小説『とあるUMAの伝説物語』
作者:神死槍()

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一方通行とのバトルを終え、又馬は人通りの多い、道へ空間移動した。又馬が歩き出した瞬間…突然、激しい頭痛が又馬を襲った。

「が…あぁ…」又馬は苦しそうにもがきながら、死にそうな声を出し、その場に両膝をつき、頭を抱え踞った。
「あぁ…ぁ…っ…」又馬の声が途切れた…前にバッタリと倒れてしまった。通行人が、又馬を取り囲む。中には、病院に電話をするものもいた。
救急車はすぐにやって来て、又馬を連れていった。




それから、二日間…又馬は一度も目を覚まさなかった。

(ここは…どこだ…?)又馬は、暗くて狭い檻の中にいた。
(ここは…知ってる…幼い頃に、学園都市に来たさいに、連れていかれて、入れられた、収容所だ…)又馬が思い出していると、頭に包帯を巻いた、小さい子が、研究者達に、引きずられてきて、又馬が入っている檻の中に入れられた。
(大丈夫か?)又馬は小さい子に話しかけたが、返事がない。仰向けになっているから、ひっくり返してあげようと、思った、又馬は小さい子に触れようとした。
しかし、又馬の手は小さい子の体をすり抜けた。
(っ!?)又馬はすぐに手を引っ込めた。すると、次の瞬間、小さい子の指がピクリと動いた。
(ぉ?)小さい子はゆっくりと起き上がった。
又馬は驚愕した。目の前にいるのは、幼い頃の自分だったから…





「ぅわ!!」又馬は起き上がった。かなり、息があがっている…体も汗をかいている…
落ち着いて、辺りを見回すと、暗くて狭い、檻ではなく、広くて、明るくて、柔らかいベットに寝ていた。
「ここは…」又馬が状況を把握しようとしている時、扉がガラッと開いた。又馬はゆっくりと、ドアの方を見る。
そこには、カエル顔の医者がいた。
「目が覚めたかい?君、随分と、魘されていたようだけど大丈夫かい?」

「夢…………?」又馬はそう思うと安心したような顔をした。カエル顔の医者は、又馬の近くに置いてある、椅子に腰掛け、質問を始めた。
「君…学園都市に来たのは初めてかい?」カエル顔の医者は、又馬に向かって、真っ直ぐに質問を始める。
「…いえ…幼い頃に…一度だけ、来ています…」又馬はゆっくりと、答える。
「詳しく、話してくれるかい?」カエル顔の医者は、又馬にそう言った。
又馬は、喋らないつもりでいたが、なぜか、この医者だけは、喋っても大丈夫と、心のどこかで安心してしまった。
「実は…」又馬は自分の過去の事、自分が今いる状況の事、そして、この前の電話木原研弄からの電話の事、全てを話した。






「なるほど…ね…」カエル顔の医者は、深く考えていた。そこで、又馬は自分がなぜ、倒れてしまったのかをカエル顔の医者に聞いた。
カエル顔の医者が、説明しようとしたら、病室の、扉がガラッと開いた。花束を持った佐天が、入ってきた。
「あ…又馬さん…目が覚めたんですね?」佐天は嬉しそうに、又馬に近寄った。
「え…あ…あぁ…うん!!も…もう大丈夫!!」又馬は佐天に笑顔を見せた。
「また、後で来るよ…」カエル顔の医者は、フッと笑い、病室を出ていった。

「又馬さん!!聞いてくださいよ!!」佐天は又馬の手を握りしめて又馬に話を聞いて貰おうとした。
「(痛い痛い痛い…)な…なに?」痛みをこらえながら、又馬は無理にも笑いながら、佐天に聞く。
「この前の補習で、いい、結果が得られたんで、先生にもう、来なくて大丈夫って言われたんですよ!!」
「へっ?あ…あぁ…よ…良かったじゃん…」又馬は何の事かさっぱり分からなかった。しかし、適当に相槌を打っていれば、いつか、帰ってくれると、信じて、適当に話を流していた。


しかし…

(いつになったら帰るんだ?)又馬はそう思った。佐天が来てからもう二時間もたつ。
しかし、話を聞きっぱなしの地獄がついに終わったかも知れない。佐天が、花の入っている、花瓶を倒したのだ。花瓶は割れなかったもの、床が水浸しになってしまった。
「す…すみません…すぐ、入れ換えてきます」佐天は走り、水を入れに行った。
「先に、拭けよ…」


「すみません…入れ換えてきました!!」
佐天は走って入ってきた。
「おい!!おい!!走ると危な………」又馬が言いかけた時にはもう、佐天は足を滑らせ、花瓶を抱えたまま、こっちに飛んでくる。

〔バシャン〕水がかかる音が、病室に響き渡る。
又馬と佐天はびちゃびちゃに濡れてしまった。ただたんに、濡れるだけならまだマシだ…
佐天は、又馬の上に乗っかっていた。しかも、濡れている状態で…
又馬は迷惑そうな顔をした。頭から、水を被ったのだから…
「す…すみ…ません…」佐天はゆっくりと起き上がって、謝罪した。しかし…
「さ…佐天さん!!前!!前隠して!!」佐天の服は、水のせいで、透けていた。そして、又馬は気づく…ドアが開いている事、そしてそこにカエル顔の医者が立っていることに…
「…………。」カエル顔の医者は何も言わない…
「いや、せ…先生…ち…違うんです!!こ…これは不可抗力というやつで…」又馬は焦って誤魔化そうと思ったが、カエル顔の医者は、一言…言って出ていった。その言葉は…
「若いねぇ…」

「誤解だぁぁぁぁぁ!!」又馬は一人叫んでいる。その叫びは、病室に響く。
「又馬さん…すみません…何だか…熱っぽくて…」佐天は…顔を赤らめながら、又馬にもたれかかる。
「さ…佐天さん!?な…なぜそんな…そんな…熱っぽい声質になってるんです!?」佐天の肩を揺さぶってみたが、佐天は動かず、又馬にもたれかかったままだった。又馬は取りあえず、佐天の額に手を当ててみた。
「熱っ!!」佐天は熱を出していた。
「そんなバカな!!こんな短時間で…ほんとに発熱するなんて!!」

佐天はぐったりして動かない…又馬は取りあえず、佐天をベットに寝かせ、休ませた。寝れたままはさすがにいけないので、体を拭くことに…
(いや…まて…無理だ…服を拭く分には問題ないが、体は……)又馬は一瞬迷ったが、正論を叩き出した。
(落ち着け…看護師を呼んでくれば…)しかし、この状況をどう説明する?
(いや…無理だ…水を被ってびちゃびちゃになったなんて、説明しきれるのか?説明した所で、怒られるのがオチだし…)

考えに考え抜いた上…又馬がとった策は…



夕方
「あ…れ…ここは病室?あ、確か又馬さんと、水を被って…ってあれ?体が濡れてない…服も…」佐天は、又馬が寝ているはずの、ベットで寝ていた。そこに、又馬が花瓶を持って病室に入ってきた。
「あ…」二人の目線があった時に、佐天は、又馬にもう一度、謝った。
「ほんとに、重ね重ね…すみません…」
「あ…うん…俺も……ごめん…」又馬は顔を真っ赤にして、謝った。

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どうもです。神死槍です(^^)d

今回は、少しラブコメに走りました…書いてみて思ったことは…自分って下手だなぁ〜


まぁそれはさておき、次回で20回目です!!目標まであと一回です!!皆さんどうか見捨てないでください。

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