小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

第78箱 「409……83796984983939?(はぁ……数字言語って結構疲れるんだよ?)」



























場面は食堂……。

雲仙先輩と善吉達に戻る。


「……!?」

「お姉ちゃん??」

雲仙先輩の話からすると…… 彼の姉が学校に来ていると言う。

まあ、来ていても不思議じゃないと思うが……。

「おー 長らく引きこもってたオレのお姉ちゃんがよー 今ガッコに来てんのさー!」

プリンを……≪はい あ〜〜ん……≫って感じで食べさせてもらいながら……。

くぅ〜〜 うらやましいっ! 苦笑

まあ、それはとりあえず置いといて、

「だから、人吉。黒神と御剣に伝えてやっといてくんねーか?さっき 話したフラスコ計画の空き枠を欲して……んで ついでにオレの敵討ちも含めてオレのお姉ちゃんがテメーらを狙ってるってさ。」

ついでなんだ…… 弟の敵討ちは…… 苦笑

「でもまあ、もう遅いかもしれねーけどよ?」

彼の予想は的中する。

何が遅いかと言えば、忠告する前にもう既に鉢合わせている事に関しては…だ。







Side out






場所は変わり

ここは【三年十一組】。

「おいおい!なんださっきのすげー音!」

「わかんね!なんか一年の女子2人と男子が暴れてるらしーけど!」

さっきの轟音……。

勿論教室まで轟いていたようだ。

「んで かたっぽ生徒会長でしょ?後その彼氏の補佐!じゃあ、いつも通りじゃない?補佐が止めてて……って状況が頭ん中過ぎるわ。」

強ち的外れでもない想像力……。

普段はそう言う場面が多いから…… 苦笑

でも、今回は…。

「いやっ!今回は違うっぽい!もう1人の方も明らかにおかしいらしい!頭が!」

そう……説明とられちゃった…。

「マジで!!見にいかねーと!それは【普通】じゃねーし!」


“ドタバタ……ドタバタ……”


何やら……お祭りでも見に行くかのテンションだ。

そんな中、

「くー……くー……zzz」


寝ているのもいる……。

周りは騒がしいのに、神経図太い……。

「おーい鍋島。………そこの柔道部部長!」

そう……寝てるのは反則王と名高い鍋島先輩だ。

それを起こすのは、競泳部部長屋久島先輩だ。

「お前のお気に入りがまた何かやらかしてるらしいけど。見に行かなくていいのか?」

そう聞く……。

すると……!

「ふぁ〜〜ぁ ……せやからもう部長ちゃうって!元・部・長やで?」

その目はすっかり目が覚めていて、何やらわくわくしている感じだった。











一方その頃廊下では……。




“ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………。”




廊下が……壊れてる。

それにでっかいクレーターが出来ていた。

劉一の下で……。


「めっ……めだかちゃん?大丈夫??」

劉一はめだかちゃんに向かってそう言う。

どうやら、【何か】はめだかちゃんを狙っていたようだ。

それで、それをいち早く気が付いた劉一は受け止めていた。

ゆえに……劉一の足元にクレーターが出来たのだ。



“ザワザワザワ…………。”



それを見た観客?は驚く……。




「おい……あの鉄球……見るからに重そうだよな……。」

「ああ……転がしてる音から察しても絶対50〜60kgは軽くこえてんだろ?」

「んなもんを軽々扱う女子もそうだけど、やっぱ何なんだ?あの補佐……。」

「………だよね。地面にめり込んでるし……。優秀を通り越してるって、流石に……。」



っと……。



(ううぅ……恥かしい……。)

劉一は周りの声を勿論聞いていた。

自分に対する見方はめだかちゃん達と一緒にいる以上日に日に変わってきてるのはわかるんだけど……。

やっぱし、恥かしい……。みたいだ。

「334481……5732093029?」

………??

「とりあえず……普通に話してくれると嬉しいし……鉄球で挨拶も止めてくれると嬉しいかな…?」

「……劉一、私は大丈夫だ。」

めだかちゃんはそう言って立ち上がり……。

「ん?そっか……よかったよ。」



“ズシンッ………。”



鉄球をずらして地面に下ろした…。


“メコッ………。”


廊下が……。


(ああぁぁ……また、後処理が大変だよぉ……)


ずず〜〜んとしてるのは劉一クン。

こんな状態でも仕事熱心ですね!? ♪

劉一が頭を悩ませていたとき。


「493200(何をする?)?2948759(私の大切な男に!)!」


めだかちゃんも数字言語を……。

「……だよね?普通に話せない人なんだ……よね?話せるなら数字なんか呟かないか……。」

劉一も……そう判断。

まあ、鉄球振り回してくる段階で普通は通り越してると思うし? 苦笑

「でも……ありがとっ……大切って言ってくれて……///」

劉一はやや顔を赤らめてそう言っていた。

……彼も翻訳……解読できているみたいだ。

「3023395(大したものだ)……39293330078(私の鉄球を受け止めた上もう解読したか?)?46782、457098(弟を退けた、頷けるな。)」

数字合戦スタート……。

「392810(弟だと…?)……?39281705(貴様は雲仙二年生の姉君か……)593839(彼の仇討ちに来た…)……3999485(と言うところか?)?」

「48573……993095!(その事なら……ごめんなさいっ!)3988……284780(僕が……彼を怪我させちゃったから……)」

劉一は……申し訳ないような顔を……。

暴走したとは言え、記憶は鮮明に残っているのだ。

あの時のこと……。

トドメを……。

でもあの場合は仕方ないと思うよ?

「498398(貴様は悪い事などしてはいない)!!」

めだかちゃんは庇ってくれた。

それで……ちょっと抱きついて……。

また、罪悪感に晒されると思ったのかな??

「………98437//(………ありがと//)」

劉一は礼を言っていた。

でも……2人の会話に数字使わなくてもいいと思うんだけどね…… 苦笑





「49384757870『30989030』(私はモルモット集団『十三組の十三人』に入る為だ。)483720……?(最強とは……?)478730(わからないそれを目指すために。)。398902……(あくまで弟の敵討ちはついで……)4939895。49848(貴様達の首を手土産にしようとしていたんだ。入るためにな。)。」


どうやら……ほんとについでだったらしい……。

今回ばかりは同情するよ……雲仙君…… 苦笑


「498398。78954――87392。9209579382009087?(それにしても男の方は大したものだ。私の鉄球――重量は100kg。中身まで詰まった掛け値なしのものを無傷で受け止めるか?)3095793?5844983。98590498(女の方は何だ?避けるそぶりすら見えなかった。頼り切っていると見えるな?)」


めだかちゃんは……。

「398449!!(それは違うよ!!)498309598!(めだかちゃんに避ける理由が無いからだよっ!)」

劉一は思わず反論。

「985?(ほう?)」

雲仙姉は興味アリと言った感じだ。

「3908903984089.(貴様から攻撃される理由はない。)240808759089(ゆえに避ける理由がないのだ。)313……(だが………)」

めだかちゃんは劉一の方を向いて。

「15984098093。(劉一が守ってくれるとも信じていた。)983098……04985049。(私としては……劉一に怪我をさせたくはないのだがな。)」

めだかちゃんは微笑んでそう言ってくれた。

「94803……(僕は大丈夫……)284750378?(めだかちゃんに付き合ってるんだよ?)4832165!(このくらいで怪我なんかしないって!)」

だから、笑顔で返した。



「4988……3098098。098040957。(そうか……男は女を庇い。女は攻撃を避けないから男はずっと庇い続ける。)2587……。(ならば……。)」



雲仙姉は持ってきた鉄球……6つを全て動かす!


“ギュンギュンギュン!!”


そしてそれを振り回した!!



「30928!!983……42987!!(精々庇ってみろ!!お前の……彼女をな!!)」



フラスコ計画に入るにはこの男を倒せば間違いない。

雲仙姉は確信した。

即座に数字言語を解析した頭脳。

そして、眉1つ動かさず?鉄球を受け止めたその身体能力。

弟からは、化物は両方と聞いていたが……。

どうやら、男の方が本命だ。

直感と言うヤツもある!


「……めだかちゃんは僕が守る。避ける理由は無いってわかるけど。受ける理由だって無いんだから。補佐がしっかりカバーしないとね?」

劉一は全てを受け止める体制に!

そして数字言語やめっ!流石に集中したいから!!

でも……流石に……600kg……。

それはきついと思う!

……多分。大丈夫?だと……。

「無茶はっ!」

めだかちゃんは劉一を止めようとした!!

その時!!



「アホか?何で受け止めるしかないんや?わざわざ受け止めんと、避けたったらええやん?聡明な劉一クンも気づかんかい。ジブンやったら、めだかちゃん抱えて避けるのやって造作もないやろ??」



“コンッ! コンッ!”



脚払いの要領で、劉一とめだかちゃんをこかした。



“ギュンッ!!”



そのお陰で鉄球は彼らに当たらず……そのまま雲仙姉の方へと帰っていった。

……その正体は勿論!



「お……おおお!鍋島さんだ!」

そう……その通り!

「オレ達の鍋島さんだ!鍋島猫美が現れた!」

「反則王!鍋島さん!」

「今日はオレ達にどんな卑怯な手を見せてくれるのかなっ!?」



ギャラリーが一斉に沸く……。

ギャラリーの言うとおり。

・元・柔道部 部長にして、【反則王】鍋島猫美が参戦したのだった。





-79-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える