小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第56箱  「ははは… ほんとに驚きの値段だね…?」































短冊さんの掛け声と殆ど同時に!



ガシィィィ!!!!!!!



めだかちゃんと喜界島が早速組み合ったアアアああ!!!


(おおっとぉ!!早速です!生徒会!競泳部!…これは互角でしょうか?不知火さん?)

(んん〜 つーか 足場の問題だね?唯の腕力だったらお嬢様のほうが圧倒的だけど、騎馬を組んでいるのがあの2人。数が少なくても、水の中じゃかなりの化物だからね〜。お嬢様と劉一でも厳しいかもね〜〜!チームワークじゃ、一歩競泳部かな?なんせ、二人三脚ですばらし〜チームワークだってでしょ〜☆生徒会は!)

あひゃひゃひゃ〜〜っと笑いながら…



「つーか!!劉一だけじゃねーし!!」

「オレたちもいる!!」

2人して、不知火に突っ込んでるけど…


「ちょっと!集中して!!2人とも!!!」


必死にそう言う…のは劉一クン…

大変だねぇ… 苦笑



そんなこんなな、足場だったけど…

実際はめだかちゃんの足の踏ん張りは、3人の中でも主に劉一に体重を預けている。

だからだ。

集中してない2人がいるのに……

めだかちゃんがバランスを保てているのは。

…そのことに気がつかない2人は…ちょっと頑張ってって感じだね… 苦笑




「やはり、貴様たちはすさまじい!敬服に値する。私は凄まじい人間が大好きだ!」




“グググググググググ…”




っと互いに力を入れながら…そして、笑みを零す。


「ハッ!何よ 今更!人を金の亡者呼ばわりしといてさ!」


喜界島も負けてはいなかった。

めだかちゃんに劣る腕力を他の2人でカバーしているようだ。

本当によいチームワークだな!


「亡者ではないか、」

めだかちゃんはそう言う。

「貴様たちのここまでの戦法…あまりに命知らずだ。『命よりも金が欲しい?』よくもそんな事を言ってのけた!」

そして…形相が変わる!


「私はその発言を許さない!貴様たちは金におぼれている!!」


力がさらに入る!

徐々にではあるが押されていっているのは喜界島のほうだ。


「ぐ…だ…黙れ!あんたなんかに何がわかる!」

だが…

持ちこたえる。

信念があるから!

「お金が無かったせいで私のお父さんは蒸発したぞ! お母さんは働きすぎで体を壊した! 屋久島先輩のご家庭はお金が無かったから離散しちゃったし!種子島先輩の育った養護施設はお金が無くて潰れたぞ!」

これまでにあった…

耐え難い過去を暴露する…

そして、さらに声を振り絞る!


「誰がどー考えても!お金は命より大切じゃん!!あたしは命よりお金が欲しい!!」


今回の…これは…

珍しく…


(カッ…!上から目線性善説の正解例かよ。大して面白くねえ。)

善吉はそう言う…

でも、珍しくない?? 苦笑



喜界島はさらに続ける。


「命知らずで結構!お金の為に死ねるなら本望だ! お財布落としたら誰でも悲しむだろうけど!あたし達が死んでも誰も悲しまないよ!!!」


そして…!!








“ド                           ン               ッ         !!!!!!!!!!”






めだかちゃんを一気に突き飛ばした。


(ああっとーーーー!!!生徒会!!黒神めだか!ここで突き飛ばされた!!騎馬も…崩れている!!これは勝負あったかーーー!!!)




「…善吉!!」「ああ!!」



実況の声が響いたその一瞬だ。

弾かれたように2人が動いた!




そして、勝利を確信した屋久島先輩は、

(ふん… ハチマキを奪ってないからpt加算されないが、まあ、生徒会を失格に出来れば他のチームなど敵ではないから同じことか。)

倒れるめだかを見ながらそう思っていた。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


喜界島は、これまで思ってきた事をすべて吐き出し…

そして、力をめいいっぱい使ったせいか、肩で息をしていた…

だが、勝利は間違いないと思っているようだ。


だが!!


「甘えた事を抜かすな!例え貴様たちが地獄のように不幸でも そんなことが命を粗末にして良い理由になるか!!」


“どん!!!!”



「金が大切だという割りに随分と高い買い物をしたものだな 喜界島同級生!貴様は私の怒りを買った!」

「…命よりもお金。……訂正してもらうよ!お金じゃ命は買えない!……失ったかけがえのないものや、かけがえのない時間も!! …僕達がこの勝負に勝ったら訂正してもらうからね!!」


めだかちゃんと劉一だ!

って!!!


(く!!黒神めだか!!!え!!なんで!!御剣選手の肩に立っております!!そんなバカなぁ〜〜〜!!間違いなく水面に着水した筈なのに!!!瞬間移動をしたのかぁぁ???)

実況!短冊さんおおはしゃぎ!! 苦笑



(そ…そんな!あの一瞬で??黒神のところまで…?しかも着水する前に??そんな異常な速度… あたしは勿論、種子島先輩だって…!!)


ドクン…っと動揺していた。


(あひゃひゃ☆瞬間移動って♪ あれね〜〜 人吉が劉一を蹴っ飛ばしたんだよ〜?足の裏と足の裏でねん☆ それでも、あんなに早いのはすっごいと思うけどね〜〜☆)


不知火が的確な説明を…

しっかり見えてたみたいだ・・・

それだけでも十分すごいと思う…不知火も… 苦笑


「…別にオレは勝敗とかどーでもいいけど 今のはな…さすがにオレでもカチンと来たぜ。失われた時… 金なんかじゃ買えねえ。」

善吉も…めだかちゃん同様怒っている。

劉一の言葉に…

思うことがあるのだろう。

「だから珍しくけしかけてやる。めだかちゃん、水中戦なら兎も角 空中戦ならお前の十八番だ!」

善吉の声援も受け…

「めだかちゃん!思いっきり蹴ってもいいからッ!」

劉一も下でそう言う!

「うむ!!!」

めだかちゃんは頷くと、一気に劉一の肩をけり!

そして!!!


(おおっと!!生徒会長!跳躍し!競泳部の騎馬に飛びついた!!!)


蹴り上げる力が強かった。

だからこそ 喜界島ごと押し倒す!

「落とした財布は拾えばよい!…が落とした命は拾えんぞ 貴様たち以上に大切な命などありはしないのだ!」


そして、喜界島の頭を抱え込む!


そして!!!!


「貴様たちが死んだら私が悲しむ!!!」


目をうるうるさせながら!!!

ここで!!!




チュッ!! 凛ッ!!!!







「!!!!!????」



(黒神めだか真骨頂その?… 行き過ぎ愛情表現…激レアだ。)


口付けをしながら…

そして、




ザッパアアアアアン!!!




(おおおおおおおおおおっ!これは両者同時に着水だぁぁ!!!)

実況!!

顔を赤くしてるよ〜〜〜 苦笑

(あひゃひゃ!良いこと言いながらもちゃっかりその前に競泳部のハチマキ奪ってったネ♪)

不知火は不知火で抜け目なし! 苦笑


(…ええ〜〜この場合どういう判定になるんでしょうか?)

不知火に判定を!!

(どーも こーも… 水中に落ちたら失格ってルールなんだから… 1人だろーとなんだろーと、上に乗れてりゃ立派な騎馬☆ゆえに最後の攻防は当たり前の有効!)


ってことは!


(おおおお!!ってことは 生徒会!16ptゲット!!総合トップに躍り出た!!)



…とりあえず、皆プールサイドに上がっていた。

得点版を見ながら…呆然としていた時…


「紙一重だった まさに値千金!金に換えられない戦争だったな。」


めだかちゃんが、喜界島を抱きかかえて上がってきた。


「せ…生徒会長…!」

驚きながらそう言う。

「…オレ達みてーな チンピラにどんだけ感情移入してんだよお前ら… オレ達以上にイカれてるぜ。それに言っとくがこのくれーでかわらねーぞ?」

そう言ったのは種子島先輩。

「オレたちはずっと金のために生きてきた!そのためだけにな!今更生き様は変えられねえ!」

そう言いきる。



「あ…はははは… あの時はカッとなってああいっちゃったけど…」

劉一も近付く。

「生き様なんか変えなくても良いっておもっちゃったりもするんだ!」

笑いながらめだかちゃんの方を見る。

「うむ!寧ろ変えるな。といいたいな。生き様…それが死に様でないなら それでよい 金の亡者ではなく、金の生者であればよい!」

そして、目を輝かせ。

「札束のプール!なんとも豪快な夢ではないか!夢は豪快なほど素晴らしい!私も泳がせて欲しいから、是非実現させてくれ!生きて!その夢をかなえるがよい!!」

キラキラ〜〜ン…☆


「あ…はは… 確かに圧巻な光景だね… 熱いのかな?冷たいのかな?そのプールって… 僕も興味あるね♪」

劉一も…

「あっはっは〜〜!そーであろう!劉一♪一緒に泳がせて貰おうではないか!」

そう言いながら抱きつく!

「ちょ!!!まっ!!!/////」

水着姿で!!!

あたふたしていると、めだかちゃんは抱きついたまま競泳部を見つめ…

「死んで花実が咲くものか!大切な仲間の命は…このように大切にするものだ!」

そう言い…そして、

抱きつきながら、その場を後に…

「///じゃ…じゃあね…また!」

劉一は照れながら…

めだかちゃんを抱える…

抱きつかれてるからね…? 苦笑









そんな時…

会話を聞いていた喜界島が…ゆっくりと顔を上げる…

「……屋久島さん…種子島さん… あたしと…お金… どっちが大切…?」

そう聞いていた…

その答えは。

「ハッ!くっだらねえ!!金だ金!金のほうが大切に決まってんだろう!」

「その通り あんなバケモン夫婦の綺麗事に惑わされるな。」

そう答えが返ってくる…

だから…聞き方を変えることにした…

「…そうだね… じゃあ、あたしと…お金…どっちが好き…?」

返ってきた答えは!



「「お前!!」」



即答だった。

指を指しながら…

間違うことなく、そう言う。


「うん…そうだね あたしも2人が好き…お金よりもずっと………」

目に涙を浮かべながらそう言う。

「ハハッ!チューされたくらいでヘコンでんじゃねーぞ!小娘!札束のプール目指して明日っからまた荒稼ぎだ!」






そんな競泳部を…微笑ましそうに見ている…

そして…






“ピピィィィィィ………”






終了のホイッスルが…響く。


(そしてここでホイッスル〜〜〜!!部活動対抗水中運動会!全競技終了で〜〜〜す!)


うん…

もちろん勝ったのは!

…………勝ったの…は…?


(優勝は鍋島猫美率いる柔道チーム!!おめでとうございます!!)

「やっ!どーも!どーも!!」







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「「「「「「「は…?」」」」」」」



皆状況が…


(ええ〜〜 実はですね!柔道部!生徒会と競泳部がごちゃごちゃ戦ってる間に…なんと!全チームのハチマキ!こっそりと取っていたのです! )

(合計103pt分のハチマキを獲得しブッちぎりのトップと相成りました!!)



…そんなの…アリ…?

あんなに盛り上がったのに…・

ごちゃごちゃ…?


ずず〜〜〜んとしてた時…


「ククク!『綺麗な相手に汚く勝つ!』『卑怯と反則!』確かにウチの志を貫かせてもうたわ!」


そして、一歩前へ!


「けどまあ!次こそじかにやろうで!黒神ちゃん!そして劉一クンもな!!っで 顔を洗って出直して来いや!首洗ってまっとるわ!!」


そう言いきり…帰っていく…

そして…

このときほとんどの皆は思った。



【うわああ… 卑怯なのにかっこいい…!!】

っと…

めだかちゃんは「感心ッ!」っと頷いてる…

















まあ、大波乱でしたが、これで第一回水中運動会は幕を閉じました。

約束の部費三倍は…

『こんなにいらんわ』っといいながら鍋島先輩…

獲得賞金を適当に分配してしまったみたい…

それはそれでスゴイ…

何のために頑張ったのかなぁ?

……

あ…めだかちゃんに汚く勝つためかな?

直接対決じゃないみたいだけど… 苦笑













そして、場所は変わり…


【生徒会室】



反省会です… 苦笑

「そんなわけで、先日のイベントは成功したが、しかし 私が学校行事において私財を投じた事について 批判が多かったのも事実である。」

「…うう…先生たちに説教されたしね…」

はぁぁ…っとため息…

しっかりと謝ったのだ…劉一くんは…

「ふむ!貴様たちの言った通り!公私混同はたしかによくないな!よって…今後そのようなことのないよう、生徒会はお金の専門家を雇い入れる事にした。」

………へ?

「え…?本当?僕聞いてないよ?補佐なのに……」

ちょっと、複雑だ…

「む?劉一が先生方に弁解に言ってくれていた時にな!だが、あまり、貴様には話したくないもの事実だ!」ッ凛

…????


「どうして??」

そう聞くと…


「ふむ…まあよい!進まないからな!紹介しよう!これから会計職を任せる喜界島同級生だ!競泳部からのレンタルなので大切に扱うように!!…劉一!貴様はは間違えぬように!!!!」


ビシイイイ!!!っと指を…


「あう…僕… いつも何もしてないのに…」

いきなりそういわれたら…

うう… 

他の皆も苦笑い…

そして、

「荒稼ぎにきました!無駄遣いしてたら売り飛ばしますからそのつもりで!!」 キ リッ!!

めがねを付け直し…

そう言う。


「ふ…だそうだ…仲良くしてやってくれ。」

めだかちゃんはそう皆に言う…

劉一には眼光をギラつかせる…

「うう………」

劉一は…萎縮していた。


「ちなみにレンタル料は一日320円!」凛!



「「「驚きのお値段!!!!」」」


言葉の通り…

皆驚いていた… 苦笑



こうして…生徒会執行部に会計が加わったのだった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

喜界島 もがな

所属:一年十一組
血液型:AB型
資格:簿記一級


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



☆生徒会執行部メンバー☆


生徒会長
・黒神めだか

会長補佐
・御神劉一

会計 
・喜界島もがな

書記
・阿久根高貴

庶務
・人吉善吉



























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めだかボックス 黒神めだか (1/8スケール PVC製塗装済み完成品)
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