小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第46話 「よくわかんないけど…なんだか勝った!!」




























そして…

めだかちゃんが目をぎらつかせて見張られてたため…

劉一は何にもできず、お留守番をすることに…

「ふぅ…なんだかよくわかりませんが、大変ですね?劉一君。」

夕原君はそんな事言ってるけど…

「まぁ… 君のせいなんだけどね?元はさ。」

まるで他人事のように言う…

芸術家ってこんなものなのかな…

「え?僕?…???何かしたかなぁ…?」

考えてくれてるみたいだけど…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あ〜もう良いよ!なんでもないからなんでもないから!」

とりあえず、答えは出そうになく…ひたすら考え込んでいる芸術家を静めた… 苦笑

「そう?わかったよ。」

あっけらかんとしてるな…

「ま、いっか… そういえば、善吉達大丈夫かなぁ?」

外を見る…

「…む?劉一も行きたいのか?」

めだかちゃんは、まだ少し落ち込みながらそう言っていた。

あれ…?さっきまでは行かせるか〜みたいな感じだったけど?

でも…まあ、こんなめだかちゃんおいとくわけにはいかないし。

「もう… 行かないよ。ちゃんと側にいるから。」

ふぅ…っとため息しながらそう言う。

すると…!

「ありがとぉ!!」

がばーっと…

「わっ!!」

突然大突撃〜〜〜!!

ドターーン…

「…この場面(シーン)も芸術かもしれないなぁ…」

そんな2人をじーーーっとペンを握りながら見ていた…

「ちょっ… //めだかちゃん。落ち着いて…!」

顔を赤らめながらそう言う…

「りゅういち〜〜りゅういち〜〜〜〜!!」

すりすり〜っとほお擦りしてくる…

他人が見てたらかなり…シュールな…

まあ…いっか…

恥ずかしいけどね… //




そしてそして、

2人が帰ってきた。

それぞれ1人ずつ連れてきて…

善吉が連れてきたのは

陸上部の諫早先輩。

そして、阿久根先輩が連れてきたのは、

元柔道部部長の鍋島先輩だ。

入ってくるなり…

「オレの諫早をナメないで下さいよ!!この人脱いだらスゴいんですよ!?」

「何をほざくか!虫が!オレの猫見先輩は脱がなくてもスゴイぞ!!」

喧嘩始まったし…


「何言ってんの…2人とも… 折角来てくれたのに、そんな言い方失礼じゃないか…」

ってか、付き合ってるの?って言いたくなったよ。

所有物見たく言ってるし… 苦笑

「そー!劉一クンのゆーとーりや、 ってか、ウチら いつジブンらのもんになってん?」

鍋島先輩が…思った事を代弁してくれたなぁ…

「もう!脱ぎません!!」

磯早先輩はキッパリ… 苦笑

「…?あれ、モチーフの題材聞かなかったのかな?」

否定してたから、いきなり水着って言われたら…って思って…

「う…わかってるわよ!…あ、劉一君…?」

…?

僕の顔を見るなり顔を俯かせてる…?

なんだろう?

「ん?どーしたの?」

不思議そうに見る。

「…私頑張ってるからね… ちゃんと…努力もしてるっ!」

そう言っていた。

ああ…あの時(・・・)の…

「うん!そうみたいだね。わかるよ!」

笑顔でそう言った。

「あ…//」

諫早先輩は…

顔を赤くさせながら、喜んでいた。

「………」

ズズズズズズ・・・・・・・・・・・

殺気が…!!

「ねっ…ねー?めだかちゃん!!諫早先輩!鍛錬してるよね??頑張ってるよね???…後輩の僕が言うのもなんだけど…」

ちょっと苦笑いしながら必死で…

阿修羅と化しそうめだかちゃんにそう言う。

「むぅ… それは…確かにそうだな!」凛!!

何とか…間に合った…

後1秒でも遅かったら、頭アイアンクローされるとこだった… 怖

「ああ… そう言う感じだって有明言ってたっけ… はぁ…」

諫早先輩は何やらがっくりしながら…

肩を落としていた。

そんな先輩には気がつかなかったけど… 苦笑





まあ、それはそうとして…

本題に入ろう!

「あ…ありがとうございます!必ずや良い作品に仕上げますので!よろしくお願いします!!」

夕原君は…目に涙を溜めて喜んでいた。

底まで喜ぶと頑張ったかいがあるというものだ!

…何もしてないけど… 苦笑


「あー えーねん えーねん!どーせ、ウチら暇やねんし♪」

鍋島先輩は笑顔でそう言って…

(私は暇じゃないけどネ…)

まあ、諫早先輩は…部活もあるのであろう、

ちょっと不機嫌?みたいだった。


そして…


「クククッ!ほな行こか!」

ばっ!っと着ている服を脱ぎ捨てる…って

「ッッ!///」

ちょっと突然すぎだよ!

って思いつつも、何も言えず…顔を逸らした。


「ククっ、可愛いやん?だいじょーぶやで 中に着てるし♪」

鍋島先輩はそう言って、笑ってた…

わかってても…ねぇ?

「劉一は私を見ていれば良い!」

後ろから…

「ひえっ!!」

ヘッドロック!!

って…

「痛い苦しい…!」

それじゃみれないよ?って言おうと思ったけど…

恥かしいからいえなかった…


「まあ、横槍は言ったけど…行くで!」

諫早先輩を横目で見る!

そして、諫早先輩は頷く!

「アスリートと!」「ファイターの!」

「「夢の競演です!」や!」

それぞれがポーズをとる!!

きまったぁ!!!!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて…ジャッジh「はーい 次の方お願いします。」

早っ!!


「「!?!?!?」」




ずず〜〜〜〜〜ん…





あ…撃沈した…

そして…そんな二人と一緒に…さっきまで復活しかけていたのに…

めだかちゃんも落ち込んじゃった…

「・・・・・・・・っ 」

「次々と犠牲者が…増えていく…」

「なんだか、凄く悪いことしてるみたいだよ…」

男子3人も…撃沈するかも… 苦笑


「芸術は人を脅すための道具ではないというのが僕の持論です!正直 あの2人はちょっと怖いです!」

キッパリとばっさり切るのはそれはそれですごい…

伊達に芸術家を名乗ってないな… 苦笑

「…どうするの?」


「それが浮べばなぁ…」


「オレも鍋島先輩はかなりの切り札だったし…」


「オレも心当たりない…諫早先輩駄目って言われちゃったら…」


2人…

いや、3人か…

う〜〜んと悩みながら考えている…

「ん…更に違うタイプかぁ…アスリート系とファイター系以外…ん……」

腕を組み…考える。

ん〜〜〜〜〜〜〜

「「あ!!」」

善吉と阿久根先輩が同時に声をあげる!

「わっ!わかったの??」

驚いて話す。

「おお!迷い犬のときの秋月先輩!!所謂ヤマトナデシコ系!!」

ああ…

「あの内臓でた〜〜事件の時の?」

「うっせ!!それ言うな!!」

あははは・・・

「オレも思い出したぞ!?ラブレターの時の八代先輩だ!ボーイッシュ系!!」

うん…

「めだかちゃんに褒められたときの… あのすんごい先輩か…」

笑っていた。

「そうだよ!!今すぐ行ってみよう!」

「オレも!!」

2人は飛び出してゆく…

まあ、僕は居残り。

ほっとけないからね…

ジャなく…

多分無理だと。

帰ってきた時が怖い… 苦笑



んで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

暫くして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あ…帰ってきた?」

2人を迎えに行くと…

「断られました…」「うん、オレも、まあそうだよね?」

2人は…そう言って目を白くさせてた…

善吉は、あのポルゾイのワンちゃんに足をかまれながら…

阿久根先輩は…ホッペにビンタされてた見たい。

後がくっきり残ってるし…

「はぁ…いよいよもって危なくなったね…はじめて生徒会執行できないんじゃ無いかなぁ…」

劉一は肩を落とす…

芸術家じゃない自分たちが芸術性のあるモデルを連れてこれるか?

って言ったら…

疑問だし… 苦笑

色々してると…

「貴様たちは…間違っている!」

めだかちゃんが…再び始動した!!

「大丈夫なの??めだかちゃん!」

這ってきているようだったから…

思わず心配したよ…

「うむ… それよりも!灯台下暗しとは言ったのもだ。違うタイプというなら適役がおろう!発想は大胆に転換してこその発想だ!我が箱庭学園生徒会には貴様たちがおるではないか!!生徒会を執行する!!」 凛!

え…??

ちょっ!!!

「わーーー!何するの!!めだかちゃん!!」

脱がしてくる!!

「めだかさん…?」「なにやってんだ?」

2人もちょっと困惑。

「何をしておる!貴様たちもだ!水着に着替えよ!」

ああ…

なるほど…

って!!

「わかった!!わかったよ!!自分で着替えるからさっ!離して!」

慌ててめだかちゃんの手を掴む!

僕…制服の下に着込んでるわけじゃないから!!

「むう…ならばはやくしろ!」

何やら不満そうに…

なんで…??

「はぁ……やろっか?2人とも?」

「おう!」「ああ!」

何やら、僕と違って、やる気バッチリみたいだ…






そして!!

本当のボディビルみたいな格好になり!!

立つ!!

おぉ〜これぞまさしく漢(おとこ)って感じだ!!

ポージングもバッチリ!


「お・・・・・・おおおおおお!!」

夕原君もなにやら、声をあげてるし!

「面白い!面白いです!!面白いように筆が進む!描ける 描けます 描けまくります!」




ババババババッババババババババババババババババ!!!




っと公言通り!

すごい速さで描いていた!

暫くして…

「…けど…」

描き終えたのか?

ぴたっと止まって…

「こんなもん!描けたからといってなんだっていうんですか!」

ぽーーい!

っと棄てちゃった… 苦笑


「はぁ… だよね…題材女神なのに…」

と言いながら、やっちゃった僕も僕だね… 苦笑


「うむ、そうだったな。これでは、「男達の荒波」だ!」

めだかちゃんもそう言う…

それでいて、僕を脱がせようとしたの…?

はぁ…



暫くして…

やっぱり、モデルが見つからない…

「こうなるといよいよ進退窮まったな…」

うん…その通りです…

「つーか キミさ!ちょっとワガママ過ぎない??」

「そーやで!こんな美女3人捕まえて何が不満やねん」

プリプリ怒っているのは、呼ばれていた…2人だ。

まあ、そうだろう。

モデル頼まれたのに、ドタキャンみたいなもんだもんね… 苦笑

「ごちゃごちゃ言わんとちゃっちゃと描いてもたらええやん。今回は急ぎなんやろ?」

そー説得するけど…


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・急ぎだろうと何であろうと… 僕は描きたくない絵は描けません。』僕はワガママな人間かもしれないけど 適当な人間ではないつもりです!」



そう言った…

うん…確かに志は立派だよ。

「その言や良し しかし、状況は変わらんぞ?」

そうなのだ…

時間もないし、モチーフもない…

「現実問題モデルがいないんじゃ話しにならねえ…」

「そもそもテーマに無理があるんじゃないか?理想の女神など人それぞれだろう?」

うん…そうだよね。

理想かぁ…

ん・・・・

って考えてると…

チラッ…チラッ…

めだかちゃんがこっちを…

ってか、チョコチョコキャラ変わってるよ…?

一貫性ないのかなぁ…

って思いつつも。

目で返事をする…

めだかちゃんだよ… 苦笑 って。



「そもそも夕原
お前にとっての女神って何なの?」

そこがわかれば解決するけど…

「それがわかれば苦労しないよ・・・」

そうなのだ…

わかってれば、その人に直接依頼すれば万事解決だし…

「「これだ!」と言うモチーフに出会えるまで… 芸術家(アーティスト)は闇を彷徨うだけなのさ・…」

よくわかんないけど…

まあ、迷走するって事かな?

一同落ち込んだり、考えたりしているその時。

なにやら…

扉にはってあった。関係者以外立ち入り禁止の紙を破いたものが!!


非常識… 苦笑


そして!!


「りゅういち〜〜!ひっとよっし〜〜〜 まだ終わんないの〜〜?はやく買い食いしに行こーよーー!」

入ってきたのは…

不知火だ。

「はぁ…びっくりした…不知火か… もう奢らないよ?お金ないし…」

ため息…

「だいじょ〜ぶだよ〜〜ん☆
今日は食券あるし♪」

ヒラヒラさせながらそう言う。

「おいおい、劉一まだ終わってねー事を言えよ。まだかかりそうだろ?」

「あっそっか… そうだよね。今日はきついかもだし…」

そして、言おうとしたその時!

「こっ…ここっ…こここっ!!」

ん?

「どうかした??」

なにやら震えている夕原くんに近づこうとした時。



「これだああああああああああああああああああああああああああああ!!!」



ズビシィィィ!!!


っと指を突きつける!!


そして、一気にハイテンション!!

「イッツ!ショーターイム!!!!!!!!」

不知火がいつの間にかスク水・浮き輪を装着してた…

いつのまに? 苦笑

そして…

「このあどけなき横顔!寸胴のようなボディ!未成熟な四肢!」



・・・・・・

けっこー酷いこと言ってない? 苦笑

「これまでのモデルとは比べるべくもない!これこそが芸術だ!!!!」

その一言が!

敗北者3名にとって…

急所に入った一撃だった!!





「なるほど…夕原君は「可能性」と言う女神を描きたかったというわけか・・・ めだかさんや先輩方じゃ無理なわけだ…」

ロリコン?じゃないのかなぁ…

まぁ、無事モデルが見つかったみたいだから、これ以上は何も言わないでおこう…

そして、不知火は、無事に終えた後…

急所にヒットし、物言わぬ屍と化したかのような3人を見て…


「・・・・・・・・・よくわかんないけど… なんだか勝った!!」


ガッツポーズ!!

ん…

「勝ったって言えるかどうかは… ちょっとねぇ…?善吉…?」

「いや、負けだろ?誰よりも。」

善吉はストレートだった… 苦笑









翌日。


【生徒会室】

「というわけで、不知火にはその後食券500円分と引き換えにモデルをつとめあげて夕原は無事コンクールに出展できました…って」

善吉は説明してるけど…

めだかちゃんは落ち込んだまま…何も言わない…

やれやれ…

「聞いてる?めだかちゃん?」

善吉がそう言うけど…なんか聞いてないみたい…

「落ち込むのはわかるけど、聞いてあげようよ。善吉の仕事だしさ。」

そう言って、めだかちゃんを撫でる。

少し…元気を取り戻したら良いけど…


「…ふん 今回は完全に不知火に持っていかれたな… 生徒会執行部として、不甲斐無いばかりだ…」

なる…ほど、そこね…

「…でもないよ?ほら、投書者はそう思って無かったらさ。」

そう言って善吉の方をみる。

「ああ、みろよ。これお礼だってさ。」

そう言って1枚の絵を見せる。

そこに写ってたのは…

あの日のメンバー全員だ。

楽しそうに描かれていた。

「…そういえばさっ… 彼、芯はしっかりしてたよね?描きたくない絵は描かないってさ。じゃあ、僕らは勲章ものなんじゃないかな?」

そう言って笑いかける。

めだかちゃんは…

じぃっと絵を見て…


「私より不知火のほうが前にいる!!」

プイッと…

「えええ!!」

「おいおい…」


器小さいよ…?それはさ。


まあそれはとりあえず良いとして…

それより…

「それに善吉はなんでそんな絵を持ってるの?」

劉一は…はぁ、っとため息しながらそう言う。

「あん?これは、あのお礼にだ。」

善吉はサラッというけど…

「違う違う、皆で写ってるのじゃなくて… その男だけで写ってる奴だよ!」

あのときの「男達の荒波」だった。

「…これはこれで良い絵だろ?」

はぁ…気に入っちゃったのね…

「自分が水着でかかれている絵はちょっとねぇ…」

そう思っていると。

「私はその方がよいと思うぞ!」凛!

めだかちゃんが復活!!

そして…

もう1枚(・・・・)取り出す!

「え!!」

持ってたのは…

「何故に!僕の肖像画???」

なぜか、めだかちゃんも持ってた…

善吉や、阿久根先輩を除いた僕だけの…絵を…

「私も良い絵だと思ったのでな!描き上げてもらったのだ!」

僕のなんて持ってても良いもんじゃない…

「私はそんなことないぞっ!」凛!!


まあ…めだかちゃんが元気になるなら…


「でも恥ずかしいからやめて!!ここに飾るのは!!!」


何とかそれは拒否したいと願う劉一だった…

上手く説得できるかわかんないけど… 苦笑



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めだかボックス 18 (ジャンプコミックス)
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