小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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「ふむ、何故か研究所が半壊していますね」


研究所に着いたのはいいが、
何故か半壊しておりどうしたものかと首を傾げる一同


「ほっといたらいいんじゃない?
 勝手に任務が達成しそうな気がするわよ?」

「そのような気がしますが・・・
 逃げられたら駄目なので一応突入しますか」


オリアナのサボってしまおう発言に同意を示しながらも、
任務を忠実に守りましょうと指示を出す。

オリアナ自身、自分の提案が叶うとは思っていなかったため
素直に一の言うことを聞いていく


「では、行動に移しましょうか」

「「「「はいはい(わかりました、了解です、・・・ん)」」」」」

「・・・・見事にバラバラですね」


一とエスト、レッサーと恋とオリアナに分かれ目標地点に歩き出す

分かれるときに一は恋とオリアナに目配せをする
先ほどまでの間に緊張は解れたといっても、
実践と訓練は別物

運の要素で死ぬこともあり得る

だからこそ実践慣れをしている二人にレッサーのことを気にかけるようにと頼む


二人とも分かっていたのか、
その目配せの意味を瞬時に理解し、頷き返す。

そのことに笑みを浮かべ、自分たちも行動に移す


「エスト、行きましょうか」

「わかりました、一」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



研究所の中を歩いていく二人。

走り回っている研究員たちを排除しながら集めた情報によると、
実験体の暴走によって今の状況になっているらしい。


個の暴走を止めるためにも援軍が派遣されるらしいが、
どうやらそれは一達のことで、
本格的にここは見捨てられているようだ。


初めは援軍と間違えられたことを利用し、情報を得ていたが

必要な情報は大体得ることができたため、殲滅を開始し始める。

この時になってようやく援軍ではないと気付き、
警備が銃を向けるが
それより先に一が近づき一瞬で命を奪っていく。


「ふむ、警備が脆弱ですね。
 普通は暗号等の確認をするものでしょうに。」

「それほど焦っていたということですか?」


エストもまた、髪や身体の一部を刀など武器に変化させ敵を殲滅していく。

エストは神・妖の力を混ぜ合わせた物であり、
その二つの属性を持ち得るのは人間ということで人造人間を媒介に、
神妖の融合を成功させ、神妖刀を作り上げている。

つまり人でありながら刀でもある。
それにより自らの体を変化させることができる。
つまりは武器限定の肉体変化(メタモルフォーゼ)であり、これは原石としての能力でもある。

エストのもう一つの姿は刀だが、能力の応用で鉄球などの変化や
相手を無力化するために髪の毛の硬度を上げ、拳の形に変化させなどもできるなど
様々な利便性がある。

これによって人の状態でも武器の能力を使用でき、
武器の状態でも自身の形状を変化させることができる。


ちなみにエストは常に行動を共にできるように、疑似纏状態というのもある。
エストは二つの姿に、肉体変化というあり方を変える能力。

存在が曖昧であるため、纏とは相性がよく
纏の強弱を自由に変えることができる。
その最弱形態が姿恰好は変わらず、能力の強化もないが身体を一つにすることができます。

メリットは危険性がないこと、意識が二つある以上周りへのより高い警戒ができる、
二人が個別に能力を使用できるがあります。

デメリットは纏としての本分、圧倒的な強化が出来ないことですね。
ですので疑似纏状態です・・・・蛇足ですね。


「ですかね。
 ・・・エスト、肉体変化を使うのは自由ですが神・妖刀の能力はあまり使わないでくださいね。」

「?何故ですか?」

「もう少し警備が硬いものだと思っていたんですが、
 これほど脆弱ならば、武器の能力を使用するならばデメリットの方が大きすぎます。
 この都市では魔術は異端、些細なものならば構いませんが、
 聖剣・魔剣の能力は目立ちすぎますからね。」

「わかりました。具体的にはどこまででしょうか?」

「そうですね、エストのもう一つの姿の神妖刀『陰陽』はもちろん、
 分かれた姿の神刀『正宗』、妖刀『村正』も不可。
 ダーインススレイヴ、バルムンク、エクスカリバー、デュランダルなどの一級・特一級も駄目です。」


エストは古今東西の聖剣・魔剣・聖槍・魔槍などの因子、
原初の泥、この世全ての悪の泥、この世全ての全の聖水、人造人間、人形を混ぜ神妖刀を作り上げている。

そのため、本来の能力は異常に強い。
また特一級等の武器もまた能力も様々な材料の掛け合わせによって強力になっており、
科学勢力でそのように目立ちすぎる力はデメリットが大きい。

もっと警備が硬いものだと思い、
命の危険などを考え許可を出していたが。

この状況ならば必要ないと判断したための支持である。

但し、命の危険がある場合は使用してもいい支持も一緒に出しておく。
了解の返事を聞きながら、二人はさらに進んでいく。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ここですね」


研究所の奥にある一室。
どうやらここに被検体である少女はいるらしい。

ここに来るまでの途中に研究員から手に入れたカードを使用しドアを開ける。


「ひっ!」


部屋に入った瞬間悲鳴が起きる。
どうやら中の少女が悲鳴を上げたようだ


「実験はいや!嫌です!!」

「安心してください、研究員じゃありませんよ」

「いや!!」


こちら側の話を聞かず、怯えるだけの少女
安心させてあげたいんですが、話を聞かない以上できません。

なるべくなら同姓のエストにあの少女を安心するように説得させたいんですが、


「?」


まあ、無理ですよね。
となると私がする必要がありますよね

おそらく少女は何も信じられない状態でしょうか、少しでも安心できるように
エストに外で警戒を頼む。

エストも今の最善の行動を理解しており、
「わかりました。」と返事し部屋から出ていく。


そして今も狂乱状態になっている少女に近づいていく。


「いや、いや、いや、いやぁ」

「大丈夫、大丈夫、大丈夫です」


彼女に触れられるぐらいに近づき、目線が合うようにしゃがむ
その瞬間


「いやあああ!!!!」


彼女から拳が振るわれる。
少女の拳と無視をしようとしたが嫌な予感が働き咄嗟に力を受け流す。

その力は少女としてはあり得ない力であった。

ここは研究所の被検体が軟禁されている部屋、
つまりはこれが彼女の超能力なのだろう。

それを考えつつ彼女の腕を引き寄せ抱きとめる。


「大丈夫、大丈夫ですよ、辛かったですね、苦しかったですね
 もう大丈夫です、貴方を助けに来ました。
 安心してください」

「本当・・・です・・か?」

「はい、だから安心してください」


人が安心するのは海の音、川のせせらぎなど様々ありますが
やはり一番安心するのは人の体温、心音でしょう。

少しでも安心できるようにと、

彼女を癒せるように強く抱きしめ

私は頭をなで続ける


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宝具『慈愛の抱擁』w

まあ、それはともかくして

実際作者としては、傷ついた時近くに人の体温を感じると安心すると思うんですよ
両親とか、祖父母とか、兄弟とか

私はそうでしたね〜体験談からして。


今後とも抱擁は結構出ると思います。
一のキャラ性にもあってますし。

でもハグってナデポ、ニコポと違いミスったら一発変態ですよね・・・


ではでは!今後とも応援・コメントよろしくお願いします!
特にコメントお待ちしております!!


それにしても被検体の少女・・・一体誰なんでしょうね?www

-60-
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