小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第22箱 「オレは絶対!!生徒会には入らない!って ぎゃあああっ!!」

























【1組】

ザワ… ザワ…

あたりはざわめいていた。

内容は当然。

「ねぇ 聞いた? 新しい生徒会長…」「私たちと同じ入学したての一年のくせに」「冗談みたいな態度、それこそエルみたいなんでしょ?知ってる!」

あちこちでうわさに… そりゃあ、あんだけ言っちゃったらね…

「引くほど美人なんだけどやることなすこと滅茶苦茶に型破りでさ・・・・」「だろうな… それで先生もビビッててぇ出せないんだろ?」

ははは…変わってないな…

「♪」


ぽきゅっぽきゅっぽきゅっ………


「ん?」

この効果音は……

「あはは!よく啖呵きれるもんだね?あのお嬢様!」

話しかけてきたのは…不知火半袖。まあ、クラスメイトの1人。

「すっごいよね… あんなのまね出来ないよ僕には…」

苦笑いする。

「あは♪ それが普通でしょ?って言うより、人前に立つの慣れてるんでしょー?あのお嬢様はさ!」

2人で話してたのは問題なかったんだけど…

「カッ!」

傍で寝てた善吉が目を覚ました。

と言うより席・・・直ぐ隣なんだよね… 彼は。 危険な事に…

でも めだかちゃん見たく鋭いわけじゃないからね。良かったさ。

「あのな、お前らありゃあ 人の前じゃねー。≪人の上≫に立つのに慣れてんだ!」

………善吉はやれやれといった表情になる。

「んー あー そりゃそーだね!そーでなきゃ1年で生徒会長なんかなれっこないか♪」

不知火がにやっっとしながら言う。

「ははは… でも それはそれで異常だよ… 支持率にしてもね。」

苦笑いしてるのは僕。

「ははは!そうだね〜 ぶっちぎりのナンバーワンだもんねー! かくゆう あたしもあのお嬢様に清き一票をささげたわけですが♪
全国模試では常に上位をキープ!偏差値は常識知らずの90を記録! 手にした賞状やトロフィーは数知れず! スポーツにおいてもあらゆる記録を総なめ状態!実家は世界経済を担う冗談みたいなお金持ち! で、全長263メートル 高度6万フィートをマッハ2で飛行!インテル入ってる!」



“スパァァァン……”



……最後まで言い切ったと同時にとりあえずハリセンで軽く叩く!

「不知火…?もうちょっと分かりやすい規格外を言ったほうがいいよ! 凄いのは伝わるけど途中から分かりにくい!」

つっこむ!!

「……いやいや、途中から人類じゃなくなってるじゃんかよ!そこを突っ込んだんじゃないのか?劉一!」



ビクッ!



善吉に名前で呼ばれるのはまだなれてなかった、

でも、とりあえずは平静を保ってるから、問題ないと思う、

前髪で大分印象が変わるんだね… 実験してみたけど、分からないよ!って言ってくれた人!10人中9人!

善吉も気付いてないし!

めだかちゃんで実験は・・・したくないな〜・・・ 不吉だ・・・ 嫌な予感がするからね・・・ 苦笑

「ははは… まあまあ 的を射ているジャン! ちょっとはね。」

「マッハだとか高度とかがか?」

馬鹿話をしていると、

「んでさ!人吉はどーすんの? お嬢様が当選したって事は とーぜん人吉もはいるんでしょ?」

そう…彼は何度も何度もめだかちゃんに誘われている。

教室までは来てないが、

校内放送で呼び出してた時はびっくりした、

まあ 僕としたら好都合だけどね♪

「カッ!なわけねーだろ!これ以上アイツに振り回されてたまるかっての!」

そう言って善吉は立ち上がる!

「ははは・・・ って!!!!!!ッ!!!!」

それどころではなかった!

善吉がこっちを振り向いた時…

いつの間にか…

「オレは絶対!生徒会には入らない!!」

指差す善吉と全く同じポージングをするめだかが立っていた。

ガタッ!

思わずオーバーアクションを取ってしまったなぁ…

善吉は 気付いてないみたい。

「まあ そう連れないことを言うものでないぞ?善吉よ!」

頭を鷲づかみにしていた。

そこで初めて気付く!!

「ギャアアア!!!」

でそのまま持ち上げる、

凄いね〜 女の子のパワーじゃないね〜

「って… 感心してる場合じゃないか…」

ちょっとでも、目立たないように…ゆっくりと、その場を離れようとしたら…

「む?待て!貴様。」

なぜか…ご指名を!

「へうっ! なっ 何かな?」

いかん!!平常心平常心… こんせんとれーしょん……

「貴様…名はなんと言う?」

善吉をポイッっと放って… ひど!

「ええっとぉ… 御神ですが… 」

前髪で目は見えないのが良かったよ…

「そうか、御神同級生。名字は分かった。名は?」

ううぅ…

そこにくる?やっぱ

「…一です…」

ボソッと言う…

「何!?聞こえないぞ!?」

めだかちゃんの圧力(プレッシャー)は強くなる一方だ…

「おいおい…オマエがそんだけ圧力かけりゃ… 誰だって萎縮しちまうだろ?」

善吉が助け舟を!

なけるよ…ほんとに。

命の恩人だね。今度何かおごるよ!


(コイツの名がアイツ(・・・)と同じ劉一って知ったらめだかちゃんのことだ… 暴走するかも知れねぇ〜からな…とりあえず、オレが頃合を見て話したほうがいいだろ。そもそも コイツすっげえ、びびってるし。)

って事だったんだ…

で、この場は落ちつきそうだったんだけど・・・・・

「名前くらい言ったっていーじゃん!劉一!だよね〜♪前髪がイカスさー!」

そう言い放つ空気を読めないお嬢さん…

「「(不知火!!!!!)」」

「何!!劉一!だと!!!」

めだかちゃんは…大声をだし、こちらを見た。

「おい… 御神同級生。」

「はっ!!」

敬礼のような声を出す。

「私や善吉に合ったことあるか?」

尋問…?

「いっ…いえ!合ったことは…この学園が初めてです!!」

「…では 何処出身なのだ?」

うう…あの幼稚園の名前を出さそうとするつもりか… 誘導尋問?

ふふ…だけど、もう名前はばれてるし、もう恐れるものはない!こともないけど… 苦笑

心理戦で僕に勝てるかな?めだかちゃん…

とぼけきってあげるよ! かっこ悪いけど… 苦笑

「僕… 孤児なんです。 有る施設に幼少期よりずっといて…出身と言われても… ここの不知火理事長なら詳しくは知っていると思いますが。」

そう言った。

「孤児…?そりゃオレも初耳だな。何か悪い、連れがそう言わしてな。」

善吉が割って入ろうとしたけど・・・

めだかに防がれた… 苦笑

「ふむ。それはすまなかった御神同級生。では、その髪をちょっと捲ってもよいか?」

ドキーーーン!!

ええ!そうくるの!!

結構平常心で・・・ ポーカーフェイスだったと思うのに!!

「む?どうしたのだ?」

めだかがにじり寄る…

その時、善吉がめだかの肩を掴んだ。

「…その辺にしとけよ。もう、アイツ(・・・)は いないんだ… 」

肩を掴んで揺さぶる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

めだかは少し表情を暗くしていた・・・

「オレに用があるんだろ?さっ さっさと行こうぜ!」

そう言うと。めだかは無言で善吉と共に立ち去った。


「…なんだったのー?今のさ?」

「さっ…さあね。」

苦笑するしかない。

でも、善吉には感謝しかないなぁ・・・


【生徒会室】

「…なぜ とめたのだ?善吉よ。」

めだかがそう言う。

「…もし アイツがここにいたら… 直ぐにお前には話すだろ? ってことはアイツはいないんだ。同名の別人ってことだろーよ。」

「ふん!」

とりあえず、その話は終わりのようだ。

「んで…それよか 普通に現れて普通に連れてくることはできねーのか?生徒会長さん」

「それについては貴様が私の誘いをすげなくし続ける貴様が悪い。それによそよそしい呼び方をするものではないぞ! めだかちゃんと呼ぶがよい!」 ッ凛

そして、鏡の前に立つ。

「そりゃーよ!キツイのはわかる!でも だからって巻き込むなよ!お前って奴は昔からそうなんだ!子とあるごとに当然のように俺を道連れにする!オレの気持ちとかオレの迷惑とかちっとも考えてくれねぇ… 付き合いきれねーんだよ!実際!」

そういろんな反応(リアクション)をしながら善吉が語っているが…

全く聞いてないどころか、服を脱いで鏡の前でポーズをしていた。

「大体お前なら1人で生徒開業ぬをやり続けることも出来るだろ―――って うおおおおおいっ!」

やっと善吉も気付いたようだ。

「あっ!当たり前みてぇに人の後ろで着替えてんじゃねぇよ!もっと恥じらいをよーー!!」

後ろに後ずさりながら言う、

…が。

「?」

何をいってんの?見たいな表情をする。

それどころか、

「私と貴様の間に恥じらいなど何の意味がある?」

続いて…

「少なくとも小6まで私と一緒に風呂入っていた男の言うことではないな」「昔の話だ!!!」


あははは…

幼少のころの話って結構効くみたいなんだ…

「まあ、私は劉一とも入っていたかったのだがな…」

一瞬だけ寂しそうな顔をしたが、直ぐに顔を元に戻す、

「それに善吉 私は仕事を手伝ってもらうために貴様を引き込もうとしている訳ではないぞ?」

「ああ?」

善吉は暫く顔を背けていたため、一瞬のめだかの表情は見てなかったみたいだ。

「私は仕事がキツイと思ったことなど生まれてこのかた1度もない! 私には貴様が必要だから!傍にいてほしいだけなのだ!」

「!!!」

善吉は顔を赤らめていた、

彼女を…

劉一がいなくなってからずっと彼女と一緒にい続けたのは善吉だ… その為だろう…

一瞬混乱した善吉だが、直ぐに分かったみたいだ。

「で さしあたってはこの目安箱なのだが…」

そう言って、業務に入っていったのだ。

Side out















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めだかボックス 第5巻 [Blu-ray]
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