小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第62箱 「そんなやつがノーマルにねぇ…… 面白れえな…。」

































「ひっとよしーーー☆帰りだよね??何食べてく??あたし的にはお好み焼きがナイス!」

不知火と善吉だ。

「…?劉一がいねーことに不思議におもわねーの?」

善吉はそう言っていた。

そう…この場にいるのは2人だけ。

いつもなら…劉一に食事を…なのに……。

「あひゃひゃ☆あたしはこの世に知らぬことなし!だよ〜〜?今お嬢様に付き合ってあげてるんでしょ?たまには善吉だよ♪」

にやりん♪

「ぐ…マジで知ってたのか……。」

劉一におごらせようとしたようだ…

残念善吉♪


「それにしてもよ…お前はやっぱし、胃にブラックホールを装備してんだろ……。」

これから始まる食事の量を考えながら…そうつぶやく。

「あひゃひゃ☆やだナー いくらあたしが腹黒いからって さすがにブラックホールはさすがに食えないよ〜☆」

「…いやいや、食えるかどうかは聞いてねえって……。」

呆れる……。

そして、不知火はバリバリ…っと買い食い〜〜♪


そんな時!



「買い食いはもとより…… 校内におけるみだりな飲食も校則違反です!」

ザンッ!っと現れたのは!!


「あっ!」「お…お前はっ……!!」

2人とも声を揃える!!




「「露出委員会の…………!!」」


ビシィ!!!



「風紀委員会の鬼瀬です!!」















さてさて……

場面は少し変わって……。


「ねえ?めだかちゃん。前にも言ったけどさ。風紀委員会と対立しても良い事無いよ?それに生徒会と風紀委員会って、ず〜っと不仲なんだよね?そろそろそれも正さないとさ?」

劉一がそう言う…

「ふむ。それについては私も憂いておった。それに関しては色々と画策しておる。」

めだかちゃんは…何やら考えがあるみたいだ……

「うう〜〜ん……大丈夫かな……。あそこの委員長…雲仙だっけ……。穏便に済めばいいんだけど……。」

劉一は彼について……

少しは聞いている。

…過激さが増しているということ…だ。

「ふむ。」



暫く歩いていると………。


廊下の曲がり角。



ばったり……っと出くわしたのが……。


善吉と鬼瀬さんだ…。



「「「!!!」」」


((一番さらしたくない奴にさらしちゃった!!))


「………なんで?手錠を…?」

劉一が……ちょっと…引いている…。

「あ…あのな?劉一!?」

必死に…説明しようとするが……。


「ふむ…ふむふむ…」

それをさえぎるかのように…

めだかちゃんが、周りに…。


「ふむ、先ほど劉一とも話しておったが、生徒会執行部と風紀委員会の伝統的な不仲については憂いておったのだ。なんとかしてこの悪習を断たねばならぬと心を砕いておった。実はな、画策として委員長と会談の席を設けようとしておったのだ。………しかし貴様たちに先んじられてしまったな!そうやってまずは現場から絆を深めていこうとは良い発想だぞ!この私たちを出し抜くとは大した奴らだ!」


天晴れ!


「へ……へぇ……そうなんだ。それはすごいね…」

めだかちゃんみたいに思えないが…

会話を繋げる。




「買いかぶりすぎだ!!誤解しかねえ!!」

「そうです!!!」



一気に否定……。



カクカク…シカジカ……。


必死に…説得していた。


「…そんなことだろうと思った…。なんたって不知火だもん…… プロデュースのプロだもん…。」

はぁ……っとため息。

「また不知火か…そうならそうと言うがよい。」

(劉一はともかく…… めだかちゃん…聞かなかったくせに………)


そこで善吉があることを思い出す。

「あ!そうだ!めだかちゃん 確かピッキングとかできたよな?」

そう聞いた。

「まあ できなくはないな。学園警察の前でする話ではないがな。」

そうだよね…

「でもさ?鬼瀬さんも困ってるし……この際は目を瞑って?」

「むう…仕方ありませんね……。」

しぶしぶ了承。

「だろ?だったらこれ外してくれよ!」

善吉が一気に明るくなる!


「ふむ… よかろう。まずは実演をしてやる。どれ 鬼瀬同級生 もう1本の手錠を貸すがよい。」

そう言うと…

なぜか、劉一の手を引っ張る。

「……え?」

何が何やら…?

っと思ってると……。

「よいか?まず こんな具合に手錠がかかっておるだろう?」


ガチャリ……。


「………」

「であるからして…このように…このように……………。」

一向に…外れない…。






「このように とてもよい手錠を使っておるな!さすがは風紀委員会だ!」



「なんで!僕とめだかちゃんをつなぐのさ!!手錠をかけるところから再現する必要あったの??」

事態が…際限なく悪化する……。

どうやら、外すのは…委員会室にいかないと……。



4人で仲良く?行くことにになる……



(こんな状態で…風紀委員のところにいくなんて……思っても見なかったんだけど……大丈夫かな…?)

(なんなんだ?これ?どんな悪事を働けば生徒会長と補佐・風紀委員に連行される図になるんだ?…劉一はいいか…俺と同じ気持ちのはずだ……。)

(…これは流石にまずいでしょ…人吉くんだけならまだしも…黒神さんと劉一くん…生徒会のトップ2まで連れて行ったりしたら……)


それぞれ思いを胸に……

でも、めだかちゃんはいつもマイペース♪

「おい!お前たちも足を止めるがよい。」

めだかちゃんが足を止めた。

だから、必然的に劉一もとまる。

「困っているようだ手伝っていこう。」

指を差した先には……

書類を散らかしてしまって困っている女子生徒が……

「ほんとだね……」

「「はぁ……」」






そして……そんなこんなで……

いろんな人の手助けをする…













野球部のボールを拾ってあげる…

荷物を運んであげる……

草むしりを手伝ってあげる……

インタビューに答える……

アンケートに記入する……











まあ、簡単に言うと…

一向にすすまない。

むしろ遠ざかってない?















んで…とうとう……


「確かに連れて行っちゃマズいんですけど!それは到着しなくてもいいって事じゃありませーーーーんッ!!!」


ふんがーーーーーーーー!!っと不満爆発の鬼瀬さん…


「まぁまぁ……」

なだめる劉一クン…



善吉は苦笑いしてて…

めだかちゃんは何で叫んでるのか?ってわかってない。


(もう…何て気の多い人なんですか…これじゃほとんど子供です……劉一くんにも少し同情ですね。少し…だけど!。)


不満たらたらだけど…

とりあえず、先に進む。

そんな時…………。





「おっ?会長さん 今度は何をやってんの?それは何がどうなったら勝ちな遊び?」

笑いながら話してくる陸上部の男子。

「ふむ。これは遊びなんかじゃないぞ?」

「そうだよ?……はぁ…。」

返す…。

「はははっ!大変だな〜 劉一は!」



「同情してくれてありがとう……」




……そして次。



「黒神さん!こないだはありがとうございました!お返しできることがあったら何でもいってくださいね!」


「ふむ。気にしなくてもよい!私にはその笑顔だけで十分だ!」




そして次……。


「まーたそんな面白いことしてー!あんま劉一クンや人吉くんをいじめちゃダメですよー!」

「あははは…… ありがとね?」

「いじめてなど無い!」 凛ッ!



そして……。




「おっ!劉一じゃん!また今度指南してくれよ!お前に教わってからすげー調子いいんだ!」

「あははは…いいよ。でも今は…ね…。」

「わーーってるよ!ははっ 遊びもほどほどにな〜〜!」




……………etc.









こんな光景を…もう何度も見ていた。


(この人……本当に人望あったんだな……それに…劉一クンも……人吉クンも…)

生徒会長…めだかちゃんの方が多いけど…

続いて善吉や劉一への声も次々……。






「カッ 俺たち2人だけのときとえらい違いだな。どいつもこいつも現金なもんだぜ、」

善吉がそう言う…

「…善吉…嫌なことあったからって嫌みを言うのはみっともないよ?」

「カッ!」


「…別にいいですよ。確かに私は富貴委員会に所属して以来あんなふうに声をかけられたことはありませんね。…友達もみーんないなくなっちゃいましたし…」

そう言う…。

「あ…ほら!善吉!」

「…ああもう!悪かったよ!気にすんな。めだかちゃんとお前…生徒会と風紀委員会じゃ役割が違うしな。」

そう言ってわびる…

だけど…

「気になんかしてませんよ。むしろ同情してるんです。大衆に迎合しなければ成り立たない生徒会執行部に対してね!!」

ギロリッ……っとにらんでる…



「あっそ……」

「絶対さっきので怒ってるよ……。」











とまあ、暫く歩き続けて……。

「ん?」「む?」

先導していためだかちゃん組が止まる。

「?どうしたんだ?2人とも。また困ってる奴でもいたのか?」
善吉がそう聞く…。



「ん… そうだね。何かわかんないけど…」

「うむ、困ってるというか…困った奴らを見つけたぞ。おい!出てくるがよい貴様たち!!」


そう言うと…

前後の物陰から2人…出てくる。



「……なんでわかんだよ。やっぱすげーな…化け物夫婦……」

「いや つーか別に隠れてねーし。言われなくてもそろそろ登場する予定だったしな俺たち!」


そう言いながら出てきたのは2人組…



「ッ!ふう…ふ…///?」

「うむ!」凛!



めだかちゃんは何やら満足そうだ… 苦笑

劉一は顔真っ赤ッ赤♪


「って!!そんなことより!木金コンビ…ッ!!忘れてました!」

鬼瀬さんはそう叫ぶ。

という事は…この人たちが…?


「しっかし 聞いたとおりだぜ… 手錠メリケンの鬼瀬サマが手錠も身動きも封印されてらあ…」

バットを構えながら…舌なめずり……。

「ぎゃははは!この4人!まとめてぶっ潰したとなりゃあ俺たちのコンビ名もうなぎのぼりだな相棒!」

「おうよ!兄弟!4対2とは卑怯な奴らだが俺たちはあくまで正々堂々仕返ししてやるぜ!!」

こっちは身動きとりづらいのに…なにが正々堂々?って突っ込みたいけど。



“ドンッ!!!”



早速襲い掛かってきたからだ。

「皆さん!私の後ろに!ここは私が何とかしますから!!」

メリケン…手錠メリケンは無いけど、構える!

「?わからんな なぜ私たちが貴様の背後に回らねばならん?」

「そうだよ。それに女の子の後ろに…なんて、そんなの格好悪いしね?」

拒否!

「格好悪いとか!そう言う問題じゃないです!治安の維持なんです!それは風紀委員会の仕事なんですから!!」



って振り返った瞬間!!




“ジュギャアアア!!! ドガアアアア!!!!”



木金コンビが吹き飛ぶ!!!

そして 砕け散る!!!

じゃ無くて、二人の武器がね?

人にしちゃ死んじゃう… 苦笑


金属バットをめだかちゃんと劉一クンのダブルキックで!!

“息を合わせよう!”ってことでです… 苦笑



んで…

もう片方の木製バットを善吉のキックで!!




「だから わからんと言っておるのだ。いったいどこに風紀委員会の仕事がある?」

「うん!治安は乱れてないよ?」


「ッ!ッ!!」

鬼瀬さんは…驚いていた…当然だと思うけど。

(後ろで…金属が砕けた音がしたけど……オレは気にしない… 絶対に!)

善吉は…1人現実逃避! 苦笑



そして武器の無くなった木金コンビは…


「「ひええええええええ!!!!!」」


スタコラサッサ!!っと逃げていった。


「んで?あいつら取り締まらなくていいのか?」

「というか、もう逃げちゃったね?」

2人…すごい早さだ。

まあ…悪役は逃げ足は速いからね… 苦笑


「…取り締まるも何も今のこの状態じゃ追いようがありませんし… 黒神さんと劉一くんの言うとおりでしょう。確かに一切…治安は乱れませんでした。」

眺めながらそう言う……。

「って言うか襲われたとも思ってない…ですね…。」

鬼瀬は思う…。

(それにしても……話には聞いていましたが色々規格外ですよね…?私の巻き添えでバットで襲われたことをまるで問題にしない度量の広さまで含めて!人吉君の言い草じゃないけど…確かにこの人たちは……違いすぎる…これが特待生(チームトクタイ)の中の特待生(チームトクタイ)…十三組!)

驚愕するのも仕方ないか…でも…。

1つだけ納得できないこともある……。

「…人吉くん。彼は…劉一くんはなんで1組なんです?」

それだ…

あれだけのことができて…

13組と言っても不思議に思わない。

それなのに・・・特待生…11組ですらなく……。

何で1組に?

「ああ?それか…… オレもしらねえよ。まあ…1組だったから再開出来たんだし。結果よかったんだけどな?でも アイツの能力を考えると…やっぱしおかしいな。」

善吉もそう思っていたようだ。


「では、そろそろ風紀委員会室に向かおうか。もうそこであろう。」

めだかちゃんはそう言って先に行く…。

「あ!まってよ!」

当然……劉一も引っ張られるから当然…ね?


「あ…そうですけど…。あっ…」


鬼瀬さんは…砕けたバットを見る。


「……………………」


えーっと…

手錠も金属…バットも金属……。

バット…金属をも…砕く?


「あのー 黒神さん?劉一くん?つかぬことをお尋ねしますが…金属のバットを砕けるのであれば手錠のわっかも壊せません?」

そう聞いてみた……。


「え…?あれ?めだかちゃんが…大切な備品だから…そんなことしちゃダメって言ってたんだけど…?」

劉一がそう言う。

でも…めだかちゃんのこの後の一言で…







「む?壊してもよいのか?」









「……めだかちゃん。」

劉一は…ため息しながら見ていた…

なぜなら…

「「はぁ……」」

2人とも……ずず〜〜んと…なってたからだ……。

まあ、劉一もず〜っと…なってたみたいだけど…。



どうやら…劉一はすでにすぐに外す方法を見つけていたらしい…

でも…めだかちゃんに止められたって所だろうか?

離れたくなかったのかな…? 苦笑

なんにしても…

主に今回は善吉が一番大変だったみたいだ… 苦笑






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場所は変わり……

ここは…

【風紀委員会室】





「…以上が鬼瀬委員からの報告です。まあ 二回連続の失態ということで… 彼女には謹慎を言いつけようと考えておりますが。」

…そう報告する…。

「いーよ別に キンシンとか 鬼瀬ちゃんがカワイソーじゃん?それより黒神めだかの事を聞きてーな。呼子!テメーはどう思うのよ?」

ゲームをしながらそう聞き返していた…。

「…あえて言わせていただくならば…さながら聖者のごとしですね。例の目安箱のことにしてもそうですし。常識はずれに高い支持率もうなずけるというものです。」

呼子…と呼ばれてた委員はそう答えた。


「ケケケ!まーそんなトコだろ。けどな…呼子…オレ達風紀委員からしてみりゃーその聖者ってのが一番厄介なんだぜ?」

そう言う。

そして……携帯ゲーム機を放り上げると…



“ボッ!!”



人差し指でそれを貫いた!

「正義と聖者は相容れねえからな…。おッ!そうだ…忘れてたぜ。」

何かを思い出したのか。ゲーム機をゴミ箱へ投げ捨てると…

「そーいやーよ呼子。もう一人…その聖者の男はどうなんだ?」

そう聞いていた。

「ああ…御剣 劉一ですね?彼の事ですが、もともとは優秀な役員と通っていましたが、以前ありました水中の運動会で周りの反応が変わっていますね。一年一組の生徒なのに…あれだけの力。ですが、常識はずれの黒神めだかの側近ですから、そこまで驚かないって言う声も多いようですが…」

そう言う。

「ふーん……。そんな奴がノーマルとはねぇ…… まあおもしれーか……」

そう言って……笑っていた。









その男…それは風紀委員長であり…

名前は……。


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  雲仙 冥利

所属: 二年十三組
血液型: AB型
年齢: 10歳(飛び級)
役職: 風紀委員長


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その後……。


「あっ!いけね!まーたゲーム機壊しちゃったよ俺… ゲームオーバーになるとよくやるんだよな…。わりい呼子!また経費で頼むわ。」

「はい…わかりました。」

…運営の経費でゲーム機……。

学園をメリケンで壊しまくる委員といい…

どちらが風紀を乱しているのかわからないね……。

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