小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第79箱 「ははっ 鍋島と戦ったやつは皆そう言うのさ。鍋島猫美の勝利への執念は『反則』だってな!」




























鍋島先輩の登場で周囲が一気に沸いた……!

「クククッ☆登場しただけで騒ぎ過ぎやっちゅーねん☆しbっばオモロイことしたらへんでー☆」

ほーんっと皆騒いでるね。

「すっごい人気だね?先輩。」

ほえぇ〜っと……。

「ククっ ジブンには負けると思うでっ?」

キランッて感じの笑みだ。

「ふんっ!本当大した人気だなっ鍋島3年生!」

めだかちゃんはちょっとプイッとして……。

あれ?嫉妬してる??

「あはは……何を言ってるの、めだかちゃんは支持率98%もあるのにさ?」

劉一は笑いながらそう言っていた。

「そーやそーや☆黒神ちゃんと劉一クンには負けてまうわ。ちゅーか ホンマ相変わらず融通利かんのやな〜石頭♪でも、あの鉄球でやられたら、割れてまうで?」

にししし〜と笑いながらそう言う。

「割れないよっ?」

劉一が一歩前へ!

「へ?なんでや?」

割れるやろ?普通……って感じで聞く。

「だって……。」

劉一は笑顔でめだかちゃんを見て。

「……?」

「僕が守るんだからね。」

そう笑った……。

「っ……//そ…そうか……?」

めだかちゃん凄く照れていた。

「ほーかほーか、ごっつぉーさん…」

やれやれ……という感じで2人を見ていた。



「普段が普段やからな〜……突然のあーいう発言……効果はバツグンってヤツやな〜。」

ニヤニヤしながら……。


「3984379(私を無視するな)!!」


怒涛の表情!!

そして!


“ギュンギュン!!”


振り回しますは鉄球!!


今の今まで、ほっとかれた事を怒っているようだ。



「ああ、そういやあジブンおったっけな?」

あっけらか〜ん!

「604983!(ポッとでの十一組が!)50863487!(お前には関係ない事だ!)」

睨みつけながら………。


「クククっ!何ゆーとるかさっぱりわからへんけど、言いたい事わかるでー。」

鍋島先輩が初めこそは笑っていたが……

目を……見開いた次の瞬間には!


「ざけんなや!大好きな友達にんなことしてくれて!関係ないわけあるかい!」


“ギンッ!!”


凄まじい眼力だ……。

「鍋島先輩…………。」

ちょっと……感動してしまった……。

「クククっ♪な〜〜んてなっ!」

……あれ?

「うっ……ちょっと感動したのに………。」

ちょっと……。

「劉一には私がいる!」


“ぎゅっ!”


めだかちゃんが抱きしめて……。

「わっ……!め……めだかちゃん……っ///」

顔を真っ赤にさせているのは劉一だ。


「クククっ☆たまにはウチにも活躍の場をな〜☆事情はよう知らんけど可愛いもん同士の喧嘩やろ?やったら、ウチも入らなな〜♪」


可愛いもの同士……?

「え……僕……?」

劉一は鍋島先輩の言葉……ちょっと……。

「ふむ!劉一は可愛くも見えるぞっ!」

めだかちゃん……。

「うう……… 可愛いって言われても嬉しくないよ……。」

僕……男の子なのに……。






「まあ〜あれや! 他の校舎やったらいざ知らず、三年の校舎じゃ喧嘩は全部ウチが買う事になってんねん!ギャラリーも期待しとるみたいやし?ウチの柔道見せたるわ!」

劉一たちを置いといて……さっさと進めちゃった。 苦笑

「98698943049869308?(弟から聞いているぞ お前鍋島猫美だろう?)59384752345987(何を言ってるか さっぱりわからないし 何を言いたいかもわからないが。)5039840398529385!(特別に投げられるほど私は軽くは無いぞ!)」

雲仙冥加も……。


“ギュンギュンギュン!!”


そのまま、鉄球を振り回す!

「162034539279!(混ざりたいのならその辺の壁にでも混ざってろ!)5940968!643059836209486!(お前は!私の制服に触れる事さえできはしない!)」



“ヴォンッ!!!”



鍋島先輩に向かってブン投げた!!

………がッ!



“スパァァァンッ!!”


鍋島猫美の右ストレートがクリーンヒット!



“ドガアアアッ!!”


壁に衝突!


「ッ…??」

まさかの柔道かの拳。

それに驚きを隠せない様だ。




「な……なななな!」

1人が騒ぐ!

すると、周りも一斉に!



「「「「殴ったあああああーっ!柔道なのに!?いきなり反則!っぱねーーーー!さすがオレ達の憧れの猫美さん!!」」」」



一気に沸いた。

鍋島先輩の反則。

それを見るのが何よりの楽しみみたいだ。

ちょっと……あれだけど? 苦笑

でも……。


「あれ?何で反則?違うでしょ?」

劉一はそう呟く。

「うむ、厳密には反則では無いな、あれも柔道だ……。」

めだかちゃんも。

「その通りさ、襟や袖を取るだけが柔道だと思ったら大間違いだ。試合ではルール違反になると言うだけで……打撃も教本に記載された立派な柔道技なんだよ。」

そこに来たのは屋久島先輩だ。

「あっ。どうも!屋久島先輩!」

「よぉ 劉一。」

実は先輩とは結構会ってたりするんだ。

プールに呼ばれたりするからね?

水泳しょーぶ!とかでさ? 苦笑

「でもあれだね、今時は柔道の当て身なんて誰も使わないよね?」

劉一はそう言う。

「そうだな、赤帯びの私でさえ極めてはおらん。」

めだかちゃんはそう言うけど……。

「あはは……めだかちゃんだったらあっさり出来るだろうけどね?」

笑いながらそう言っていた。







「ククク!綺麗な相手に汚く勝つ!石頭や鉄球ほどやのーても ウチの拳もなかなかの硬さやろ?」

その鍋島先輩の拳……

そこからはまるでオーラの様なものが見える。

鍛えこんだ拳……。

だからこそ、そう見えるのだろう。


「柔道やから柔らかいとは限らなへん!手堅く勝たせてもらうでえ 天才(アブノーマル)!!」


手招きをしながら構えた。


「………345352(いいだろう) 43095038673926487(お前の軽薄さは私にとって許しがたい) 754234637542325!(私は軽い相手を重く潰す!)」


冥加の方も……凄まじい形相で睨みつけた。

そして……。



“ガチャッ ガチャッ ガチャッ!”



手枷のようにつけていた鉄球を全て外した。

「クククッ♪なーんやねん まさかアレかい?ドラゴンボールみたいにそのオモリを外したら超スピードで動けるゆーんちゃうやろな?」

「09540983709『8399943』311226(『ドラゴンボール』だけわかったぞ)045860498309842098098603986098048702452?(大方私が道着を脱いだ孫悟空ヨロシクスピードアップするとでも予想したのだろう?)224(ふん)」

その会話が終わった次の瞬間!!



“ヒュオッ!!!”


「!!」

冥加の姿は前になく……。

「68535!(正解だよ!)」


鍋島先輩の背後に!



「「「!!!」」」



皆も驚いていた!



「347592872938719385729867482(ところで私はこんな風に相手を後ろから攻撃するのが大好きでね)209470592584982759284759873(これは柔道やらの格闘技では味わえない快楽だろう)」



“ぎゅううううう……”



拳を握りこみ……


“ドガァッ!!”


後頭部を殴りつけた!


その場面に……



「あ……あっ!鍋島さんっ!!」



観客もざわめく!



“ドサッ………。”



そして、鍋島先輩はダウンした……。


「244(ふん) 343292(かませ犬が) 3209380198309571(わずか一撃で気絶するとは大した軽さだな 特別) 634938069392(お前の言葉の重みは知れたが)4203980297523522(勿論私はこんなものでは済ませるつもりは無いぞ。)」


冥加は鍋島先輩を無理やり起こすと……


「493098092(お前が意識を取り戻すまで殴り) 4950803929582095(意識を取り戻したら気絶するまで殴る) 325461009489284542(それを百回繰り返す)54302335252629(たかが十一組の分際で十三組に勝とうとした大罪は) 43099789657!!(それくらいに重い!!)」


引き起こした耳元でささやくように……そう言う。



「っ!!せ……先輩!」

「鍋島三年生っ!」

思わず行こうとしたけど……。

「おいおい、お前らがこの階でやってたのが原因だろ?今更ぬけぬけとヒーロー気取りで割ってはいる気か?手遅れもいいところだろうが。」


ズバッ……っと……。


「ううぅ………」

「…………」

2人して震えてる……。


何もいえないんだ……事実だから……。

「あっ……悪かったよ。言い過ぎたよ……。」

その負のオーラを見た屋久島先輩は、撤回していた。

そして次に……。


「まあ 見ていろ。この場にいる三年生の中には 誰一人として鍋島を心配してるやつなんかいない。」


そう言って笑っていた。

「えっ……?」

劉一は言われるがまま周囲を見る。

「あれ……?ほんと……だ。」

何やら、期待しているような…、ワクワクしてるようなそんな表情をしている人ばかりだった。

「へっ そうだろ?アイツは伊達や酔狂で反則王と呼ばれているわけじゃない!!」

その次にはニヤリっと目を開いて……!


“ガシッ!ガシッ!!”


「!!?」

冥加の片袖・片襟を掴んでいた!







「「「「「おっ………おおおおおおお!!鍋島県名物料理!狸の寝入り!ずっるーーーーー!」」」」」



ギャラリーはこれを期待していたようだ。






「クククッ!言うたやろ?どつかれた程度で気絶できるほど柔な鍛え方してへんわ。どんだけ速う動けてもこないして掴んでしもうたら関係ないわな?無用心やでーージブン!柔道か相手にこの間合いはアカンやろ!」

鍛え方が違う……。

確かに、鍋島先輩の実力は反則のそれが全てではない。

修練に継ぐ修練が裏づけしたものだ。

その動きを見たらよくわかる……。


「4……(おっ……) 4135……3434……(お前……ふざけ……)」

冥加は振りほどこうと動くが……!

振り切れない!

「あームリムリ!こんな風に同じ側の襟と袖をとられたら柔道ではまず振り切れへんことになってる………」

鍋島先輩は……そのまま振りかぶり!

「ねんでッ♪」


“ゴッシャッ!!!”


床にたたきつけた!


「一本背負いいいいいいいいいいいっ!!」

「カンペキ!カンゼン!受身も全くとらせねええええええっ!!!」


沸く沸く周囲のギャラリー。



「あ……ははは…… 危ないよ…?あの反則って……」

劉一はちょっと……褒められないであろう技にそう言う。

「そうだな……片襟・片袖のルールにひっかかるからな……。」

「その通り。6秒で反則を取られる組手だよ。ただし……それは勿論 試合場の中での話だ♪」

確かに……これは試合じゃない。

「ははは……鉄球振り回してくる人に反則ー!なんて言う筋合いないしね……。」

ごもっとも。 苦笑



だけど……。



冥加は、当然一撃だけで、動けなくなる事は無い

ダメージはあるものの直ぐに立ち上がる……


「435……(ぐ……) 3546672……(この程度で勝った気に……)」


廊下の床……

そこは道場のマットとは当然訳が違う。

頭への一撃は……視界が歪み平衡感覚を奪うものだった。

その隙に……。



“ガシッ!”



「勿論!一回投げたくらいで勝った気になんかならへんよーーウチは!テッテー的に叩き潰させてもらうで天才(アブノーマル)!」


背後を取りつかむ!

「!!??」



「ちゅーても ウチは優しいから安心し 気絶した時点で終わりにしたるからっ!ところでな〜ウチはこんな風に相手を後ろから攻撃すんのが好きでなあ これはまあ、柔道やからこそ味わえる快感やろ☆」

にこやかにそう言う……。

「4……4136!(お……お前!)354……354673543456!!(この……この卑怯者があああ!!)」

冥利は……周囲には決してわからないだろう言葉をはき捨てた!








「おい!劉一。あのコ 今卑怯者とか叫んでるだろ?」

それを聞いた屋久島先輩は劉一にそう聞く。

「え…?うん。そうですね。……あっ 先輩もわかったんですか?あの言語。」

劉一はそう聞き返した

だが、答えは違った。

「いんや まったくわからんよ!」

その顔は笑っていた。

「あれ?じゃあなんで?」

劉一は不思議がっていた。


「ただなぁ 鍋島と戦ったやつは皆そう言うのさ。鍋島猫美の勝利への執念は『反則』だってな〜!」



そう言ったと同時に……


“ドガアアアッ!!”


鍋島先輩の裏投げが炸裂し、冥加は動けなくなっていた。




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