小説『短編集』
作者:tetsuya()

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 新聞で報道される性犯罪の九十九パーセント以上が、男性から女性への痴漢行為だ。稀に女性から男性というのはあるが、滅多に報道されることはない。

 それについては男性が我慢しているのかはわからない。女性から男性への逆セクハラだって山のようにあるだろう。事実、それに苦しんでいる人もいるが、ここでは一般的である男性から女性への痴漢で話を進める。

 男性にいうならどうして人生を台無しにしてまで、痴漢行為を働くのだろうか。そんなにやりたいのなら、お金を払ってセックスという合法的に身体を触れる店はいくらでもある。キャバクラとかも、お尻とかをなでなでできる。性欲を満たしたいのならそこに高い金を払えばいいだけの話だ。どうして関係ない人を巻き込む必要があるのだろうか。ある程度親しくなれば、肩に触れることもできる。

 女性を傷つける行為をスリルを楽しむために、やっているのだとしたら論外だ。痴漢されたことで、男性恐怖症に陥ってしまうことすらある。小学生や幼稚園児で痴漢された人は、大人になったときに大きな病を抱えてしまうだろう。痴漢をするのは他人への思いやりが足りない証拠だ。ほとんどの男性は他人を傷つけないよう、一生懸命痴漢は犯罪だと心に言い聞かせている。

 罪が軽いから気軽に痴漢できるのかもしれない。痴漢した方はせいぜい懲役数年、もしくは執行猶予で社会復帰してくる。人生を台無しにしておきながら、それでは軽すぎるのではないか。

 殺人などと違い、体の病は軽いが、精神的な病は大きい。それほど率は高くないかもしれないが、いっそ殺されたほうがマシだったと思う女性もいるだろう。

 犯罪の刑は殺人などは重く、こういった犯罪には軽くするのだろうか。心だけ殺されたとしても、将来には苦しむのに。痴漢などに限ったことではないが、心を傷つけたことに対する刑ももっと重くしてもいいと思う。心身一体という言葉があるように、体と心は両方健康であって、初めて意味を成す。 

 
 
 



 

 

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