小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第45箱 「芸術家は勝手でなければいけないんです!!」




























それは翌日のこと…





「何?絵のモデルになってほしいだと?」

生徒会室で新たな依頼があった。

それは・・・

「はい!ずうずうしいお願いとは思いますが!是非!黒神さんに引き受けていただきたく!!」

机をばん!っと叩き・・・そう言ってるのは・・・




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


夕原慶太

所属:一年十二組
血液型;AB型
自称:芸術家(アーティスト)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




だ・・・ 苦笑

「はぁ・・・随分熱心だね。あ・・・そっか そろそろコンクールがあるんだっけ?」

劉一がそう聞くと、

「はい!その通りです!でも 「これだ!」っといったモチーフに出会えなくて・・・ッと言うか出会わないと筆が動かないんです!」

・・・そーなんだ・・・ 動かないんだね・・・・・

んな ばかな・・・



「キミは夕原クンだね。美術部員の?」

阿久根先輩がそう言う。

あまり突っ込まないみたいだったよ・・・

そして

有原先輩は首を横に振る、


「いえ!僕は美術部員ではありません・・・」

そして・・・目を輝かせ・・・胸を張りながら宣言する!



「芸術家(アーティスト)です!!!」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「(また面白い奴が現れたぞ・・・)」

善吉はず〜んとしていて・・・

「(はっきり言えちゃうのがまたスゴイ・・・ いろんな意味で・・・)」

劉一は はぁ・・・っとしていた・・・



そしてそして・・・

モデル依頼なんて露出狂の気があるめだかちゃんにはお〜るOKな内容だ・・・

やるぞ。やらせろ!!やらせれば?ッといった感じでね・・・



暫くして・・・

「さて!それでは夕原同級生・・・ 思う存分描くがよい!!」凛ッ!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ッ・・・・・//」

顔をそらせながら…赤くしているのが劉一クン・・・

「・・・・・・・・」

え〜口から何やらプラズマ?が出ているのが善吉クン・・・

「エッ・・・・クセレント!!!」

ちょ〜べた褒めなのが阿久根先輩。


と言うのも何の・・・

我らが生徒会長めだかちゃんは・・・下着・・・じゃないね・・・ 水着姿で・・・なぜかサイドチェストポーズをしていたのだ・・・


「素晴らしい!めだかさん!あなたは女神だ!!」

そして阿久根先輩は大絶賛・・・

「おいおい・・・阿久根書記、女神は言いすぎであろう?せめて妖精といったところではないか?」

自信たっぷり・・・・・

「ねぇ・・・善吉君・・・ どっちも代わらないと思うんだけど・・・後ちょっと聞いてみたいことあるんだよね・・・」

善吉に話しかける。

「・・・賢い馬鹿が二人になったな・・・ ああ・・・奇遇だな・・・劉一・・・一緒に言ってみないか・・・?」

善吉がそう言う・・・

「うん・・・いーよ・・・」

「「せーのっ」」

「「何で女神がボディビルのポージングするの?」んだ?」

・・・息ピッタリ・・・だった・・・ 苦笑


「いや 人吉君と劉一君 阿久根さんの言う通りだよ。なぜなら僕の今回のテーマは『浜辺の女神』!つまり女神で無ければ意味が無い!!」

ば〜〜ん・・・

「へ・・・へぇ・・・・ まあ それなら納得・・・かな?めだかちゃん美人だし・・・」

ちょっとテンションについていけないから若干苦笑気味でそう言う。

「む・・・・//」

めだかちゃんは少し顔を赤くしていた・・・

恥ずかしいのかな?露出狂の気があるのに?

「・・・ま 何よりだ・・・モチーフが見つかってよ・・・ だから水着姿なのね・・・浜辺の女神だから・・・」

善吉も苦笑気味・・・







ちょっと説明するとこの夕原君は美術系の特待生。

課題でコンクールに出展する為の絵画を仕上げないといけないらしい。

んで…さっきも行ってた通り…モチーフに良い出会いが無いと・・・動かなくなるそうで…

そこで、投書することになったみたいだ。

最早、学園一の話題となっている目安箱に。

ん・・・というか、めだかちゃんに白羽の矢があたったんだ。

そして…露出凶の気…もとい己の肉体を疲労する事に何も迷いが無いめだかちゃんにとって、こんなたやすい案件は無いのだろう…

とまあ、そんな感じであっさりと終わりそうだ。

善吉は…何やら不機嫌気味だったけど… 苦笑


でも・・・・・・・・・・・・


「だめだああああああ!」

描き終えた夕原クンは…頭を抱えて叫びだした!

「ちょっ!どうしたの??」

突然の奇行に驚きながら近付く。

「あれ?完成してるよ?何か問題があったの?」

劉一は絵をのぞきながらそう言った。

「問題…ありまくりです!僕には・・・黒神さんが描けない!!」

だから・・・かけてるのに・・・

「ああ?何言ってんだ?良い絵じゃん。」

善吉はひょいっとキャンバスを取りながらそう言う。

・・・が。阿久根先輩は違った。

「違うよ人吉クン!オレには夕原君の言っていることはよくわかる!」 

そして、絵に指差し…

「この絵はめだかさんの『美』を表現し切れていない!モチーフ以上のものを描かなければ絵画とはいえんのだ!!」

そうバシッと切り捨てる。

なるほど・・・

「そう考えたらそっか・・・モチーフとおりだったのなら、写真取れば良いだけだろうし… 芸術ってそれだけじゃないもんね?」

劉一は納得していた。

「そう・・・そして・・・僕は芸術家(アーティスト)・・・納得できるわけが無い・・・常に現実の上を行かなければならないんだ・・・」

そして、めだかちゃんの方を見る!

「つまり!完成した『美』であるところの黒神さんには・・・芸術性がない!!」

ズビシッ!!!っと・・・・

指差して・・・

「ちょっ!そんな酷いって!!」

劉一が庇おうと入ったとき・・・

「フッ・・・・・・」

めだかちゃんはそれほどでなかったようだ。

「あれ・・・?なんとも無い・・・の・・・」

っといっているうちに・・・ミルミル落ち込んでいって・・・


ず〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・


片手を壁について・・・

誰が見ても分かりやすい落ち込み方をしていた・・・・・

「めだかちゃん!!!」「めだかちゃんが落ち込んだーーっ!!」

善吉と劉一が叫んでた・・・


「おい!夕原!てめえ 勝手すぎんだろ!自分から頼んどいて芸術性が無いってなんだよ!!」

「確かに!!ちょっと酷いよ!いくらなんでももうちょっとオブラートに包んで上げなよ!」

そう言って喰いかかるけど・・・

「・・・芸術家(アーティアスト)は勝手なものだよ2人とも!否!勝手で無かったら芸術家(アーティアスト)ではない!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「何言っても駄目だと思う… だってあ〜てぃすとだもん・・・」

はぁ・・・っとため息・・・

「はは・・・おれは面白すぎて突っ込めねえは・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんなこんなで時間だけが過ぎる・・・

「どーします?阿久根先輩、劉一。」

とりあえず残された役員で頑張らないと…

「どーするも何もめだかさんはあんな感じだし…」

「そうだね…僕たちで代わりのモデルを探してくるしかない…かな?」

そう言うと…

「ピクン!」

めだかちゃんが…一瞬動いた…

気付かなかったけど… 苦笑

「そーなりますね。んじゃあ、おれ心当たりあるんで行ってきますわ。」

「ん…おれにもあるさ!」

阿久根先輩は…阿久根先輩で、善吉は善吉であるみたいだ。

「僕も…行こうk…わわあああ!!」

頭を鷲づかみされるような感触が…

現実だ!!!


「私は落ち込んでおる!慰めるが良い!劉一」凛ッ

どこがだよ!!ってツッコみたいけど…

「い…痛いよ!めだかちゃん!」

劉一は驚きながらそう言う。

「・・・例え、落ち込んでいても、誑かしに行く貴様を止めねばならんだろう!」

????

「えええ!!そんなことしないって!!痛い痛い!わかった!!わかったよぉ!!」



劉一は…観念して、めだかちゃん夕原くんとお留守番…




「ううぅ・・・・・・イタイ・・・ 2人ともぉ・・・・よろしくね・・・・」


頭を擦りながらげんなり・・・

「う・・・うん・・・」「おう。」

阿久根先輩は若干引きながら・・・

善吉は、いつもどおりでした♪



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