小説『DOG DAYS〜俺が最強の勇者になってやるよ!〜』
作者:音無()

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【 第2話 】





「ここは…………」


目を開けるとそこは自然豊かな場所に来ていた。


「あの〜初めまして、あなたが勇者召喚に答えてくれたココロさんですね!」


目の前にいたのは人、いや違う尻尾と頭の上に耳がついている。


横についていない……


「ココロだけど……ここは」


「申し遅れました私はビスコッティ共和国フィリアンノ領を務めさせていただいているミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティでございます」


「倉嶋心です」


俺は頭の中を整理する。


ここって全くの別世界だよな!


「存じ上げてございます勇者ココロさん」


「さん付けはやめてくれないかな?」


失礼なこと言ってしまったかな?


「すみません……でもなんて呼べばいいのでしょう?」


「ココロでいいよ!ついでに言っとくが勇者も言わなくていいからな!」


「わかりましたココロ」


「やっぱり勇者は付けてくれ!」


なんかしっくりこなかった。


「私のこともミルヒと呼んでください」


それはちょっと……


彼女は笑顔で話しかけてくる。


「じゃーミルヒさん、ここはどこですか?」


その時だった。


まだ明るいのに花火が上がったのだ。


「説明は移動しながらでもいいですか?」


彼女は焦っていた。


「ああ。好きにしてくれ」


俺はミルヒを追うように後をついて行った。








ミルヒの話、姫様の話ではこの世界では戦を行っているらしい。


それで今日俺が勇者としてこのビスコッティを勝利に導くために召喚された。


話をまとめるとこんなもんかな。


しかも俺は今、『ハーラン』とか言う名前の付いた生き物に乗って移動している。


この世界、フロニャルドでは『セルクル』?と言う生き物らしい。


そんな生き物に俺は姫様と2人乗りをしている。


その後を追うように犬がついてくる。


そう俺が学校で捕まえた『タツマキ』と言う犬が


この犬もフロニャルド、この世界の犬だったのだ!


つまり、この犬によって俺はこのフロニャルドに来たってわけだ。


「俺は何をどうしたらいいんだ?」


「倒しちゃってくださいガレット軍を」


そんなこと言われてもなぁ〜


倒すと言っても死ぬわけでもなく、ぬいぐるみみたいな小さな動物になるらしい。


まるで『ましろ○シン○ニーに出てくるパ○にゃ』のような姿になるらしい。


「どうやったらいいんですか姫様?」


「それは着替えている時に話します」


姫様は『ハーラン』を止める。


「ここが今日の戦場です」


そこはアスレチックがたくさんある自然豊かな場所だった。


思わず見とれてしまう。


ここなら出来る。


俺の修行のためにもなる。


「姫様!俺、勇者ココロがガレット軍を倒して勝利に導いてみせます!」


なんかやる気が出てきたぁーー。


「はい!よろしくお願いします」


そう言い姫様はハーランに紋章をあてる。


するとハーランに大きい羽根が出てくる。


「それじゃー行きますよー!」


「タツマキ来い!」


タツマキは俺の膝の上に座る。


ここじゃー言うことを聞いてくれるらしい。


姫様はハーランに指示をし、ハーランは飛び上がる。


「着替えと武器は城にもう用意してあります」


「それってかっこいい?」


なんて質問をしてるんだ俺は!


でも、気になる。


だって勇者だぜ!


かっこいい恰好で出たいじゃないか!


「はい!きっと気に入ってくれると思います」


これは期待期待っと。


「それはよかった」


「もうすぐ着きますよ!」


「りょうかいしました!」


ハーランは城の入口に下りる。


着いたと同時にたくさんのメイドさんが入口から出てくる。


「さあ。30秒で着替えを終えますよ!」


『はい!』


姫様と俺は城の中に入る。


メイドさん達およそ10人くらいが半分に別れて姫様と俺の着替えを始める。


「俺は自分で着替えるからさ!」


「いや、私たちにお任せください!」


何回言っても任せてくださいと言われ断れない。


「勇者ココロ、この戦での倒し方を教えますね!」


ちょっと離れた場所から姫様の声が聞こえる。


「どうぞ!」


答えた瞬間に着替えが終了する。


……///


姫様の恰好はものすごくきれいだった。


そのせいか少し顔が赤くなる。


よく見ると姫様も少し顔が赤い。


「じゃーまずこれが武器です」


「……これが?」


俺は指輪を渡される。


「それは神剣パラディオンです!自分の中で何か武器を思い浮かべてください!」


姫様に言われ俺は武器を思い浮かべる。


…………


何にしたらいいんだ?


片手剣とかでいいのかな?


とりあえず俺は片手剣を思い浮かべる。


「すっげぇー!」


俺の手に付けた指輪が光、片手剣が出てくる。


「他にも出せると思うので後で試しておいてください」


俺は片手剣を振ってみる。


剣って意外と重いんだな、さすが人の命を落とせるほどあるぜ!


「後は、さっき私がハーランに使った紋章術ですね」


「あれはどうやるんだ」


早く戦に出たくてうずうずしてきた。


「紋章術はフロニャルドの大地と空に眠るフロニャ力を集めたものです」


「……フロニャ力?」


「フロニャ力を自分の紋章に集めて自分の命の力と混ぜ合わせることでこのような輝力と言うエネルギーに変換できるのです」


姫様は右手を前に出し人差し指を出し俺に気力を見せてくれる。


「こうかな?」


俺も姫様と同じように人差し指を出し紋章術を使ってみる。


「上手ですぅ!」


「でも勇者様がもっとも使うのは紋章砲です!」


「それはどうやってやるんですか!」


「それは私ではなく親衛隊のエクレールに聞くといいと思います!エクレは紋章砲を使うのが上手ですから!」


「じゃー今から戦に参戦ですか?」


俺のテンションはどんどん上がってくる。


「はい!後はさっき教えた事をするとガレット軍を倒せますので」


「それでは勇者ココロ、戦場に行って勝利を手にしてきます!」


さあ。始まるぜ!


俺は戦場の方へ走って行った。

-2-
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