小説『DOG DAYS〜俺が最強の勇者になってやるよ!〜』
作者:音無()

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【 第12話 】









「ハァーー」


俺は今、大浴場でゆっくり休んでいる。


やっぱりお風呂につかると疲れがとれるなぁー。


と実感した俺はおじちゃんなのかな。


あれから俺はエクレと出会い親衛隊の訓練に付き合わされた。


エクレと1対1の組手を親衛隊の兵士たちの前でやってみたらどうだとエクレの兄、ロラン・マルティノッジさんに言われたので


俺はしゃーなしその組手を受け入れ、エクレと組手をした。


結果は五分五分と言うことで終わり、エクレは悔しそうにしていた。


「なんで私があんなバカ勇者と五分五分なんだぁ!」


って感じで叫んでいたような気がする。


それにしてもバカ勇者はやっぱり失礼じゃないか?


一応、勇者なんだぜ……俺は。


まあ。あれがエクレの対応の仕方なのか……


「ハァーー」


俺はもう一度ため息をする。


今日何回ため息をついたのかな。


そんなことはどうでもいい。


それにしてもさっきから女の子の声が近づいて来ているのは気のせいなのだろうか?


「後はおひとりでできますので…」


聞き覚えのある声。


朝にも聞いた姫様の声だった。


俺は急いで風呂の真ん中にあったでっかい岩の後ろに隠れる。


『シャァァーー』


とシャワーを使う音が聞こえる。


これはやばいって!


俺の心臓はバクバクと激しさを増していく。


俺はお風呂に潜り出入り口めざし進む。


姫様は俺に気づかないまま普通にシャワーを浴びている。


さっきまでここは男子用の大浴場だったはずなのだが……


俺はもう一度岩に戻り考え込む。


そうだ!


俺は入る前にちゃんと読んだんだ!


ここは確かに男子浴場だった。


それなのに姫様がなんで?


まあ。姫様が間違えるわけがないよな……


俺の心のはどこかでもういいやっと『ハハハハハッ』と笑っているような感じがした。


そんなことを思っていたとき俺のタオルがヒョロヒョロっと流れていく。


まるでモモがドンブラコドンブラコと流れていくように。


姫様も体を洗い終わったのかシャワーの音がなくなる。


俺のタオルはどんどん遠ざかっていく。


「こっちに戻って来いタオル!」


俺は小さくタオルに向かって呼びかける。


むろんタオルは聞いているわけもなく遠ざかっていく。


あっそういえば俺にはこれがあるじゃないか!


俺は忘れていた。


この神剣パラディオンの存在を…


俺は棒を思い浮かべ片手に棒を持ち、棒をタオルがある方へ伸ばす。


っがあと少しと言うところまで来ているのだがタオルは俺を嫌っているのか逃げている。


俺は岩をつかみ少しだけ距離を伸ばす。


「行け!行けるぞ俺なら」


俺は一生懸命、棒を伸ばす。


湯けむりのおかげで姫様はまだ俺に気づいていない。


と言うか気づかれては困る。


俺はそんなことも考えつつタオルを取ることに成功した。


だが、その時だった。


俺はタオルを取れた喜びで岩をつかんでいた方の手を放してしまった。


『ザッバァーーン』


俺が岩から落ちたせいでお風呂の湯がはじける。


その音で姫様はこっちを向く。


当然俺と姫様の顔が合ってしまう。


「…………///」


沈黙が少しの間続き。


「ごっごめん姫様!」


「いっいやこちらこそごめんなさいココ」


姫様は頬を赤くする。


俺の頬も赤くなる。


「俺が間違って先に入っていたからその……変わっていたのがわからなかってさ」


「その〜……私がさっき変えてもらったんです……」


なんだ〜そうだったのかぁ〜。


ってそうじゃない!


まあ。いいっか姫様だし。


俺は自分の失敗じゃなかったことに嬉しく思った。


「それじゃー私が……」


っと言って姫様が出ようとする。


「待った!俺が出るから姫様は残ってて!」


俺は姫様の手をつかみ俺が出ると宣言する。


「わかりました///。でもココも残ってくださいお話がしたいです!///」


姫様は頬を赤くしお話がしたいと言って来た。


「わかりました!姫様が言うのであれば」


姫様が恥ずかしながら誘ってくれたんだ断るわけにはいかない。


こうして俺と姫様は背中同士を合わせて話を始めた。

-12-
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