小説『とあるUMAの伝説物語』
作者:神死槍()

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後日

俺は抵抗したんだ…心の限り抵抗したんだ…だが、支部長として絶対会議に出なきゃ行けないじゃないか…そんなの反則だ…だから、俺は仕方なしに…この会議に出席しているわけで、これは俺の意思じゃない…そう意思じゃない…そう信じたい…

神は残酷だ…自分が望んでない、未来ばかりを自分に押し付ける。例えば、この都市伝説解明係りなんてのは、誰もしたがらない…
会議が始まる前に、全風紀委員にクジが配られて、俺は59番を引いた。なんのクジか解らないまま、ミッションについて説明を受け、状況を理解した上で、誰が担当につくか…騒ぎになったとき、前に数字が写し出された。

『59』と…


まさか…俺が、そう思った時…

「担当は、あらかじめ渡しておいた、クジにこの数字が書かれている者!!それが担当者にあたる!!」
最悪だ…






風紀委員第177支部

(はぁぁぁ…なんで俺が…こんな目に?第一に、なんで、一人でやらなきゃならねぇんだ…?)


「それであんなに、落ち込んでるんですか…」佐天は、奥の机にうつ伏せている、又馬を見て言った。白井と初春は首を縦に振る。

「あの…又馬さん?」又馬が顔を上げると、前には佐天が立っていた。又馬は低いトーンで返事をする。
「なに?」
「あの…都市伝説の件…私で良ければ、手伝いましょうか?」この言葉で又馬の顔は、落ち込んでいる表情から、一気に喜びの表情に変わった。
「ホント!?」又馬は佐天の手を取り、顔を近づけてそう言った。
「は…はい…」佐天は頷いて答えた。

10分後

「それでですね…今一番有名なのが、彼女が消えるっていう、都市伝説です。」佐天と又馬はパソコンに張り付いて、離れようとしない。あんなに嫌がっていた、又馬もなにやら、楽しそうに見えた。

「よし…この『彼女が消える』って都市伝説を調べてみるか…」又馬は立ち上がり、佐天を引き連れて、彼女が消えるともっぱら噂になっている、sventh mistに向かった。



「又馬さん…私、思うんですけど…」人混みのなか、佐天は又馬のすぐ横で発言する。
「なに?」又馬は顔を見ずに、質問に答える。佐天ははぐれないように、又馬にくっついて、こう言った。
「『彼女が消える』についてどうやって調べるんですか?もし、考えてないなら、こうしましょう」佐天は一端喋るのをやめた。
「ん?」その時、又馬は佐天の顔を見た。
「私が又馬さんの恋人役を演じる…これでどうでしょう?」佐天は笑って又馬にそう言った。しかし又馬は佐天の発言に驚きながら、
「なんでそうなるの?」と、言った。
「なんでってそれは…彼女が消えるなら…」そう言いかけた、その時、又馬は佐天の肩を持って喋らせるのをやめさせた。
「駄目だ…危険だ…危険すぎるよ…そんな…別に…消える彼女役を演じなくても…」又馬の表情は、余裕を失っていた。
「大丈夫ですよ…だって…又馬さんが助けてくれるんでしょ?」佐天は又馬に笑ってみせた。それを見て、何も言えなくなった…又馬は、頷いてから、二人ならんで、sventh mistに入っていった。



二人は腕を組み、佐天は顔を赤めながら又馬に寄り添った。又馬はドキドキしながら、全てを受け入れた。それは視聴者の大半が殺意を向くような、甘い雰囲気だった。そしてそれは誰がどう見ても、恋人同士だった。

(み…見られてる…なんか…恥ずかしい…)二人は同じことを考えていた。

(ま…まずい…これはヤバイ…なんか話さないと…)又馬はそう思い、固く閉じた、口を開いた。
「さ…佐天さんって…彼氏居るの?」一瞬沈黙が走る。
(しまったー!!やっちまったー!!俺、何口走ってんだよ!!こんなタイミングで…マズイ…完全に引かれた…)又馬は自分自身にツッコミを入れた。そして、なんて返してくるか怖くて、目をつぶった。
「居ませんよ?」意外だった…又馬はてっきり、怒られるか、無視されるかとばかり思っていたために、この返しは意外だった。
「そ…そうなんだ…ご…ごめんね…変な事聞いて…」(助かった…)又馬は心の底から、安心した。すると、佐天からこんな質問が…

「あの…その…又馬さんは居るんですか?…彼女」
「居ない!!居ない!!だって全然モテないもん!!」又馬は笑って答えた。すると佐天も、一緒になって笑った。

二人の後ろから、不振な人影が…

「次のターゲットはあいつらだ…」



青年は悩んでいた

(こんな事をしてて良いのだろうか…?相手は中学生なわけだし…ていうか…もう…ここに入って二時間だぞ?早く元凶が現れてくれないと…ちょっとヤバイなこれしかし…)又馬は苦肉の策で、トイレに行ってくると伝え、走って逃げた。しかしその間も、ちゃんと、佐天を千里眼で見続けた。その時、誰かにぶつかった。相手は、小柄な男でその男は、又馬の目を見て軽く一礼して、走っていった。その時急に、眠けが又馬を襲った。又馬はフラフラになりながら、トイレに入り個室に入りかけたその瞬間、後頭部を何かの鈍器で殴られた。又馬はその場に倒れ、気を失った。


20分後

(又馬さん…遅いな…何してるんだろ…)佐天は近くの店にかけられている、時計を見ながら、その事を考えていた。
「スミマセン」後ろの方から、声をかけられたので、佐天は、振り返った。そこには、ハンカチを持った、小柄な男が立っていた。
「スミマセン…このハンカチあなたのですか?」佐天は、すぐさま、確かめたが、見覚えがなかった。
「いや…私のじゃない…」そう言った。小柄な男は、佐天の目を見て、軽く一礼した。その時、何かが歪んだ気がした。気が遠くなった。しかし、体は、自然に歩き出した。意識は完全に無くなっているのに…


一時間後…

「痛っててて…何が、どうなったんだ?………覚えてない。取り合えず、佐天さんの所に戻らなきゃ…」又馬はそう思うと、立ち上がり、ドアを開けた。そしてトイレから出て、元の場所に戻った。佐天はイライラしながら待っていた。
「もう!!遅いですよ!!何時間待たせるんですか!?」佐天は怒りながら、又馬を怒鳴った。
又馬は謝り、捜索を再開しようと言い、歩き出した。


しばらく歩くと、佐天がここで待っていてと言うので、又馬は承諾して、待つことにした。


しかし、いくら待っても、佐天が帰ってこない。又馬は怪しみ、佐天が走っていった方へ向かった。

しばらく行くと、人だかりが、出来ていて、警備員が沢山いた。又馬は腕章をはめて、人混みの中に入っていった。人をかき分けて、進むと、そこには、信じられない光景が広がっていた。

地面は、真っ赤な血で染められ、壁にも血が飛び散っていた。しかし、それだけではない。又馬の目の前には壁に張りつけられた、佐天がいた。右腕は切断され、左足は前ではなく、後ろを向いていた。そして、頭から、大量の血が出ていて、両目はえぐり取られていた。腹部と、首には、巨大な針が貫通していて壁に刺さっていた。

又馬は吐き気をもよおした。目の前に、ある光景が、無惨で、哀れに思うことも出来ない、残酷な光景だったから。又馬はこれが現実とは思えなかった。



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どうも(^^)/

今回は急な展開になりました。果たして、佐天さんや、又馬に何があったのか…そしてここからどうなるのか…どうぞお楽しみに!!

それではまたこの場所で会えるように…今日はさようなら

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