小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第67箱 「こらーーーっ!突然んなもん撃ち放ってんじゃねえ!」































そしてそして……。

とりあえず……ね。

「その…ごめんなさい…。」

劉一は、謝っている。

え…?誰にかって?

それはね……。

先生だったり……陸上部の人たちだったり……etc

何でかって……?

前の話を読んでくれればわかると思うけど……。

結構壊したりしてるんだ……。

窓ガラスだったり……スパイクだったり……。

それと、めだかちゃん、全力で走ってたみたいだから、所々で焦げ目が……。


「あははっ、な〜んか もう見慣れてるわよ。」

「おっけーおっけー!可愛い劉一クンだもん。許しちゃうよ!」

って言われて……とりあえずは笑って許してくれた。

でも……。

「あ…その、ありがとう。でも……そう言うのは、めだかちゃんが聞いてるかもしれないから……ちょっとやめてほしいかな?」

そう言う。

ほんっとどこで何を聞いてるのかわかったもんじゃないから……。

「えー いいじゃん!ちょっとくらい。お詫びってことで!」

「そーそー!」


……楽しんでるし。

そういわれたら……やめてっていえないね。

「あう……。」

苦笑いするしかない。

「その辺にしてあげたら?」

そこにやってきたのは、諫早先輩だ。

「そうだね〜。もう謝んなくていいよ?劉一クン!いつもの事だし!」

いつもの事って……。

「ありだとう……。」

まあ、いつものことっちゃあいつものことだ。

謝るのは……僕の仕事だからね……。


そして、諫早先輩を除いた部員の人たちは退散してゆく。

まだ部活の最中だったからだろう。

「あ…諫早先輩。あの時スパイクどうもありがとう。」

めだかちゃんが借りたスパイクだ。

でも……。

「その……ボロボロにしちゃってごめんなさい……。今度弁償します…。」

頭を下げた…。

めだかちゃんが本気で走ったから……。

並大抵な靴じゃあ……一瞬だよ。

「あ…//良いよ?役に立てたみたい……だし……」

諫早先輩は、なにやら赤い……。

どうしたのかなっ?って思って……。

「大丈夫ですか…?顔…赤いみたいですけど。」

ちょっと近づいてそう言う。

「あ……///うん…ダイジョーブだよ…?///」

近づくにつれて…悪化してるような?

「体には気をつけてくださいね?普段…一生懸命なんですから。」

ニコ……っと笑ってそう言う。

陸上部での話はちょこちょこと聞く。

有明先輩はもちろん、諫早先輩もがんばってるっていう話をだ。

実力は拮抗してるらしくて……。

顧問の先生は大変だ!って嬉しい悲鳴を上げていた。

どうやら……ずっと…ずっと約束を全力でがんばってるみたいだから、嬉しくなる。

後輩なんだけどね… 苦笑

「あ……うん//」

俯いて……。

「あの……ほんとに大丈夫です…“ガシッッ!!”!!!」

頭に…【いつもの】感触が……!!


「劉一ッ!今から、大事な話がある!生徒会室に行くぞ!」


そう言うのは……勿論?

「あうっ!痛い!!痛いよッめだかちゃん!!」

めだかちゃんの登場だ。

例によって……いつ現れたのかわからない……。


「あ……はぁ………」

諫早先輩は……。

突然の事で驚いてはいたけど……いつも通りすぎ?て、露骨にがっくりと……。


「諫早3年生!」


ビシッ!っとめだかちゃんは、なにやら指差していた……。

「な…なに??」

突然の事で、驚く!

「まず!劉一はあっちにいってろ!」


“ポイッ!”


「わわっ!!」

いきなり放り投げられて……って!酷い!!いきなり投げるなんて!!

ッと叫ぶまもなく……。


「わーーーーッ!!」


投げる勢いが凄すぎて……壁に衝突しそうになっていた。 苦笑

受身は出来たけど……。


そして……。


めだかちゃんと諫早先輩は、なにやら話していたみたいだけど……。

教えてくれなかった。

諫早先輩はちょっとがっくしきてたみたいだけど……。


「まったく!貴様は何度誑かしたら気が済むのだ!」

弩!

「あぅ……僕、そんな事してないよォ……。」

っとまあ、こんな感じで…。

劉一クンは、よくわからない?説教を暫くされていたのだった。








【生徒会室】


「おっ?帰ってきたか?ってどうしたんだ?やつれて…?」

善吉が迎えてくれた。

でも……理由を説明するきにはなれないな……。

「あ…まあ、納得だ。」

って、勝手に納得してるし……。

「もう……想像に任せるよぉ……。」

げんなり……。

「あははは……。」

喜界島さん、笑ってる。

「笑わないでよ……。」

はぁ…っとため息。

「まあ、いつも通り普通じゃないかなっ?」

そう言って笑ってた。

「むぅ……オレ的にはちょっと納得できないが……オレもそう思うな。」

阿久根先輩は何が納得できないのかわからないけど…… 苦笑

まあ、笑っていた。

かなりぎこちないけど……。

「貴様達、今回集まってもらったのは、他でもない。【コレ】の事だ。」

そう言って出しますのは何やら丸くて…小さな……。

って……。

「それって……。」

劉一が真っ先に反応した。

当然だ。

だって、【それ】受け止めていたから。

「ふむ、劉一は見覚えがあるようだな。」

めだかちゃんは納得していた。

「あん?劉一は?ってかそれって、なんだ?ボール?」

善吉はわからない。

まあ……当然だろう。

「否!ただのボールではない。スーパーなボール。即ち、スーパーボールだ!」

きりっと!!説明!!

「……いやいや、その説明じゃ皆理解してくれないよ?」

顔を見ると………。

まあ、そんな感じの顔をしてた。

目を細めて……ちょっと呆れた感じで…。

「ふむ、そうだな、貴様達もそんな顔をするでない。私はこれでも真面目な話をしておるのだ。」

そう言って、ボールを…いやっ!スーパーボールを善吉から受け取る。

「劉一は知っておると思うがな、雲仙2年生の使う奇妙な術に類手は貴様達も聞いていよう。」

そう聞くと…。

「ああ、えーっとなんか変な軌道の正体不明な飛び道具とかだっけ?」

善吉が答えていた。

「よかったね?」

劉一が善吉にそう言う。

「あん?何がだ?」

当然…の反応だ。

「正体がわかったんだよ?これが、その飛び道具の正体だよ。」

劉一がそう言う。

すると……。


「「「はっ……?」」」


三者三様に驚いていた。

「はあ!?風紀委員長の武器がスーパーボールだってのか??」

善吉は当然信じられない。

っていうか、阿久根先輩や喜界島さんも同様のようだ。

「うむ。十中八九……いや、間違いないな?だろう。劉一。」

めだかちゃんは劉一のほうを見てそう聞く。

「うん。間違いないよ?僕、受け止めたとき、確認したからね?」

そう言う。

「あの変な軌道でかなりのスピードのヤツを受け止めたのか……。相変わらず、すげえな……普段が普段なだけに…なぁ?」

善吉は、なにやらため息……。

(呼子先輩にマジで忠告しといてよかったな。結構マジだったし……。)

善吉はそう思っていた。

「普段が普段ってなにさ……。」

じと〜〜っと見るが……。

まあ、そう見られても、仕方ないか……。

「うむ。あの時の劉一には惚れ惚れしたものだ!」 凛ッ!

めだかちゃんは、良い笑顔…だ。

「あ…ありがとう……。」

劉一はちょっと照れていた。

「ふむ、貴様達も体験してみるがよい。コレを受け止めるのは至難だ。そして侮れない。何故なら、このスーパーボールの反発力・反射力は大したものだぞ?」

めだかちゃんは……指で……


“ビシンッ!!”


はじく!!

って!!

「わああああ!!」

「ちょっ!!」

「きゃっ!!」

「うわわっ!」

縦横無尽に跳ね回るスーパーボール!


“ガシッ!!”


それを受け止めた!!

「もう!いきなりは酷いよ?」

劉一が受け止めていたのだ。

「まあ、良いではないか。な?壁と言う壁を跳弾して……このような事態となる!」

そう言って……。

多少なりと被弾した皆にそう言う。


「『な?』じゃねえ!!突然何すんだよっ!」

「ううぅ……びっくりしたぁ……」

「突然だとかなり面食らいますね………受け止めたのは凄いと思いますよ俺も。」


そう言う。

「うぅっ……あんまし褒め……ないで……。」

慣れてる訳じゃないし……。

やっぱり照れるから……。



そんな劉一を見て笑う皆………。



そんな時。仄々とした空気だったのだが……。


“パチパチパチパチ……………”


入り口の方から……拍手?が聞こえてきた。


それは、これから始まる……【惨劇】の開幕のベルだった。





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めだかボックス 第5巻 [Blu-ray]
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