小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第54箱 「水の底じゃなく 絶望の底にしずめてやる!」





























種子島の鋭い眼光がゴールを捉えたその直後!!



“ザッ!!  ドン!!!!”



なんと!!

足が繋がれたまま泳ぎだした!!


(おっ…っっ!おおおおおおおおっと!これはぁぁぁぁっ!!)

当然実況も驚いている!!

(きょ…競泳部!! これは…これは絶対にありえません!もう危険とかそう言うレベルの問題じゃない!! 足を繋いだまま泳いでおりますっ!!)

チームワークが良いってレベルじゃない…

普通に走るのならまだしも、水中で…泳ぐなんて…

かなり危険な行為だ。

(男子水泳界 事実上 最速スイマー 種子島先輩! でもまっ この場合は例え25mでもそれに合わせて泳げる屋久島先輩を褒めるべきかな?)

不知火がそう解説。


そして、


その最速の泳ぎは一気に、他の部活動の代表選手たちの距離を詰めると、

(そのまま全チームごぼう抜きだーーーーー!!)

あっという間にぬきさる!


“ドガッ!!”


(競泳部!そのままゴールイィィン!!15ptげっとぉぉーーっ!)

ほんとに、あっという間の出来事だ…






「…確かにすごいと思うけど… でも、行為は褒められたものじゃないよ…?」

劉一は彼らを見ながらそう言う。

「ふむ…」

めだかちゃんも同様のようだ。











んで、結果はというと…

(えー… 2位が陸上部!生徒会は後半遅れて3位となりました!! ここは団結力の差が出たかぁ〜〜!?)

うん…

トップに出てたんだけど…

勿論失速してたみたいだった。

(いやいや 団結力とかそう言う問題じゃねーぞ これ。 足結んだまま泳ぐとか溺れ死んだらどうするんだ!?命知らずにも程があるだろ!)

善吉はそう思っていた。

失速の原因は、本当にびっくりしたからかもしれないね?


「お疲れ様。」

劉一が2人をねぎらいに…

「ん?ああ…」

「負けたな…」

阿久根先輩も同様だった。

顔が…物語ってる。


「まあ、結果は結果だから受け止めて次がんばろッ!」

劉一は直ぐに笑顔に。

でも…

「・・・・・・でも結局は不仲を見せ付けただけで終わったような気がするけどね…」

笑顔の後はため息…



「うっ…」「む…」


2人は何にもいえないみたいだ… 苦笑















そしてそして、続く三回戦も競泳部の独壇場だ。

【ウナギつかみどり】

内容は文字通り!

プールに放したウナギを捕まえる事。

1匹につき、1pt。

そして、参加人数は代表者1名のみ。

ぬるぬるしてて、とりにくいし…

鍋島先輩でも9匹がやっとだったのに、

競泳部1年生エース 喜界島はなんと それを上回る13匹ものウナギを捕まえて13ptをゲットした!



「うう〜〜ん… これ… 僕が出た方が良かったんじゃないかな?」

劉一はプールの方を見ながらそう言う。

「しょうがねーだろ?めだかちゃんが出たいっつったんだから。事前に決まってたし、それを押し通して行けんのか?」

善吉がそう聞くと…

「・・・・・・・うん!絶対に無理だよっ♪」

あっさりと認めた。

「だろーよ…」

善吉は半分あきれ気味だった・・・



そう…

生徒会からは我らがめだかちゃんが参戦したのだが…

スキル発動!

【動物避け】!

…つまりはめだかちゃんの周辺に1匹たりとも近付かず…

生徒会執行部まさかの0pt。

でもね…

よくよく考えたらこの競技は生徒会の独走を防ぐ為の競技だった。

でも、想像以上だったんだよね…

競泳部の実力はさ…

余計な判断だった…っと思ってしまう。













終わってみて……


「こりゃ 優勝は競泳部できまりですかね?」

善吉はスコアを見ながらそう言う。

うう〜〜ん…

「難しいね… 15pt差だし。あ、そうだ。最後の競技って何でしたっけ?阿久根先輩。」

そう聞くと…

「生徒会が全競技を決めるのは不公平だからね。最終競技は全員参加ってだけで内容は実況担当の阿蘇先輩に任せているよ。」

「あ…そうでしたね。 阿蘇先輩ッというか、不知火が決めちゃいそうな気がするけどね・・」

変な事言わなきゃ良いけど…

「それもそうだな、実況席にゃ解説のアイツもいるわけだし?それよか、生徒会が決めるのが不公平っつったら、そもそも競泳部の参加が一番の不公平だな。不知火の言うとおりになっちまった。」


ふぅ〜と善吉がそう言っていると…


「ヒャハ!意外と歯ごたえねーなァ!生徒会!」

噂をすればなんとやら…

競泳部がやってきた…

「忘れんなよ!増額分の予算全額と!それから元の予算の3倍だからな!」

やっぱそれか…

「…金・金・金って アンタら他にねーんですか?」

「そうですよ。折角なんですから、純粋にゲームを楽しんでくださいよ。」

って2人でそう言うけど…

「ヒャハ!何にもねーな!この世にあるのは金だけだぁーーーっ!」

高笑いが木霊する…

そんな時!

「あ…」

劉一は後ろにいる人物に気がつく…

それは勿論…


「哀れなことだ……」

種子島先輩と同じポーズをとってるめだかちゃんだった…


「せ・・・ 生徒会長?」

いきなりの出現だったからか…

流石の種子島先輩も驚いていた。

(神出鬼没なんだよね…)

分かる気がする劉一は苦笑い…




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「貴様たちも かつては目先の利益に惑わされぬ純粋な水泳選手だったに決まっている! 想像を絶する程の重度のトラウマを負い、そのような金の亡者になってしまったとしか考えられん。」



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(久々だね…)

(ああ…)

(素敵だ…&#9825;)

それぞれ反応…

これは黒神めだか真骨頂その?『上から目線性善説』だ・・・・




「安心しろ!この私が貴様たちを改心させ!全財産を慈善団体に寄付させてやる!!」

ビシッ!!

っとセンスを突きつける。

「はぁ?全財産?? やってみろよ!お前は水の中ではなく絶望の底に沈めてやる!」

不敵に笑う競泳部。


「僕も負けてらんないね…… なんたって、めだかちゃんの補佐だから!」

劉一はめだかちゃんのそばに行く。

「僕もいることを忘れないでよ?めだかちゃん! さって… 2つも出られなかったから、最終くらい活躍しないとね!」

「うむ!」

頷いた。

「そうだったなっ!得体の知れねー奴もいたんだった!まぁー誰が来ようが関係ねえ!ブッちぎってやるぜ!」

バチバチバチ…っと火花が出そうだ…

「また得体の…って。僕は補佐だよ!御剣 劉一!!変な風に覚えないでよっ!」

そこは一応突っ込まないと…

執行部なんだから!僕も!





・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・







ええー ちなみに、

同時刻。

(んー 負かされたのは良いけど 決められませんねー 不知火さん 最終競技は何が良いと思います?)

阿蘇先輩…

短冊さんは不知火にきめてもらおーとしてる。

(え?あたしが決めちゃって良いの??だったらねぇ〜〜・・・・・・)

善吉と劉一の思ったとおりだ・・・・・


水面下で最悪の事態?が進行していた・・・・・













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