小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第40箱 「そんなの不可抗力じゃないよ!!」



























んで・・・

善吉と阿久根先輩のにらみ合いは続いていた・・・


この虫が!!っとか・・・

アンタ誰だったっけ!!


っとか・・・

子供のけんか? 苦笑

声おっきいからまる聞こえだよ…

「オレは心身ともにめだかさんに仕える者だ!めだかさんのためなら!例え毒蛇の如く嫌われようとも望むところだ!!」

うわあ…

凄いセリフ…


「よっぽど好かれてるんだね?めだかちゃん。」

「ふむ・・・中学時代にいろいろあってな。」

めだかちゃんはそう言っていた。

やっぱり ああいうのはあまり好ましくないみたいだ。

所謂…

「でも…自己を放棄するっていう姿ってのは…」

「言うな、劉一」

めだかちゃんが遮るように言う。

「え?」

「それは自分自身で気付かねばならない事なのだ。他人が言ったところで、あ奴には届かない。」

めだかちゃんはそのまま、各部員達のほうへと歩き出した。

「まあ・・・ その通り… かな? それに会ったばかりだしね僕は。」

コレばっかりは・・・ 賛成かな?思わず言っちゃいそうだったけど…

そして、めだかちゃんの後に続いた。




「さて 私に言わせれば柔道は教わるものではなく学ぶものだ・・・ それゆえに!」


めだかちゃんはセンスをパシッとしまうと左手を上に・・・右手を下に構える!


「まずは鑑定をしてやろう 貴様たちの値打ちをな われこそはと思うものから名乗り出よ!私、劉一どちらでもよい!全員1人残らず!相手になろう!!」


まだ 僕は承諾してないけど・・・?

劉一はため息1つ・・・

柔道部部員達はざわめいていた!!

構えがね・・・


「くくッ!ナメられたもんやなー 我が栄光の柔道部も!ってか なんで天地魔闘の構えやねん・・・」

笑いながら見ているのは部長の鍋島先輩。

「無理からぬ話ですよ いくら専門分野といっても めだかさんと勝負になるのは俺かアンタくらいでしょう。」

まだ若干赤い・・・阿久根先輩。

「くくっ そーかもな!ウチとしては もう1人の荒らし君・・・いや、ボランティアクンか?その劉一クンの実力の程が見れそうなんが楽しみや!」

劉一を目線にニヤニヤ・・・

「噂によれば黒神ちゃんは例の劉一クンに惚れてるらしいで?阿久根クン」

ニヤニヤしながらそう言うと・・・

「なっ!!!本当ですか!!!!それは!!!」

ぐああ!!っとつかみかかる勢いで・・・

「近いで?ジブン・・・」

手で阿久根先輩を抑える。

「ってか 善吉君に聞いたら早いやん?」

善吉を指差した。

「はっ!!そうだ!おい!!害虫(ムシ)!!」

ぐあああ!っと掴みかかる!

「近いですよ?阿久根先輩?」

顔を引きつかせながら答えた。

「さっきの話しは本当なのかっ!!」

がーーっと!!

「はぁ〜 いい加減離れてくださいよ! めだかちゃんが 人を好きなのはアンタもよく知ってるでしょ?別段驚く事は無いと思いますよ?」

とりあえずなだめた。

正確に話すとさらにめんどくさそうだ。

と言うわけでそう言ったのだ。

実際は・・・

少し嫉妬してる・・・?  ←「よけーな おせわだ!!!」




とか何とか問答してると同時進行で柔道鑑定も始まっていた。


「よおし!! だったら最初は俺からだ!!俺は副部長の城南!フツーに考えたら次の部長は間違いなく俺だろーし!」

バン!と名乗りを上げた!!


「はぁ・・・命知らずな・・・ あんな下心満載でかかってきたら・・・」

城南先輩の顔を見ながらため息をするのは劉一くん・・・



「おっ?城南クンか!」

「まあ妥当な線ですね。」

阿久根先輩はすっかり戻っていた。

何事もないように、元に戻り柔道を見ている・・・

善吉が言った言葉は効果覿面のようだった… 苦笑




んで・・・柔道 side では・・・


「ヒヒ!!それにこれ!うっかり おっぱいとかさわっちゃっても 不可抗力でいいんだよな!」

やっぱし・・・

城南は当然美人なめだかちゃんのほうへと突っかかる!

が・・・


スカッ・・・

「ありゃ!!」

城南は気付けば天地がひっくり返る!!


ドターーン!! 「ぐええっ!!」



「セクシャル・ハラスメントな発言してる時点で不可抗力じゃないよ!」

劉一がひっくり返していたのだ!

ちょっとムッとしていた。



「ふむ・・・ さすが劉一といったとこだが、指名は私だったぞ?」

めだかちゃんもむっとしている…

でも…少し嬉しそうな顔もしていた。


「ゴメンゴメン!ちょっと…ね?」

苦笑しながら頭をかいていた。


「・・・まあ ともかくだ、伝わってなかったみたいだな?私は全員まとめてかかってこいといったはずだぞ?ましてや劉一もいる・・・ 貴様らちゃんと聞いておかないと、今日は立って歩いて帰れんやもしれんぞ?」

めだかは倒れて目を回している城南先輩にそう言った。









「凄いで…?あのコ…」

引きつかせていたのは鍋島先輩…

「後の先の一本ですが…それより…」

阿久根先輩も同様だった。

「「いつの間にめだかさん「黒神ちゃん」の前に言ったかですね」やな…」

技の出来よりその移動速度が見えなかった…

比喩ではない。

本当に気付いたら、城南君がひっくり返って、あのコがおったって感じ?


「・・・人吉クンはどない思う?」

鍋島は善吉に聞く。

この中で一番あの一年生に詳しいのは善吉だけだからだ。


「べつに、あいつは全然目立った事 やってねーですけど、よくよく考えたら、俺が知る限り、初めてめだかちゃんに勝った男ですから 今更驚きゃしませんよ。」

「あの(・・)めだかさんに…勝った・・・?」

阿久根先輩は…その事実に驚く…

確かに技術は…速度は目を見張ったが…それほどとは思ってなかったようだ。

「って 言っても幼稚園の時ですけどね。」

最後にそう付け加える。

「なんや…?自分ら 所謂幼馴染なんか?」

「まあ…そんな感じですよ。」


問答してる間に…

めだかちゃんは柔道部員達をちぎっては投げちぎっては投げ…

天地魔闘は・・・某真・魔王さんの究極奥義だしね・・・

10人くらいじゃないと・・・ 苦笑

ってか、人間に使ったら死んじゃうよ? 苦笑


んでめだかちゃんは、

待ちから攻撃に変更したようだ…

劉一は腕を組んで立ってるだけ…でる必要なさそうだもんね…? 苦笑

苦笑していた・・・




「あのコも凄かったけど あの黒神ちゃんもまあ バケモンやな…」

クククッと笑う。

「あいつはあいつで中二で赤帯を取得するようなバケモンですから そっちも別段驚きやしませんよ。」

まあ…普通だなって感じだ。

その答えを聞いて、鍋島先輩は再び笑う。

「クククク!そーかいそーかい!善吉クンもその意見かい♪そーやろ? 化物言われようと天才呼ばれようとあのコは…あのコ達は出来る事を出来る(・・・・・・・・)だけやろ? 不可能を可能にしとるわけや無い 極端な話 ウチらが普通にあるいてるんと変わらへんで」

結構強引な論理だけどね…

分身の術とか結構不可能っぽいと思うけど…?? 苦笑


「まあ それに比べて、凡人の癖に天才達(バケモンたち)につきしたがっとう ジブンのほうがよっぽどスゴイやん なぁ?部活荒らしの人吉善吉クン?」

ずいっと顔を寄せてくる…って!

「それは納得できないな!」

直ぐ側にいつの間にか劉一が!

「おおぅ??ジブン 鑑定はええんか??」

驚きながらそう言う。

「ん?めだかちゃんがもう殆どやっちゃったから、僕は城南先輩だけですることないんだ。それより…」

劉一は顔を向きなおし・・・

「付き従ってるだけじゃないよ!善吉は!結構僕に押し付けたりしてるし! 僕はおまけにめだかちゃんにもいろいろと… どっちかっていうと 僕が付き従ってると思うよ…」

最後の方になるとハァ・・・・・・って感じ?

「(精神(メンタル)弱そうやなぁ・・・ まあ しゃーないか?この場合・・・)まぁ〜まぁ〜 それにしても それをこなしてるジブンはスゴイわ。何で一組やねんて感じやで?」

笑うのは鍋島先輩。

そこに善吉が・・・

「お前はだから13年間サボってたからしょーがねーの!俺のほうが年数的にひでぇんだよ!」

「うっ・・・」

そういわれたら言い返せないかも…

「???」

鍋島先輩と阿久根先輩はわかってないみたいだ。

当然か・・・

「とにかく、付き従ってるってのは語弊があります。それは劉一と同じですよ。俺はアイツに振り回されてるだけです。「僕もね・・・」 生徒会だってムリヤリいれられたようなもんです。」



そう言った時・・・

阿久根先輩が一瞬・・・笑みを浮かべたのが見えた・・・

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