【 第11話 】
「ハァァーー」
俺は鳴らしていたアラームによって起こされる。
アラームを止め時間を見る。
「……やべっ」
昨日姫様と朝の散歩をすると約束した時間になりかけていた。
俺はパッパと着替え部屋を出る。
城の出入り口で待ち合わせするようにしていたのだが……
姫様の姿が見当たらない。
俺はそれから5分ほどまった。
「すみませんココ」
姫様が奥から走ってくる。
「大丈夫ですよ〜」
姫様と俺は城のドアを開け外に出た。
「今日はどこに行くのですか姫様?」
「それは……行ってからのお楽しみです」
俺と姫様はセルクルがいる場所に着く。
「ココのセルクルはこれです」
「あっ……ありがとう姫様」
俺は姫様にオレンジ色の毛をしたセルクルを渡された。
姫様は当然ハーランに乗っている。
「それじゃーレッツゴーです!」
姫様は楽しそうに片手を上にあげ前に進んで行った。
俺もセルクルに乗り「よろしくな!」とセルクルにご挨拶をしてから進んだ。
「おぉぉ!」
着いた場所は広い草原で綺麗な花がたくさん見えていた。
「私のお気に入りの場所なんです」
「きれいですね姫様」
俺は今2つの意味で言ってみた。
「そうなんですよ〜ここに来ると癒されるんですよ」
華麗にスルーされました。
「遊びますか姫様?」
「出来るのならぜひ!」
俺はボールを思い浮かべ指輪から呼び出す。
「行きますよ〜姫様ぁ〜」
「は〜い」
俺は姫様にボールを投げる。
俺が投げたボールは姫様の少し上を飛んでいく。
姫様はボールをとれたものの後ろにこける。
「姫様…大丈夫ですか?」
俺は姫様の方へ走っていく。
「大丈夫です」
姫様は寝転がったまま言う。
俺も姫様の横に行き寝転がる。
「風が気持ちいいですね」
姫様は俺の方を向き「はい!」と尻尾を振りながら言う。
「姫様は可愛いよな」
俺はそう言いながら姫様の頭をなでる。
「ココにそう言ってもらえると嬉しいです///」
頭をなでていると同時に尻尾が揺れる。
そんな感じで姫様と仲良く話が出来て俺は幸せだった。
「姫様時間は大丈夫なんですか?」
姫様がつけていた時計を見て俺は尋ねた。
「少しやばそうです」
姫様は時計を見て驚き、体を起こしてセルクルがいる方へ向かう。
俺も姫様についていく。
ちょっと遠くの方へきすぎたせいかセルクルの姿が見えない。
俺は姫様をお姫様抱っこして足に輝力を集中させ全速で走る。
「ココ、ありがとうございます///」
「姫様が困っているなら助けるのが勇者の役目ですから!」
俺はそう言ってセルクルがいるところまでたどり着く。
姫様はハーランに乗り、俺もセルクルに乗りフィリアンノ城まで戻ることにした。
姫様とは城に着くと「また後で!」と言うことで別れた。
姫様も忙しいんだな。
俺は自分の部屋に戻り、本を読む。
そう勇者召喚についての本を……
俺はページをどんどんめくっていく。
「なんてこった……」
俺が見たページは『送還の儀』と言うものだった。
俺がそこで見つけた文は最悪なものだった。
『一度送還された勇者は二度とフロニャルドに来る事は出来ない』
それと
『儀式は勇者を召喚してから16日以内に行わなければならない』
と言うことだった。
他にもいろいろあったがこれを読んでしまった俺はこれからどうしたらいいんだ。
俺はとりあえず本を閉じ、本を自分のカバンへ隠す。
「さて……どうするか」
残りは今日を合わせて15日間。
まあ。気楽に過ごすとするか。
たとえ戻らなかったとしてもここには姫様やエクレ、リコ達がいるのだから。
俺は部屋を出てもう一度散歩をしようと外に出たのだった。