小説『とあるUMAの伝説物語』
作者:神死槍()

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その日の夜

「ふぅ…疲れた…なんで、書類片付けんのに、こんなに疲れんだ?」又馬は一人ぶつぶつと一人言を言いながら、ベットに寝転がった。

そのまま五分経った

突然、机に置いてある、携帯電話が鳴り出した。

又馬はゆっくり起き上がり、机に置いてある携帯電話をとり、画面を見た。覚えの無い、電話番号…

又馬は通話ボタンを押し電話に出る。

「もしもし?」

[又馬…希助…だな?]

この声を聞いた瞬間、又馬は体の芯から凍りつくような、そんな気がした。どれだけ、頭で冷静になろうとしても、体が危険だ、電話を切れと、叫んでいる。

[又馬希助…まさか…生きていたとはな…]電話口の男は、そう言ってきた。又馬の体は恐怖で怯えている。学園都市最強かも知れない、又馬希助も恐怖で怯えている。

「悪趣味な奴だな…人の行動を覗いてたってか…?」又馬の口は震えながらも、ちゃんと応対している。

[変な言い方をするな…]

「俺の頭を好きにいじりまくった奴が今更俺に、なんの用なんだ!?木原 研弄(きはらげんろう)!!」又馬は一人、叫ぶ。すると壁から、コンコンと音が聞こえてきた。どうやら、隣の住人が静かにしろバカと言っているようだ。又馬は仕方なしに、寮の屋上に瞬間移動した。

[お前の頭が最近フル稼働していると聞いてな…お前も知ってるだろう?あのツリーダイヤグラムが何者かによって、破壊されたんだ。]

「それがどうした?」又馬は怒りながら、答える。

[だから、ツリーダイヤグラムクラスの頭を持つ、お前が必要になったんだ。ハッハッハ!!どうだ?研究所に戻らないか?]木原は笑いながら、答えた

「断る…自分の頭でもいじってろ!!」

[てめぇの頭に制御装置でもつけときゃ良か………]又馬は通話を終了した。


「く…」又馬は息を切らしてその場に座り込んだ。顔には汗がつたっていた。手のひらは恐怖で手汗をかいていた。
それを見て、又馬は拳を握りしめて、立ち上がり、走り出した。そして、学生寮から隣のビルに飛び移った。さらに、次のビルに…その次のビルに…どんどん飛び移っていき、まるで空を走っているのかと錯覚を起こす。

しばらく飛び回った。すると、携帯電話のバイブルが鳴った。空中にいながら、携帯電話をズボンのポッケから取りだし、電話に出る。
「も…もしもし?」又馬はさっきの事もあって、恐る恐る話しかけてみる。

[あ…もしもし…又馬さんですか?…さ…佐天です…]電話の相手は佐天だった。又馬はまだ空中にいる。又馬は応答した。

「どうしました?」

[…すいませーん!!風の音が強すぎて、よく、聞き取れません!!]

確かに、そうだ…又馬はそう思うと、すぐさま、目の前にある高層ビルの屋上に着地した。

「すいません…聞こえる?佐天さん?」又馬は息を切らしながら、電話口の佐天に話しかける。

[あ…はい!!大丈夫です。]佐天はそう言った。又馬は、空間移動で、寮の自分の部屋へ戻った。そして、ベットに寝転がると、電話に再び、耳を当て、再び応対を始める。

「何か、相談?」又馬は、そう聞いた。

「はい…相談なんですが…」



「なるほど…ね…佐天さんの回りには、高レベルの能力者ばかりいて、いつまでたっても、能力が開花しない自分が、いやだと…」

[…そうなんです…前に、空想御手(レベルアッパー)っていうのに、手を出して、皆に迷惑をかけちゃった事もあって…初春に、自分は能力以外に、大切な物があるって、気づいたんですけど]

「やっぱり、憧れは捨てられない…と?」

[……………はい]

「なるほど…それで?俺に何して欲しいの?」又馬は佐天を試すように、質問する。

[何を…って…それは…]佐天は戸惑って答えを出せなかった。悩んだ結果、良い答えが出なかったのだ…

「一つだけ、聞かして…」
[何ですか?]

「佐天さんの、能力者になるっていう気持ちは変わらない?」

[え…?気持ちって…は…はい…変わらないと…思います…]

「わかった…それじゃ、明日の夜から、佐天さんの寮へ行くよ…」

[えぇ!?いや…何でですか!?]佐天は戸惑いながら、答える。

「佐天さんの夢を叶えるため…かな?」





次の日

交差点で…
「佐天さん〜明日、空いてますか?」初春は佐天に元気よく聞くが、佐天は、静かに答えた。

「ごめん…明日から、五日間…何処へも行けないんだ…」

「えぇ!?いつでも暇人な佐天さんにも、用事があるんですか!?」からかっているなら、笑えるが、真剣に驚いているのを見ると、少しムカつく。

「私にだって、用事くらい、あるよ!!」

「そうですか…あ、私、お使い頼まれてますから、ここで失礼しますね…」初春はそう言うと、走っていった。

「………。」佐天は道を真っ直ぐ進んだ。


男子寮で…
「あぁ…不幸だ…」上条当麻はいつもの口癖をいつものように呟いていた。

「どうした…当麻?」又馬は上条の部屋のベットに座り込んで、軽く聞いた。

「いや…な…宿題を半分くらい、無くして…明日、学校にもらいに行かなきゃならなくなって…」

「お疲れさんです…」又馬は上条当麻を哀れに思った。

そして…あっというまに、時間は、過ぎ去り夜になった。

「さて…と…いつ来るんだろう?」佐天は、自分の部屋を片付けて待っていた。全ては、夜に部屋に来ると言ったはた迷惑な男のせいだ。

「お邪魔しまーす」佐天のすぐ後ろに、又馬が現れた。
「へぇ!?」佐天は、驚き、後ろを振り向いた時、足をひっかけてしまい、近づきすぎたために、又馬を巻き込んで、倒れてしまった。

「痛ってててて…なんだこのラブコメ…」又馬は頭を押さえてボヤいてみた。

「す…スミマセン!!」佐天は、すぐさま、立ち上がり、謝った。

「あのねぇ…こんな事してたら、視聴者が殺意を向くでしょ?」

「え…あ…視聴者?」

「こっちの話だけど…」



〜五分後〜
「それで、何をするんですか?」

「僕が、時空を造り出す。その中で、五日間…いや…五年、修行をするんだけど…」

「なんか、どっかで聞いたことのある、設定ですね…ていうか…五年って…」

「時間の流れが違うんだ。僕らの体は、今いるこの世界に合わして、成長している。つまり、この世界ではない、違う世界に行けば、僕らの体は、元の世界での速度で、成長する。」
「それじゃ、私達は、その違う世界に行けば、その世界の速度に合わせ…ん??」

「まぁ…よく解らないよね…つまりは、佐天さんの言った通り、その別世界の速度で、体は、成長するんだけど…俺の、造る世界は、この世界の成長速度で、一日分。向こうの世界で、一年分生きるのと、等しくなる。だからこの世界の一日分の成長で、向こうの世界での一年分の成長が出来る。つ・ま・り…一日の成長で、一年間過ごせる。」


「?」

「まぁ良いや…つまりは、五年かけて、能力開発しましょうって事…」又馬はそう言うと、手を合わせて力を入れて時空を造り出した。その顔は、とても辛そうで、佐天は見ていられなかった。

「この丸っこいのに…触れて…」佐天は言われたままに、時空の欠片に触れた。その瞬間、佐天の体は吸い込まれてしまった。次に又馬も吸い込まれた。






「ここは…どこ?」佐天は何もない、白い空間にいた。回りは無限の無…どこまでいっても、白い空間が広がる。終わりはない。はじっこもない。そんな世界に浮いていた。体に重さも無い。

「おーい!!佐天さんー!!」又馬が向こうの方で呼んでいる。

「………。」佐天は又馬の方へ行こうとした。しかし体は進まない。重力も無ければ、蹴って進むための物もない。進みようがない。すると、又馬がこちらにきた。

「ごめんね…説明してなかった…取り合えず、大地と、重力を造る」その瞬間、足の下には広い大地が出来た。そして、体に重みがついた。地面に足がつく。それはごく当たり前の事なのに、凄く感動する…

「次に、僕らの街…学園都市の建築物を…」すると、一瞬の間に、建築物が並び立った。

「すごい…」

「さて…まだまだ造るものも沢山あるけど、取り合えず、ここで、佐天さんの能力を開花させよう…」又馬は佐天に、手を出した。

「…はい!!よろしくお願いします!!」佐天は手を取り、頭を下げた。


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はい…神死槍ですm(__)m


今回はかなり文字数と又馬の凄さを感じさせる回になったと思います…m(__)m

木原研弄などというキャラも出てきて何やら大変な事になりそうですが、これからも頑張って行きますので、どうか皆さん見捨てないでください。m(__)m

それではまたこの場所で会えるように…今日はさようなら

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