小説『短編集』
作者:tetsuya()

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 最近人間の質が厳しく問われる時代になった。ちょっとした失言でモラルを追求される。いつからそんな息苦しい生活を送るのを義務付けられるようになったのか。最悪の場合、損害賠償に発展することもある。

 どうしても許しがたい暴挙は紛糾されて然るべきかなとは思う。反省させ、繰り返さないようにしていかなければならない。

 だけど、失敗しない人間は全世界どこにもいないということもきっちりと念頭におこう。機械じゃあるまいし多かれ少なかれ必ず失敗する。細かい失言や失敗をいちいち追及されていたら、滅入ってしまう。

 最近欝にかかる人が急増している。対人関係に神経を張り巡らせ過ぎて疲れたのだろう。会社の同僚はもちろん、知人友人すらも信用できなくなってきているため、ストレス発散するための場所も失ったのは大きい。

 悪くなった空気をがらりと一変するために、ちょっとした失言や失敗を寛容に認められるようになろう。こういった時代だからこそ、そういった人は重宝される。許してもらったらもらった分だけ、その人のためにがんばろうとも思えるだろう。他人にはできる限り優しくありたいものだ。


 

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