小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第44箱 「も……もったいない!お言葉を……!!!」



























とまあ………。

不知火の「おかわり!」は何とか回避できまして…

元々残高が無いに等しいお金を守ることができました……! 涙。











そんなわけで!ここは!

【生徒会室】

前振り関係ねー!!ってのは、受け付けないので…

それほどお財布が深刻だから……。

うぅぅ………。


「おいおい……。劉一? もんどりうってねーで、早く仕事しろよ。」


善吉が庶務の業務。

目安箱を整理しながらそう言う。

「ああ……そーだね。 今の僕の仕事は君の補佐だし……。 うん!ゴメンゴメン!財布の中身なんて気にしない気にしな〜い…………。」

はぁ〜〜〜って聞えてくる……。

「………ったく、俺を巻き込んだくせに、んなに落ち込むなよ。」

善吉は、本来なら【大☆第一回高級焼肉食べ放題!飲み放題!!】の件で文句を言おうとしてたみたいだけど…。

タイミングがなかったようだ……。

でもね……。

善吉に劉一は!

言いたいことがあるようだっ!! 苦笑

「ん……。まぁ……あれだよ?善吉も同罪なんだだからね?被害者ぶってないでよ……。」

善吉の方を見る。

「うっ……。確かに不知火に紛れてオレもちゃっかりやってたけど、 アイツの比じゃないだろ??」

不知火の方があまりにも多いからオレは悪くない?って聞こえる……。

「……むっ!論点ずれてる!!そもそも僕におごらせたのが問題なの!ってか、ちゃっかりやってる分!寧ろ不知火より全然性質悪いよ!」

そうだよ!木を隠すのは森……って言うけど!

善吉!不知火に隠れて得してるし!!

「う………。 そーだけどよ!オレだってこの13年間の苦労をだな……。」

目をそらせながら……って!

「もうっ!善吉はそればっかり!酷いや!」

劉一!反論!!

「何言ってやがる!そもそもひでーのはお前だっての!!」

善吉!負けじと!! 苦笑



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善吉は…… 過去のことを……。

何度か使うんだ……。

しかも…自分に都合が悪い時!特に!!

もう!何回あったか!!

もーー! 使わせないよ!!!!

絶対!

いーーーよ!!

僕…やっちゃうよ!!!



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劉一は何かを…決心!! 



「あーーーもーー!そうだよっ!確かにねっ!僕が失踪してたのは悪かったよ!うんっ!はいっ!心の底から反省してます!!めだかちゃんにも悪いと思ってるしっ!それに、怒られた時は、実際に骨身にしみたよ!(いやぁ…マジで!)………それに、瞳先生にも僕……むちゃくちゃ怒られたし……!これだけあったんだよ??もう!これ以上僕をいったいどーするのさッ!」

平謝り!

土下座!!……はしてないけど。 苦笑




そう……善吉から瞳先生に伝わったんだ。

僕については……。

飛んでくるように…下宿先であって……。

っというか、ドア壊して入ってきた……。

初めはすごく驚いたけど…。

僕の方から行く予定だったのに…って言うのもあるから、さほど…問題はないんだ。

その時……瞳先生にはすっごく怒られた。

まあ、そんな場面なかったと思うけどね? 苦笑

でも……スッゴク怒られた後に……。

それ以上に僕を抱きしめてくれたんだ……。

うん……そうだね?この話は……また後に……。 苦笑


 


「むぅ……そこまで、平謝りされちゃ、もう、何もいえねぇよ…… う〜〜……っ!わーったよ!今回はオレが悪かった!ちゃんと今度おごってやっから!それで良いか?」



善吉が目を瞑って両手を挙げる。

そして……劉一からの返答は!

「うん♪OK〜〜♪」

劉一は即答!

目を開けた善吉が見たのは満面の笑みの劉一!!

今までの空気はなんだったんだ?って突っ込みたくなるくらいのだ……。

メチャクチャ、変わり身の早い劉一クンでした。

「……っておい!即答かよ!さっきのはどうした!?」

善吉がそう言うと……。

「え??えへへ……。もっちろんじゃん!不知火に飯を食わせてくれる人が見つかったんだから!喜ぶしかないよ〜♪」

ルンルン♪

スキップしかねないテンション♪

「………おい 一回だぞ!!」

善吉は……そう言う。でも……。

「ん〜 ?聞えな〜〜〜い!聞こえな〜〜〜〜〜い♪」

劉一はウキウキしながら仕事に就いた……。

「一回だからな〜〜〜〜!!!」

善吉はこれから起こる……否!起こさせない未来を……!

必死に変えよう!っと抗議してたけど。

聞えない防御!を崩せなかった。 苦笑







んで、暫くして、

めだかちゃんが帰ってきて、阿久根先輩も帰ってきた。

善吉はまだまだ、言ってたけど。

ちょっと空気が変わったせいか、黙った。



「書き終りました・・・確認してくださいめだかさん。」



そう静かに言う。

そして めだかちゃんも・・・頬に手を付きながら・・・静かに眺めていた。

んで 阿久根先輩はあっという間にハイテンションに!

「いやー!大変でした!なにせ女子の気持ちになって男子に恋文を宛てるなど初めての経験だったものですから! しかしその甲斐あって かなりの名文に仕上がったと自負しております!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・つまり 文面も貴様が考えたわけだ。」

静かにそう言う。

「ええ!どうでしょう?よければ早速八代先輩に届けてきますが・・・・・・・」

身を乗り出し・・・そう言う。

「・・・・・・・・劉一。貴様はどう想う?」

めだかちゃんは・・・なぜか僕の方を見る。

「なんで僕に?」

当然・・・今回はめだかちゃんと阿久根先輩がしている依頼だ。

そもそも、僕は依頼人にすら合わせてくれてないのに・・・ 苦笑

「貴様は私の補佐だ。・・・・劉一の意見も聞いてみたい。読んでみろ。」

そう言って、紙を劉一に渡す。

「ム・・・・何やら納得のいかないものがありますが・・・ めだかさんが言うなら良いでしょう!劉一クンの意見も聞かせてくれ!」

阿久根先輩は後輩にジャッジされるのが、・・・やや 不満だけど・・・まあ、事実生徒会に関しては後輩だし?

何より・・・

めだかさんが、一目以上おいている男だ。

相手にとって不足などは毛頭無い。

そう言って、劉一を見る。

「・・・・・僕は・・・」

阿久根先輩には悪いけど・・・厳し目に言おう。

きっと・・・いや・・・多分めだかちゃんもそれを望んでると思う。

・・・・・多分ね? 苦笑

「読むまでも無いよ。」

そう言って、閉じられたまま・・・めだかちゃんに返した。

「ちょ・・・どういうことだい!!」

阿久根先輩は当然ながら・・・納得いかないみたいだ。

「・・・他人が・・・考え、知らない相手を想って書いた恋文(ラブレター)・・・それで、何が伝わるのかな・・・?」

劉一がそう言う。

「・・・・・・・・・え?だ・・・だが、これは代筆してくれと言う依頼・・・」

「だから・・・問題なんか最初からないんだよ。八代先輩が、唯作ってるだけなんだ。・・・そんな彼女に勇気付けて・・・彼女自身の心(ことば)を書かないと、意味無いよ。 ・・・そうじゃないと、彼女・・・きっと後悔するから。」

劉一は・・・表情を暗くさせながら、そう言う。

「・・・・・」

めだかちゃんは、黙っていたが・・・

口を開く。

「劉一の言う事がわからないか?阿久根書記。」

「・・・!?」

阿久根先輩は・・・ちょっと放心仕掛けていたみたいだ・・・

めだかちゃんの言葉で・・・復帰した。

「たしかに、代筆が本来の依頼だ。だが、人が人に代われるなど思い上がるな。・・・私は、貴様なら、八代三年生を諭してやれると思っていたがな・・・」

そう言って、めだかちゃんは・・・

顔も見ず、阿久根先輩から、離れていく・・・

「貴様には失望した、もう何もしなくていいぞ」

きつい・・・宣告をしながら・・・

「・・・そこまで、言うかな・・・?」

ちょっと、流石の劉一もそこまで、言うと思ってなかったから・・・

いや・・・言うと思った!

でも・・・口を挟まなかった。

彼は、めだかちゃんしか、見えてない。

盲目になりすぎてるから・・・こういうことになったと思う。

これで・・・これが良い方向に言ってくれれば良いけど・・・


「・・・・・・・・・・・・」

阿久根先輩は・・・体を振るわせる。

「はぁ〜あ・・・ めだかちゃんは相変わらず身内にゃ容赦ね〜な・・・」

善吉は欠伸をしながらそう言う。

過去に何度も見てきた。っと言わんばかりに・・・

「ま、気にしちゃ駄目ですよ。アンタは何も間違っちゃいない。例によってめだかちゃんが正しすぎるだけ・・・「黙れ」」

阿久根先輩が・・・言葉を割る。」

「オレは虫に慰められるほど落ちぶれちゃいない・・・」

そう言って・・・自分の書いた紙を拾い上げる。

「・・・じゃ、僕が言おうか?」

劉一が名乗りあげるが・・・

「結構だ・・・劉一クン・・・キミに言われた事を理解しきれてなかった。が・・・一度の失敗で落ち込むほど、オレは弱くない。」

そう言って、紙を破る。

「そして 一度や二度の拒絶であきらめられるほど・・・できた人間でもない!」

完全に・・・破り捨てた・・・


「・・・うん、みたいだね。」

劉一はそんな阿久根先輩を見て、微笑む。

そして、阿久根先輩は・・・

ありったけの用紙と筆記用具を持って、生徒会室を出て行った。



「・・・はぁどこ行ったのやら・・・」

善吉は・・・欠伸をしながら・・・そう言う。

「完全に吹っ切れたみたいだね。次は大丈夫だよ。きっと。」

劉一は笑っていた。

「・・・劉一もめだかちゃんも同じだな。正しすぎだぜ?」

善吉はため息をつきながらそう言う。

「正しすぎる・・・か、あまり 良いことじゃないと思うけど・・・ そんなめだかちゃんをずっと見てきたんだろ?善吉は。」

そう言って善吉の方を見た。

「僕はそんなめだかちゃんが大好きだし、キミも大好きだろ?」

「うっ・・・・・// よ・・・よくもま・・・んな 恥ずかしい事を・・」

善吉は・・・ソッポ向いたけど・・・・

否定はしなかった。






そして・・・

八代先輩の下へ向かった阿久根先輩が出した代案は・・・

自分の気持ちに・・・相応しい字がかけるよう・・・練習をすること!だ。

もちろん・・・

「あ・・・あたしそんなの頼んでないぜ??」

っと・・・色々言ってたけど・・・

最後は・・・

阿久根先輩の魂篭った説得(恫喝?)で・・・八代先輩は練習する事を決意!









そして・・・


一週間の・・・

血もにじむ。特訓

合計10万字以上になる・・・

血豆が出来るほど・・・

書きまくる!

そして・・・

「で・・・できた!! ど・・どーだ!!!」

八代先輩は・・・そう言って文を見せる!

「・・・素晴らしいです。先輩の気持ち・・・伝わってきますよ。相手がオレとは違うのにも関わらずに・・・」

阿久根先輩は・・・自分の考え・・・書いた文とは比べ物にならない・・・っと感じていた。

確かに、文字の上手さ、文の内容は比べ物にならないが・・・

何かの賞を取る為の文じゃない!

相手の心を掴むための文だ!!

「よ・・・よっしゃ!!」

小さく・・・ガッツポーズ・・・

相当疲れてる・・・当然か・・・

「では!!渡しに行きましょう!!って・・・ああ、オレは付いて行くわけにはいきませんね・・・」

「う・・・//あ・・・//そ・・・そーだよ・・・な? よ・・・よっし・・・////」

八代先輩は・・・決心した・・・

先ほどまでの・・・疲れなんか吹っ飛んだみたい・・・ 苦笑


そして・・・

その心の篭ったラブレターを出す事も・・・

無事成功した・・・

結果に関しては・・・個人情報の保護の観点から伏せておきます。






そして、翌日。

【生徒会室】

「ふむ・・・終わってみれば、100点満点の仕事振りだ、見事な手際だよ。」

めだかちゃんは天晴れのセンスを持ち、そう言う。

「一体何を評価されているのかわかりません。後輩である、劉一クンに指摘された上でのことですし、自分に落ち度がありすぎました。」

阿久根先輩は直立不動で立っていた。

「まあ・・・そう言うな、成果をあげたときは謙遜するでない・・・」

「そうですよ。僕は言っただけで・・・ 八代先輩に決心させたのは先輩なんですから。」

劉一は笑いながらそう言う。

「・・・後輩に 格好悪いとこ見せた。これからはそんなことが無いようにしていく!」

そう言う。

「劉一もそう言っておる。私も貴様を褒めさせろ・・・」

そう言って、頭に手をおく。

「よくやったな阿久根書記。 失望したなどと・・・私が悪かった・・・  ありがとう!!!」

最後は満面の笑み!

それを見せられた阿久根先輩は・。・!!

ズッキュ〜〜〜ン!!!!

「こっ!!こちらこそ!!!ありがとうございます!!めだかさん!!!勿体無いお言葉ですぅ!!!!」

もはや、劉一がいること忘れた・・・みたい! 苦笑

「・・・・・・・・・・・」

善吉はなにやら・・・面白くなさそう・・・ 苦笑

「あは・・・悔しいんだ?」

「ンなわけあるか!!!」

劉一は善吉のそばまで来ていた。

「褒められたかったら、成果を出すしかないよ?善吉!僕も頑張る!」

「カッ・・・!!」


ちょっとすね気味の・・・善吉・・・

デレまくりの阿久根先輩。

笑いながら見ている劉一。

久しぶりの満面の笑みとツンデレを見せためだかちゃん・・・・

そんなこんなで・・・

黒神めだかの学園お花畑計画は・・・

もはや、生徒会室だけでは、収まりきれなく・・・

ついに、生徒会室の外にまで進出したのだった。










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