小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第14箱 「妹とのふれあいだ……」




















暫く、めだかと壁のサンドイッチ地獄を受けていた劉一は……

「うう…… 痛かったなぁ……」

…っと呟いていた。

やっと、めだかちゃんは放してくれたのだった。

謝ったのが良かったのか気が晴れたのかはわかんないけど・・・


「………………むぅ…」

まだ怒ってる……


「め…めだかちゃん!本当にゴメンね!?くじらさんとは道案内をしてもらおうと話していたわけで、遊んでいたわけじゃないんだ!! お詫びに何かしてあげるからさっ!!ねっ?ねっ??」

必死に自分自身を弁護!!そして お詫びをすると約束!

嘘はついてないよ?

そんなせこい大人じゃなく純粋な子供なんだから!!

お詫びといえば…… めだかちゃんのことだから多分勝負関係かなぁ………??

って思ってたら、

「むぅ…む! よし…なら詫びに……」


顔をグングン近づけてくる……??




「えっ?」




目を見開いた!

めだかちゃんの顔がどんどん近付いてくるんだもん……

で、あわてて顔を手で抑える。

「む?なんだ?この手は?」

「いやいや!こっちのセリフ!!何しようとしてるの?顔を近づけてきてさ!!」

息が合ったツッコミあいだなぁ・・・

「??…詫びをするといっただろう? それをしてもらってるだけだ!」

普通に答えるめだかちゃん。

「ええっと……うん。…お詫びって??……何をしようとしてるの?」

力がどんどん入ってるめだかの顔を頑張って抑える……

強いよ… 苦笑

「キスだ。」



!!!!!?????



「ええ!!…キ……キス??」

後ずさり………

「そうだ!知らないのか?唇と唇を合わせる行為だ、」

…しれッと答える。

「いっいや!知ってるけどさ!!ちょっとまって!!」

とりあえず隙を見てバックステップ!

ヒュッ!ってな感じで…

「…む?何故逃げる?詫びをしてくれるのではなかったのか? それとも…… 私の…ことが嫌いなのか……?」

最後の方は・・・声が・・・ ウル目が・・・


真骨頂?が来たよ…


「い…いやっ!そうじゃなくって……さ! …めだかちゃんのことはもちろん好きだよ!でも……キスって本当に好きな人同士が…… 恋人同士がすることなんだよ?ちょっと僕らにはまだ、早いよ!」

慌てて涙目のめだかを慰めつつ、行為を思いとどませようとした。




『私は劉一のことが好きだよ!大好きだ!!』




しれっと…… 告白だね… いやいや……

「う…… うれしいよ。それは」

そう言うと顔を輝かせて、

「ならば問題あるまい!!」

再び顔を近づけようとする。


「めだかちゃん……」


劉一はふう……っと落ち着いた顔で話す。  

「!!///(今の顔………ッ)な…なんだ?」

「もし…ね?大人になって…… うん。そうだね…。 中学……いや 高校生くらいになってもさ。…その気持ちが変わらなくて…… 僕も君の事を好きでいたら……その時にしない? 今は体も心も成長段階だから・・・これは嫌だからとか嫌いだからじゃなくて…… めだかちゃんを想って…のことだから……ね? …ダメかな?めだかちゃん…」

最後に微笑む。

「っ〜〜〜!///」

めだかは顔を真っ赤にしていって………。



しゅ〜〜〜

ボンッ!



って擬音をつけたいなぁ……

いやいや!!それより!!

「めっ!めだかちゃん!!大丈夫!!」

って駆けつけようとしたら…


「おお!めだかちゃん! 大丈夫かい??顔が赤いよ!僕が看病してあげよう!!」


どこからとも無くやってきたのは……

めだかの兄……

「……あ!」

名前知らないや・・・!

そして 兄がめだかに抱きつこうとした瞬間!

「ふんッ!!!!」

一瞬で正気を取り戻しためだかの右ストレート!!



ドスン!!



腹部にヒット!!



「げふ!!」

体が……くの字に!!

続けて……



黒神 ローリング・ソバット!!



ドガアア!!



「ぎゃああ!」

まるでスローモーションのようだ…

お兄さん……


「うう……痛そう……」


さっきの僕の比じゃないや・・・

って思ってたら・・・




≪ガッシャアアン!!≫




吹き飛んで窓を突き破って落ちていった……

……って!

「ええええええ!!ちょっ!! め…っ!めだかっ!! めだかちゃん!!!ちょっとー!やりすぎだよー!!」



慌てて身を乗り出して兄を確認したら…


「ああぁ…… 妹(めだか)ちゃんとの触れ合い……最高……」


昇天?…してた…… 何やら満足そうだ……

「………………ええ……!これ…結構高いよ…?」

驚異的な生命力……

めだかちゃんのお兄さんだからと言えばそうなんだけど……

それで くくっちゃっていいのかわかんないけどね? 苦笑

「お兄様はいつもああだ、気にしても仕方あるまい。」

…重度のシスコン……所謂変態という奴ね……

「あははは…… うん そうするよ……」

そう言って苦笑した。

「…劉一っ!」

めだかちゃんがこちらを見る。

「…ん?」



「約束だぞ!」


「え…?」



「……高校生になったらだな?私は決して……忘れないからな!」


そう言いきった。

「……うん!約束だ…ね。僕も… 忘れないよ…」

人から…好意を…こんなにもってくれるのは……かなり久しぶりのような気がする……

自然と笑顔になり、指切りをした。

でも……めだかちゃんって確か人間みんな好き!っていうんじゃなかったっけ……?

まあ……いっか!! めだかちゃんはそうでなくっちゃね♪








=================================================


その後……

すーっかり忘れられていた善吉はというと……

「2人とも酷いやっ!!僕をほうっておいて!!」

涙目になり…そして怒っていた!

「ごっ!ごめんごめん!!」

それで……

めだかちゃんに続き、善吉君までフォローを入れる羽目になったんだ。

つ……つかれたよぉ……


-15-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




めだかボックス 第5巻 [Blu-ray]
新品 \4778
中古 \3959
(参考価格:\7350)