小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-レイゴ

「さてと、今日一を呼んだのはこうしてお茶会をするためだけではないのでけるよ。」


ローラさんが紅茶のカップを机の上に置き話を始めた。
しかし、


「それはそれは、お茶会のためだけだと思っていましたのですが」

「む、私がお茶会のためにしか一を呼ばないと思うけりか」

「当たり前でしょう。
逆に聞きますが、お茶会以外にしたことはしたことはありますか?」


毎回毎回こちら事情を無視して呼び出される方の身になってください。


「ありけるわよ!雑談会とか!」

「大して変りないでしょう!」

「む〜、まあいいのでけるよ。
大人な私は寛大な心で許してあげるのでけるよ」


無駄に胸を張って言っていますが、それはこちらのセリフなんですがね。
頭が痛くなり、紅茶を一口口に含め話を促す。


「今回一を呼んだ理由は、そろそろネセサリウスの仕事をしてもらおうと思ったためであるのよ。」

「なるほど、ついに初仕事ですか。
それで仕事の内容は?」

「うむ、今回あなたに任せる仕事は魔道書の運送の護衛。
正確に言うならば魔道書『螺湮城教本』を運ぶ運び屋、オリアナ=トムソン護衛であるのよ。」

「護衛、それにオリアナ=トムソンですか?」

「そうであるのよ。
オリアナは魔道書の持ち主であった組織が雇った運び屋で、
ネセサリウスまで魔道書を運ぶのが仕事であるのよ。
それを護衛してもらいたいのであるのよ。」


ふむ初めての任務が魔道書の運送兼護衛とは、期待してもらっていると考えてもよいのでしょうか


「了解しました。その任務受けさせていただきます。」

「うむ、よろしくであるのよ。」


Side-out


Side-オリアナ

「う〜ん、今回はネセサリウスとの協力か〜
お姉さんとしてはあまり大きな組織とは、接触したくない位だけどな〜」


大きな組織になればなるほど、様々な悪意が渦巻き。
大きな組織になればなるほど、大のために小を切り捨てることになる。

人のためにと働いているのに、人を傷つけることになる。


「まあ、今回は魔道書の運送だけだし、
あんまり気にしなくても大丈夫かしらね。」


金髪の美女は一人そう呟きながら街を歩く。
魔道書の受け取り場所はここのはずだけど、早く来すぎたわね。

受け取る日付どころか、ネセサリウスの人が合流する日にもなっていないわね。
まあ、街並みの情報は知っておいた方がいいし。
街の散策でもして時間をつぶそうかしら?


「やるべきことは多いわね〜。
いつもなら一人だけど、協力者がいるのならば連携の確認もしなくちゃだし。」


そのために、魔道書の受取日と合流日が違う。
連携をするためお互いのできることの把握、問題が起きた時用の計画を立てるためである。


「それにしても魔道書か・・・・
魔道書をろくに書くことができないお姉さんがこの仕事をするなんてね・・・・
お姉さんとしては複雑。」


そんなことを気にしていてもしょうがない!さっさとやるべきことをやりましょう
そう思い街の散策を始めようとしたとき


「すいません、あなたがオリアナ=トムソンさんでしょうか?」

「ええ、そうよ。
お姉さんがオリアナ=トムソンよ。」


これが後に私の大切な存在になる一一との初めての出会いだった。
お姉さんとしても一目見たときから気に入っていたけど、
ここまでの存在になるとは思っていなかったわね〜

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