小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第52箱 「オレたちゃ1円に笑って1円に死ぬのさ!!」




























「うーん…ほぼ横並びになってしまったな…」

阿久根先輩が見ているのは、途中結果が出ている電光掲示板だ。

不知火の親切なアドバイス?のおかげで 殆どの部が20ポイントを獲得。

1位が並ぶ状況になっていた。

「順番によるポイントも考慮すべきだったか?」

「なぁに これくらいの方が盛り上がっていいですよ。」

善吉は阿久根先輩にそう言う。

「むしろオレは、生徒会がぶっちぎる展開の方が怖かったですし、めだかちゃんの空気を読めなさは本気でデビルですからね?その上劉一もいたら、チートモード 全開も良いとこですよ。まあ、
めだかちゃんは勝負事になったらてが抜けねーし、劉一は手を抜いたら怒られるしで、しゃーないっちゃあしゃーないと思いますが。」

頷きながら…そう言う。


「でもね…ちょっとやりすぎちゃったかも… 何だか白い目で見られてるよ…僕…」

こと…生徒会において、

怪物・化物女と呼ばれているのはめだかちゃんだ。

だから、型破りなことをしでかしてもさほど、皆驚きはしない。

でも…

さっきの(あれ)は、誰がどう見ても、

会長よりも異常な力(パフォーマンス)だ。

水面から…遥か高くにあるカゴにダンクをぶちかますなんて…

それに、劉一については、思いのほか情報が少ない。

めだかちゃんや、鍋島先輩をはじめとした柔道部・剣道部はある程度わかっていたようだが…

他の部はわかっていない。

聞いているのは、有能な役員だという事。

しかし、それはあくまで一組の枠内での話しだ。

特待生でもないクラス…

悪く言えば普通のクラスの男子が…あのような事をした事に 皆…

やっぱり驚くものだった…

「仕方ねえって、あんなモン見せられておどろかねー方がおかしい。」

善吉はそう言う…

「うっ…だって、めだかちゃんが。「息の合ったプレイで勝つぞッ! 手を抜いたら許さないからなッ!」凛ッ って言うから………。」

はぁ〜〜っとため息…

その姿を見たら、さっきの活躍?がかげるよ?

それが証拠に、皆「あれ… 見間違いなのかなぁ…」っと言わんばかりの表情だ。

「(…まあ 普段の行動があまり目だってねーから、問題ねーと思うが…)それよか 劉一?」

「ん?」

善吉がさっきの話しに戻す。

「生徒会がブッちぎる展開の方がこえーよな?主催者がトップじゃ不公平感がでるしよ?」

そう聞く。

「ん… まあね?こっちで考えた競技で1番だったら、そりゃ、苦情の1つや2つ…出ると思うけど…」

「だろ?そう言う意味じゃ、アドバイスしてた不知火に感謝だな。」

「いや、でもね?善吉。」

劉一が、善吉の言葉を遮ろうとした時。


「いや!善吉!不知火に感謝する必要などない!」

いつのまにやらめだかちゃんが…

まあ、いつもどおりだけど…


「…おれはもう驚かない… どういうこった?めだかちゃん。」


善吉がめだかちゃんに聞く。

「あれ?先に上にプールサイドに上がったのに気がつかなかった?」

劉一がそう言う。

勿論、劉一もめだかちゃんが背後に立つ!ッという状況に一瞬ぎょ!っとしたが…

まあ、普通普通…ということで軽くスルーし、善吉に言った。

「は?」

善吉は何のことやら…

「阿久根先輩は…?」

阿久根先輩に聞くけど…

「え…?何がかな?」

見てないみたいだ…

まあ、先輩のことだから、めだかちゃんをおってたんだと思うけど…… 苦笑

「えっとね… 僕達がトップじゃないってことだよ。」

そう言う。

そしたら…場が一瞬強張った。

「ふむ。劉一の言う通り。あやつらだ。私たちよりも早かったのは。」

めだかちゃんがそちらを見る…

すると…

そこには、競泳部の3人が…

プールサイドのイスに腰掛けていた…


「…あやつらは、密かに、しかし軽やかに、誰にも気付かれる事なく… そして、誰よりもはやく… 私達よりも先に20ポイント獲得した者達だ。」



そう言った…


めだかちゃんの声は結構…というかかなり大きい。

だから、周りにも聞えてしまう。

…生徒会よりもはやくに…20ポイント取ったという事実を知ってざわめく…


「え…?あんなやつらいたっけ・・・?」

「あ…!!!いたよ!!確か競泳部の!」

「人数のハンデを全くものともしねえ!!」

「水中のバケモン・・・ 屋久島!種子島!喜界島だ!」


驚きながら・・・

三人を皆が見ていた。

中でも驚いていたものがいる。

なぜなら、

「…オレ…見てたけど、男子2人ヘルパーつけたままもぐってたぜ!!??」

ヘルパーの浮力は侮れない。

当然だ、人を浮かせれるように作ったものだから。

簡単に沈んだら意味がない。

本末転倒も良いところだ。

それをつけたまま…




まあ、劉一もしてたみたいだけど…インパクトあるからこっちがさ! 苦笑




(…競泳部…不知火の言ってた…トビウオ三人衆か!…しっかし、3人で人数が上とは言え…めだかちゃんと劉一よりはやい…だと!?)

当然善吉も驚いていた。

めだかちゃんや劉一の凄さは十分に知っているつもりだ。

特に…13年間も付き合わされためだかちゃんのことは…

そして、嘗てはそのめだかちゃんに勝っていた劉一…

その2人より…早い。

驚くべき水中での運動能力(アビリティ)…


「でもね…彼ら…危ない事…してたんだ。」

劉一の顔が強張る。

「え?」

勿論善吉はわからない。

「…………楽しいイベント…なのに、あんな事…」

劉一は…3人の所へ…

めだかちゃんも当然の如く、わかっていたようだ。

劉一を見ると頷いていた。








2人は競泳部の前に立つ。

「?何かようか?」

屋久島先輩が2人にそう言う。

「私のはただの肺活量だ、だが、貴様たちの潜りは違うな。人間が水に浮くのは肺に空気が詰まっているからだ。空気がなければ水より重い比重の人間は沈む。…つまり貴様らは肺に全く入れなかった。肺から全ての空気を吐き出して浮き袋を空にして潜ったんだな。」

そう言うと、めだかちゃんの目が鋭くなる…

「今回のイベント…めだかちゃんも言ってたけど、皆には楽しんでもらいたいって思ってるんだ。勿論僕だって思ってる。でも、君たちのは一歩間違えれば大変だよ…?もう少し気をつけてよ。」

劉一もそう言った。

「無論だ。絶息による強制潜水は危険な行為だ。貴様ら命がいらんのか?」

2人は本当に対照的だ…

めだかちゃんは…怒ってて

劉一は…心配顔で…

まあ、2人とも思いは同じっぽいけど・・・ 苦笑



「大変?命?っは そんなもんどーでもいーし、命なんざいらねーよ!」

そう言うと…


「オレたちは命より金だ!若き生徒会長!そして、得体の知れねー補佐にゃーわかんねーだろーけど、オレ達は1円に笑って1円に死ぬのさ!!」

種子島の言葉に…

競泳部は皆同感といった様子だった…

この信念は・・・ 嘘偽りも無いと感じた。


でも…

(得体の知れない…)

それはちょっと酷い…

劉一はそうも思ってたみたいです! 苦笑






んで、

次の種目は二人三脚だけど・・・

ここで、もう1人の注目の選手だけど・・・

「ククク・・・ 2人とも〜!!負けへんで〜!!次は!!」

鍋島先輩でした…

他の部員の皆は…



「…何だか、かませ犬キャラっぽいよ… あのーー?元部長??」

そう言うけど、聞えてない…

「笑い方もザコっぽい…それに、うちら…16点…」


注目?柔道部…出足は悪いようだった…


はてさて!!

このまま、水中の怪物!競泳部がブッちぎるのか!

しかし、我らがめだかちゃんがそれを阻むのか!!

いやいや!!かませ犬?っは!!なんのその!犬じゃない!猫だ!!っじゃなく!柔道部が追い上げてくるのか!!

…次回に続く!!

めだかちゃんと劉一の活躍を剋目せよ〜〜♪





「だーーー!!ナレーターー!!!次はオレと阿久根先輩だろーー!!!」

「ふッ…影が薄い…」

文句を言っているのは…某役員さんです…

温かい目で…

「なめんなーーー!!」「ふっふっふ… 害虫と同類にされてたまるか!」



後半に続く・・・・・・・・・・・・・・



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