寒の土地に生える寒桃の木の地下の根に生える桃じゃ。シャリシャリした食感が最高じゃよ。」
「これは?」
「それは“ガトリングバナナ”じゃな。身が熟れると、できるだけ遠くに子孫も残そうとそれを飛ばすんじゃが、飛んでいる間の身がまろやかで濃厚な味なんじゃ。」
さて、感動的(?)な別れから一夜開け、次郎さんと俺はグルメ中央卸売市場世界の台所にいます。
何故ここにいるのかというと、個人的に楽しむ分をちゃんと用意したうえで、残りのラフマンゴーを市場に流すのだそうです。
今日ここにきたのはそのため。
まぁ、俺は完全に観光気分なんだけどさ。
「あまりはしゃぐなよー。」
「はーい!!」
そんなこと言われましても!!トリコの原作を読んでいる人なら一度は見たことがあるような食材がわんさかなんだよ!!
アーモンドキャベツ!
ザリガニフィッシュ!!
そして築地のバティ!!
最後は違うけど気にしない!!
「全く、何をやっているのだか。」
「すごいっすねー!!さすがワールドキッチン!!見たことのない食材がいっぱいだ!!」
「まぁ、グルメ食材なんてそうそうお目にかかれんしの。」
確かに普通ならお目にかかれ内容な食材がわんさかだ。
何とか自分が知っているような食材に似たものから、わが故郷地球だったら考えられないようなものまでその種類は多岐に渡る。
けど・・・
「たっっっっっかい・・・。」
どれもこれも3ケタで買えるような品物がない!!
4ケタから5ケタ普通ってどういうことだよ!!
「そりゃあ一般人がすぐに手にはいるほどグルメ食材はまだ一般的じゃないからの。ほれ、そろそろついたぞ。」
次郎さんに言われて見てみると、そこには、『卸売業シュンペイタ』と書かれたお店があった。
その中にズンズンと入ってゆく次郎さんを追いかけると、そこには店主らしき男がガハハハと次郎さんと談笑していた。
「oh!爺さんまさか生きていたとはな!!驚いたぜ!!」
「へへへ、アッシも悪運が強い方みたいじゃの。おれ、約束のラフマンゴーじゃよ。」
 
そう言って鞄にしまっていたラフマンゴーを取り出して見せた。
「my、god!!中々いい形じゃないか。いいね、買った!!」
「おぅ。これでしばらく酒に困らんわい。」
ずいぶんと特徴的な喋り方をするオッサンだなと思って見ていると、ラフマンゴーを見つめていた店主が今度は俺に視線を向けてきた。
「uh?爺さん、この小僧は爺さんの孫か何かか?」
「いんや、孫は他におるわい。こいつはまぁ・・・ツレじゃよ。ツレ。」
「i see!なるほど連れか。合点が言ったぜ。しかし、オメエさんそんなわけぇのにこんなファンキー爺さんのツレとは、将来が心配だな!!」
「へっへっへっ、まぁの。弟子になるとか言っておったが、今頃親御さんが心配しとるじゃろうから帰り掛け届けてやろうと思っとったところじゃ。」
「いや、ちょっと待って下さいよ。さっきから話を聞いてれば子供扱いじゃないですか。冗談に聞こえないっすよ。俺今いくつだと思ってるんすか?」
すると、ニヤけていた2人がキョトンとした顔になった。
えっ、何コレ?
「ち、ちなみにお二人は俺を何歳だと思ってたんですか?」
「そりゃあ・・・。」
「まぁ・・・。」
「「10歳前後くらいじゃろ(だろ)?」」
衝撃的な答えが返ってきた。
「ゑっ?俺17歳何ですけど。」
「why?何嘘ついてんだ??」
「そんなちっこい背でよくそんなすぐ分かる嘘をつけるの?」
鏡を見る。
俺の身長は確か170cm超えはしていた。
あれ?なんでこんなに背が小さいのさ?
そういえば次郎さんもやけにでかいなと思ってたし、周りの景色がやけにデカいなとは薄々思っていた。
なるほど。
そういうことか。
「oh、my、god・・・。」
そして、俺はもう一つ重要なことに気づく。
そもそも自分の名前ってなんだっけ?
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登場食材
フローズンピーチ
捕獲レベル:5
1個:4000円
極寒の土地に生える寒桃の木の地下の根に映える果実。土から吸い取った養分を直接桃に溜め込み、寒冷地で甘みのキュッと詰まった果実は極上の味である上に栄養価が高く美味い。フローズンピーチをそのまま使ったシャーベットも老若男女に人気が高い。
ガトリングバナナ
捕獲レベル:7
値段:一本3500円
南国の土地に生える。ガトリングバナナの木になる兵器のガトリングに似た房の塊から発車されるバナナ。子孫を多く残すためこの種を撒く方法を選択したようだが、発車される果実の早さは普通の兵器と何ら代わりがない。一度地面に落ちるとすぐに味が劣化してしまうので、空中に発車された瞬間素早く果実を手に入れなければならない大変苦労する食材である。
読みたい小説がある、見たい作品がある。更新停止してる人の小説が読みたいよー!!!!